十話 そうだ、ダンジョンへ行こう!その1
眠りから目覚めると、メロウが何か天に向かってしゃべっていた。
「はい。わかりました。ああキムラっち起きたてたの⁉今、武神ガルバング様から伝言がきて、キムラっちに加護をあげるって言う話らしいよ。」
「なんでいきなり加護?」
「なんか、異世界召喚されたキムラっちが大した恩恵もなく、この異世界にいるのはかわいそうだと創造神様が言ってるらしくてせめてでも少し強くしてやろうということで武神ガルバング様の加護をいただけるらしいよ。」
心当たりがあるようでないな。
[おーいキムラ~聞こえるかこちらガルバングだ。]
「えっ!何?幻聴?」
[これはお前の脳に直接語り掛けてるってやつだ。]
「なるほど。念話みたいなものってことですか?」
[まあ、そういうことだ。それじゃ加護つけるぞ、ほい。ステータスを見てみなさい。]
【 名 前 】 木村歩夢
【 年 齢 】 21
【 種 族 】 異世界人
【 職 業 】 多分勇者、一応冒険者、精霊使い(仮)
【 レベル 】 2
【 HP 】 90 (+300)
【 魔力量 】 0 (+400)
【 攻撃 】 130 (+500)
【 防御 】 40 (+300)
【 すばやさ 】 110 (+300)
【 スキル 】 中級火魔法、抜刀術、鑑定、潜伏、護身術、アイテムボックス(特大)、
従魔 火の精霊メロウ
【 加護 】 武神ガルバングの加護
【固有スキル】レベル制限解除、経験値減少、戦闘時攻撃力増加、自動翻訳、攻撃力超過
完全防御
「ステータスが攻撃力500増加とそれ以外は300一括増加、あとスキル攻撃力超過、完全防御が増えてる感じか。」
[そういうことだからよろしくねじゃあまた何かあったら連絡するよ。]
「ありがとうございましたガルバング様。」
ふぅ、疲れた。神の加護マジありがたいな。
「よしメロウ、荷物をアイテムボックスに入れて朝食済ませたら出発だ。ダンジョン都市ブレスラへ。」
「やったー行こう、行こうダンジョン!」
メロウがはしゃいでいるがこれでも実年齢1700歳なんだよなぁ?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
定食屋にて
「これって三刀屋だよな?」
〈三刀屋〉
日本のチェーン店。定食屋として国内だけではなく世界規模で店舗を広げている。リーズナブルな価格で健康志向の客向けの定食やガッツリ系の揚げ物など様々な食事を提供している。
結構人いるな、まあ入ってみるか。
「いらっしゃいませ。カウンター席へどうぞ!」
その言葉を聞いた瞬間、学生時代の思い出があふれてくる。あの四人がけテーブルで食べたチキン南蛮、最高の仲間、そんな想い出に更けてるとメロウは言った。
「どうしたのキムラっち?ニヤニヤして気持ち悪いよ。」
「なんだよ!良いだろニヤニヤするくらいいいだろ、早くいくんだろ早く食べよう。」
「こちらお水でございます。」
「はい、ありがとうございます。」
さて早速メニューを見るか。
〈朝食メニュー〉
・オード鳥のチキン南蛮定食:銀貨一枚、銅貨三枚、鉄貨四枚
・パシフィックフィッシュの焼き魚定食:銅貨九枚、鉄貨八枚
・キャロルとブッコロリーの盛り合わせサラダ:銅貨五枚
素材は異世界産なんだ。
「じゃあ自分はパシフィックフィッシュの焼き魚定食とキャロルとブッコロリーの盛り合わせサラダにするか、メロウは?」
「じゃあね~私はオード鳥のチキン南蛮定食かな。」
「じゃあ店員さん呼ぶよ。すいません。」
「はい。ご注文お伺います。」
そう言って出てきたのは若い獣人だった。ネームプレートにはエリィと書いていた。
「パシフィックフィッシュの焼き魚定食一つとオード鳥のチキン南蛮定食一つ、あとキャロルとブッコロリーの盛り合わせサラダを一つお願いします。」
「ご注文繰り返します。パシフィックフィッシュの焼き魚定食一つ、オード鳥のチキン南蛮定食一つ、キャロルとブッコロリーの盛り合わせサラダを一つ、ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫です。」
接客も日本と変わらない。ここは異世界だよな?なんで日本の大手チェーン店があるのか不思議だ、いや違うこの店を作り出したのは俺と同じ召喚、または転生者、転移者の可能性もある。どちらにしろチート能力だろう。
数分後
「お待たせしました、こちらパシフィックフィッシュの焼き魚定食一つ、オード鳥のチキン南蛮定食一つ、キャロルとブッコロリーの盛り合わせサラダを一つになります。ご注文の品は揃いましたでしょうか?」
「はい。」
「ではごゆっくりどうぞ。伝票こちらに置かせていただきます。」
出てきた料理は日本で食べたものと変わらない料理だった。
「このお肉、うまい!今まで食べたことのないソースがお肉にあう~!」
メロウはペロリと食べきってしまった。
「飯くらいはゆっくりさせてよ。」
すると後ろから話しかけられた。
「木村君じゃん昨日ぶり!」
勇者だった。確か勇者の種族欄に転生者ってあったがまあ大体予想がつくな。
「日本っていう国を知ってますか?」
「知ってるよ。」
これは確定演出来た~!
「やっぱり転生者ってそういうことなんですよね?」
「そうだよね。僕の日本での名前は『三島流生』木村君、転生してから今までの経緯を話すよ。でもこの話は三人だけの秘密だよ。」
勇者プルアから聞いた話は衝撃的というか、過酷そのものだった。なんというか、地位、政治、戦争、いろいろなものが絡まってそんな中心で生きてきた勇者。
「話聞いてるだけで痛い。」
「そうだよね。それでもこの世界に転生してくる人がいるから、この店も日本人のチート能力だからね。」
わかりやすく言うと異世界人が転生または転移の時何かしらチート能力がもらえるのでそれを巡り権力争いがあったという話だ。召喚に関しては特に特典がなく、武神の加護はせめてもの埋め合わせだろう。
「じゃあこの店はチート能力で名前を借りて経営してるってことか。」
「あんま長話してても迷惑だろうからもう行くよ。また会うときを楽しみにしてるね。」
そう言い残して勇者プルアは帰った。
「よしそろそろ俺たちも行くぞ。伝票取って。」
「はい、はい~」
そうして席を立ちあがり、レジへ向かった。
「ありがとうございます、伝票をお預かりいたします。」
「合計で銀貨二枚銅貨八枚鉄貨二枚になります。」
「金貨一枚でお願いします。」
「恐れ入ります、金貨一枚をお預かりいたします。」
「銀貨七枚銅貨一枚鉄貨八枚のお返しになります、お確かめください。」
「ありがとうございます。ごちそうさまでした。」
そんなやり取りをして店を出た。




