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黒の人形使い〜女神に貰った神器で無双する。  作者: ボアの本棚


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24話 クソガキ上等



「ダンジョンの攻略報酬には、大きく分けて二つあります」


ハルさんは赤と青、二つの宝箱を見比べながら説明を始めた。


「一つは、赤い宝箱から手に入る武器や防具などのレアアイテムです」


「そして、もう一つが」


ハルさんは僕の手の中にある青い鍵を見つめる。


「魔王の封印を解く『七つの鍵』です」


「魔王!?」


僕は思わず声を上げた。


「二百年前の戦争で封印されたっていう、あの魔王か!?」


シオンも目を丸くする。


「はい」


ハルさんは静かに頷いた。


「絵本にも書かれていましたよね」


「二百年前、世界を支配しようとした魔王と、女神アローナに選ばれた勇者・賢者・聖女の三人が戦いました」


「激しい戦いの末、勇者達が勝利し、女神アローナは魔王を城へ封印します」


「そして、二度と復活できないよう、城には七つの鍵が掛けられました」


「その鍵は、それぞれ別々のダンジョンへ隠されたのです」


ハルさんは三本の鍵を見つめた。


「皆さんは、その七本のうち三本を立て続けに見つけてしまったということです」


部屋が静まり返る。


「今、世界にはダンジョンっていくつあるんですか?」


嫌な予感がして、僕は尋ねた。


「正確な数は分かりません」


ハルさんは首を横に振る。


「世界には、まだ発見されていないダンジョンが数多く存在すると言われています」


「つまり、残り四本がどこにあるかは誰にも分からないということです」


「……」


絶望しかなかった。


その時。


玉座の奥に、黒いアーチ状のゲートが現れる。


「サミュエルのところへ行きましょう」


「この鍵は国で保管してもらうべきです」


僕はマジックバッグから、これまで集めた二本の鍵も取り出した。


合計三本。


「そうですね」


ハルさんは真剣な表情で頷く。


「緊急事態です」


「私が直接届けてきます」


「マジかよ」


シオンが苦笑する。


「ダンジョン終わり?」


ユカリが不思議そうに僕を見上げた。


「うん。今日はこれで終わりだよ」


僕は三本の鍵をハルさんへ渡す。


「お願いします」


「お任せください」


ハルさんは『まーくん』へ向き直った。


「まーくん」


「アレス公国、国王サミュエル・アレス陛下の執務室へ転移できますか?」


『まーくん』が静かに杖を振る。


足元に黒い魔法陣が広がった。


「では、行ってきます」


ハルさんは僕達を見渡して微笑む。


「皆さんは寄り道せず、そのまま家へ帰ってくださいね」


そう言い残し、魔法陣の中へ消えていった。


静かになった部屋で、シオンがニヤリと笑う。


「魔王復活の鍵か」


「何だか面白くなってきたじゃねぇか」


「何言ってるの!」


僕は思わず叫ぶ。


「魔王なんて復活したら大変だよ!」


「ユカリ、お腹すいた」


ユカリはしゃがみ込み、お腹を押さえている。


「そうだね、帰ろうか」


僕がそう言うと、


「なあ!」


シオンが一枚のチラシを目の前へ突き出した。


「今、フレナリア帝国で剣術大会やってるんだ!」


目を輝かせながら説明を始める。


「歴代の優勝者も出場するらしいぜ!」


「見に行こう!」


「ダメだよ!」


僕は慌てて首を振る。


「ハルさんも『寄り道せずに帰ってください』って言ってたじゃないか!」


「いいんだよ!」


シオンは笑いながら走り出した。


「あっ!」


「待って!」


「ユカリ、行くよ!」


僕はユカリの手を握り、シオンの後を追いかけた。





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