第八章 後に残されるもの
エリアスが旅立ってから最初の一週間、ブレイデンはどこか奇妙な空気に包まれていた。
目に見える形で何かが変わったわけではない。水車小屋は相変わらず回り、商人たちは市場で値段について言い争い、いつもの犬たちは広場の近くで食べ残しを奪い合っていた。冷たい風が吹く午後には雨が降り始め、子供たちは洗濯物がずぶ濡れになる前に、物干しから急いで取り込んだ。
それでも、いくつかのものが、本来あるべき場所を失っていた。
サーン家では、ミラは今も三人分の食事を用意していた。三つ目の皿を食卓に置いて初めて、その間違いに気づくのだった。
工房では、テオはエリアスの作業台を、以前とまったく同じ場所に置いていた。仕事をしている最中、ふとそこを見つめていることがあった。それは会話や冗談が恋しいということではなかった。聞き慣れた物音がなくなったのだ。金床を叩く間違った音、床に落ちる道具、最も都合の悪い瞬間に飛んでくる質問。そんな音が消えていた。
広場では、カエルがほかの人に幸運の石を渡すのをやめていた。自分の石はあまりにもよく効いたので、エリアスは今ごろ王都へ向かっているのだと言っていた。エリンは、それを馬鹿げた結論だと考えていた。
一方、ライレンは友人に手紙を書き始めていた。もっとも、どうやって送ればいいのかは、まだ分かっていなかった。
リリアはいつもの暮らしに戻った。
母親を手伝い、共同菜園へ顔を出し、時間があれば工房の前を通った。中へは入らなかった。ただ中を覗き込むだけだった。まるで、エリアスが作業台に身をかがめ、壊れてもいない何かを直そうとしている姿を見つけるのを待っているかのように。
ある朝、彼女は井戸へ向かう途中でミラに出会った。
「お加減はいかがですか?」
「昨日よりはましで、明日よりは悪いわね」
リリアは微笑んだ。
「あまり元気の出る答えには聞こえませんね」
「まだここにいる、という意味よ」
ミラはバケツを地面に置き、頭に巻いたスカーフを整えた。
「何か知らせは届いた?」
「いいえ」
「私のところにも来ていないわ」
二人は黙り込んだ。
リリアは村を出ていく道に目を向けた。
「今ごろ、ヴィレデンの近くまで来ているでしょうね」
「デリクが途中で知り合い全員を訪ねることにしていなければね」
「おしゃべりが好きそうな人ですもの」
「好き? あの男は荷馬車の車輪とだって話をするわよ」
今度は二人とも笑った。
ミラはバケツを持ち上げ、再び歩き始めた。リリアもその隣についた。
「エリアスは王都を気に入ると思いますか?」と若い娘が尋ねた。
「分からないわ。でも、旅をした甲斐があると思える何かを見つけてくれたらいいわね」
「彼、ずっとほかの土地を見たがっていましたから」
「ある場所を見たいと思うことと、そこへ着いてから故郷が恋しくなることは別の話よ」
リリアは帰り道の間、その言葉について考えていた。
同じ日の朝、テオの工房には思いがけない訪問者が現れた。
黒い上着に泥のついたブーツを履いた中年の男が、ノックもせずに入ってきた。腰には小さな革包みを留めており、待つことに慣れていない人間のような顔つきをしていた。
「あなたがテオ・サーンか?」
「誰が尋ねているかによるな」
「私はエドラン。ヴルヴェから来た」
テオはハンマーを作業台に置いた。
「何か探しているのか?」
「鍛冶屋をな」
「なら、見つかった」
エドランは工房を見回した。目は道具や炉、壁に掛けられた金属部品の上を通り過ぎた。
「腕のいい仕事をすると聞いた」
「誰から?」
「数年前、あんたの作った金具を買った男だ」
「それだけでは、候補が多すぎるな」
エドランは笑わなかった。
革包みから、小さな金属片を取り出した。黒ずんでいて、形も不規則だった。留め具の一部のようにも見えたが、片面には刻印が施されていた。
「これを再現できるか?」
テオはその金属片を受け取った。
表面を調べ、光にかざして裏返し、親指で刻印をなぞった。
「似たものなら作れる。だが、これは何だ?」
「馬具の部品だ」
「違うな」
エドランが目を上げた。
テオは品物を作業台に置いた。
「側面に圧力がかかった跡がある。革ではない何かに嵌め込まれていたはずだ。それに、ここは摩耗したんじゃない。折れている」
「確かなのか?」
「馬具の部品ではないことは確かだ」
訪問者は金属片を回収した。
「どうやら、私の勘違いだったらしい」
「そうかもしれんな」
エドランはもうしばらく工房を観察していた。それから、デリクという男を知っているかと尋ねた。
「知っている」
「最近、ここを通ったか?」
「息子をヴィレデンまで連れていった」
「息子?」
テオは、言いすぎたことに気づいた。
「なぜそんなことを聞く?」
「別に。ただ、その名前を耳にしただけだ」
男は金属片をしまい、工房を出ていった。
テオは戸口から、その後ろ姿を見送った。エドランの歩き方には、特に脅威を感じさせるところはなかった。それでも、あの出会いには何か気に入らないものがあった。
作業台に戻ると、訪問者が調べるために置いた金属片が残されていた。
エドランはそれを忘れていったのだ。
テオは品物を手に取った。
刻印には見覚えがあるような気がした。だが、どこで見たのかは思い出せなかった。
そこから何キロも離れた場所では、エリアスが、デリクとの旅には想像以上の忍耐が必要だと知り始めていた。
商人には、自分の顔を見て少しでも見覚えがある様子を示した相手なら、誰とでも立ち止まって話をする癖があった。果物売り、馬の飼育人、街道の衛兵、宿屋の主人、さらには袋の結び方を改良したと主張する男とまで知り合いだった。
デリクはその説明を最後まで聞いた。
その後、袋を二つ買った。
「誰かが勧めるものは何でも買うんですか?」と、再び道を進みながらエリアスが尋ねた。
「いや」
「袋を買ったでしょう」
「いい品だったからな」
「結び方はくだらないって言っていたのに」
「くだらない話に、いい袋がついてくることもある」
エリアスは議論を諦めた。
その日の午後、彼らは小川のそばに停まっている小さな隊商に出会った。荷馬車は五台。布地や家庭用品を扱う商人たちが引いていた。旅人たちが簡単な食事の支度をする間、動物たちは水を飲んでいた。
デリクは、まるで古くからの友人にでも会ったかのように一行へ挨拶した。
その中の一人、背が高く白髪混じりのひげを生やした男が、すぐに彼を見分けた。
「デリク! 死んだと思っていたぞ!」
「私も一度そう思ったことがあるが、ただ腹が減っていただけだと分かった」
男は笑い、彼の手を握った。
「久しぶりだな!」
「君の顔がさらにひどくなるには十分な時間だったな」
「相変わらず嫌な奴だ」
「親友たちには、いつもそう言われる」
大人たちが話している間、エリアスは箱を一つ荷馬車から降ろすのを手伝った。中には小さな銅製の器具、色ガラスの部品、彫刻を施した木製品が入っていた。
荷馬車の近くに座っていた少女が、彼の仕事を眺めていた。
「兵士なの?」と尋ねた。
「違うよ」
「これからなるの?」
「分からない」
「私のお兄ちゃんは兵士になるの」
エリアスは少女を見た。
「お兄さんはここにいるの?」
少女は、馬をつなぐ作業を手伝っている少年を指さした。エリアスと同じくらいの年齢か、少し年上に見えた。
「お兄ちゃんはヴルヴェへ行くの」
「僕もヴィレデンへ向かっているよ」
「近いの?」
「分からない」
少女は残念そうな顔をした。
「お兄ちゃんは有名になるって言ってた」
エリアスは微笑んだ。
「帰ってきたら、何かお土産を頼まないとね」
「もう頼んだよ」
「何を?」
「馬」
「馬?」
「大きな馬よ」
エリアスはその少年を見た。
「お兄さんは知っているの?」
「ううん。でも、そのうち分かるよ」
少女は再び小川を眺め始めた。
エリアスは、彼女が悲しそうには見えないことに気づいた。兄が旅立つということの意味を、まだ理解していないのかもしれない。あるいは、自分自身もまだ完全には分かっていないのかもしれなかった。
デリクが話を終えると、二人は再び旅を続けた。
その後数日間、ヴィレデンへ向かう道はますます賑やかになっていった。
商品を積んだ荷馬車が、両方向から行き交った。自分の持ち物をすべて背中の袋に詰めて歩く旅人もいた。巡礼者や商人、小規模な軍の分遣隊も見かけた。
エリアスは兵士たちの服に描かれた紋章を見分け始めていた。
ヴェリディオンの紋章をつけている者もいれば、見たことのない印を身につけている者もいた。中には制服があまりにも異なり、まるで別々の国の軍隊に属しているように見える一団もあった。
「どうしてこんなにたくさんの紋章があるんですか?」と尋ねた。
デリクは反対方向から通り過ぎる一団を眺めた。
「場所がたくさんあるからだ」
「それくらいは分かっています」
「それぞれの土地が、自分たちの存在をほかの者たちに思い出させたがるんだ」
「たいしていい説明じゃありませんね」
「短い説明だからな。いい説明は、たいてい高くつく」
エリアスは首を横に振った。
夕方近く、彼らは街道沿いに建つ石造りの建物を見つけた。低い塔で、頂上には見張り台があり、色あせた旗が掲げられていた。入口の近くには二人の衛兵が座っていた。
デリクは速度を落とした。
衛兵の一人が近づいてきた。
「行き先は?」
「ヴィレデンだ」とデリクが答えた。
「積み荷は?」
「布地、乾燥薬草、道具類、それから自分の人生で何をしたいのか、まだ決めていない若者が一人」
衛兵はエリアスを見た。
「徴募か?」
エリアスはメルガヴァから渡された紹介状を見せた。
男は書類を注意深く読み、彼に返した。
「王都への出頭だな。本道を進んで検問所へ向かえ。脇道から入ろうとするな」
「どうしてです?」とエリアスが尋ねた。
「入口へ続く道ではないからだ」
デリクは微笑んだ。
「大切な区別だな」
衛兵は面白いとは思わなかった。
荷物の検査が終わると、通行が許可された。
荷馬車が再び動き出すと、エリアスは紹介状を注意深くしまった。
「問題ありませんでしたか?」と尋ねた。
「今のところはな」とデリクが答えた。
「ずいぶん落ち着いていますね」
「馬が二頭いて、荷馬車があり、食べ物もある。おまけに、まだ難しい質問をしてこない乗客までいる。心配する理由がない」
「質問に答えていません」
「いや。すべて順調というわけではない。だが、すべてが悪いわけでもない」
エリアスは道の先を見た。
王都はまだ見えなかった。それでも、自分には理解できない何かが近づいているように感じた。
その夜、彼らは古い橋の近くで野営した。
橋は狭いが深い川に架かっていた。石は苔に覆われ、欄干の側面には小さな彫像が並んでいた。そのいくつかは、長い年月のせいですっかり形を失っていた。
デリクが焚き火を起こす間、エリアスは水を汲みに行った。
戻ってくると、商人は荷馬車の後輪を調べていた。
「何か問題ですか?」
「スポークの一本にひびが入っている」
「直せますか?」
「直せる。だが道具が要る」
エリアスはテオが用意してくれた道具一式を開いた。必要なものを選び、商人に手渡した。
デリクはその道具を調べた。
「君の父親が作ったのか?」
「はい」
「いい仕事だ」
「父はいいものを作ります」
「知っているよ」
デリクは修理に取りかかった。
エリアスは焚き火のそばに座った。空は晴れ渡り、星はブレイデンで見るよりもずっと多く見えた。屋根も高い木々も、視界を遮る山もなかった。
「デリク?」
「ん?」
「父さんとは、ずいぶん昔から知り合いなんですか?」
「君が生まれる前からテオを知っている」
「どうやって知り合ったんです?」
商人は車輪の部品を締め直した。
「私のために金具をいくつか作ってもらったんだ。まだ一人で旅を始めたばかりの頃でな。荷馬車は、荷馬車を憎んでいる人間が組み立てたとしか思えないような代物だった」
「じゃあ、貧しかったんですね」
「倹約家だったんだ」
「同じことじゃないですか?」
「商人に聞く場合は違う」
デリクは焚き火の向かいに腰を下ろした。
「君の父親は、私が困っていたときに助けてくれた。余計なことは聞かず、正当な額以上は請求せず、小さな借りを大金に変えようともしなかった」
「父は、そういう話をしたがりません」
「君の父親は、ほとんど何についても話したがらないからな」
エリアスは微笑んだ。
「若い連中が連れていかれないように、みんなで約束をしたって聞きました」
デリクの笑みが消えた。
「聞いたのか?」
「はい」
商人は炎を見つめた。
「君の父親は、昔から慎重な男だった」
「あなたも参加したんですか?」
「参加した」
「どうして?」
「その土地を理解していない人間が、そこに暮らす者たちの運命を決めようとしたとき、何が起きるのか知っているからだ」
エリアスは彼が続きを話すのを待った。
だが、デリクはそれ以上何も言わなかった。
「それだけですか?」
「今のところはな」
「あなたには、半分だけ答える癖がありますね」
「旅をして身につけた技術の一つだ」
エリアスは背もたれに体を預けた。
二人の間で、焚き火がぱちぱちと音を立てた。
「父さんは後悔していると思いますか?」
デリクはしばらく若者を見つめた。
「君の父親は心配している。それと後悔を混同するな」
エリアスは目を伏せた。
「僕も心配です」
「それはいいことだ」
「いいこと?」
「何も怖がらない人間は、ほかの者にとって危険な存在になりやすい」
デリクは立ち上がり、馬の様子を見に行った。
エリアスは焚き火のそばに残った。
紹介状は服の内ポケットにしまってあった。カエルの石はもう一方のポケットに。修道院で見つけた青い破片は、布に包んで持っていた。
彼は、何の関係もない三つのものを携えていた。
軍の許可証。
幸運の石。
廃墟で見つけた陶器の欠片。
なぜ一緒に持っているのか、自分でも分からなかった。
おそらく今の彼にとって、それらはすべて、まだ理解できていない道の記憶だったのだろう。
はるか遠く、ヴルヴェの近郊では、一人の女性が高い壁に囲まれた中庭を横切っていた。
灰色の外套をまとい、革紐でまとめた書類の束を抱えていた。
泉の近くでは二人の若い兵士が話をしていたが、彼女が通りかかると会話を中断した。
女性は彼らに目もくれなかった。
長い建物の階段を上り、脇の扉から中へ入ると、机の向こうに座る男に書類を手渡した。
「北部の記録が届きました」
男は最初の冊子を開いた。
「何人分だ?」
「まだ分かりません。いくつかの地域から届いた名簿は不完全です」
「珍しい名前はあるか?」
「いくつか」
「特別な事例は?」
女性はためらった。
「ブレイデンの少年が一人、ヴィレデンへ出頭する許可を受けました」
男は目を上げた。
「なぜだ?」
「分遣隊を率いる隊長の判断です」
「名前は?」
「メルガヴァです」
男は冊子を閉じた。
「彼には、たいてい正当な理由がある」
「事情を問い合わせましょうか?」
「いや。まだ必要ない」
女性はうなずいた。
男は再び書類に目を戻したが、読み始めようとはしなかった。
「ほかには?」
「記録を提出していない地域が一つあります」
「どこだ?」
女性がその名を告げた。
男は一瞬、身動きを止めた。
それから引き出しを開け、四つ折りにされた古い紙を一枚取り出した。
「検問所に連絡を送れ。その地域で何らかの動きがあったか調べてほしい」
「どのような動きを?」
「何でもいい」
女性は、それ以上尋ねずに紙を受け取った。
彼女が出ていった後も、男はその場に残り、書類の上部に記された名前を見つめていた。
忘れ去られてはならない記録があった。
そして、理由はそれぞれ違っていても、見つからないことを望む場所があった。




