第六章 街道を行く男たち
ヴァは鞍に留めた地図を確認しながら答えた。「谷間の集落へ向かう道が分かれる前の、最後の共同体だ」
「若者は何人です?」
「事前の名簿には十一人とある」
ゴデンシオが口笛を吹いた。
「こんな小さな村に?」
「全員が同じ年齢というわけではない。召集期間中に十六歳になる者も含まれている」
「そのうち何人が連れていかれるんです?」
「それは審査次第だ」
ゴデンシオは顔をしかめた。
「いつもその答えですね」
「正しい答えだからな」
メルガヴァは地図をしまった。
「それから、試験が終わるまでは誰のことも徴募兵と呼ぶな。まだ兵士ではない。命令を受けた人々だ」
分遣隊はそのまま進み続けた。
ブレイデンは騎兵たちを歓迎しなかった。
士官たちが近づいているという知らせは、道で彼らを見かけた少年によって、到着よりも先に村へ届いていた。兵士たちが村の入口を通り抜けたとき、広場の近くには住民たちが集まっていた。
ポリニオロが泉のそばで彼らを待っていた。
「メルガヴァ隊長ですか?」と、近づきながら尋ねる。
「私だ。あなたがポリニオロ殿か?」
「はい。この村を預かっております」
二人は挨拶を交わした。メルガヴァは馬から降り、手綱をドゥランに預けると、広場を見渡した。
騒ぎは起きていなかった。だが、穏やかとも言い難い。若者の中には親と一緒にいる者もいれば、聞いていないふりをして離れたところに立っている者もいた。ある少女は弟の手を握っていたが、その弟はゴデンシオの剣に手を伸ばそうとしていた。
「名簿は用意してあります」とポリニオロが言った。
「結構。召集された者たちの審査と書類の確認を行う場所が必要だ」
「学校が使えるでしょう」
「十分な広さはあるか?」
「十一人なら問題ありません」
メルガヴァは住民たちに目を向けた。
「全員を一度に調べるつもりはない。まず名前と年齢を確認する。その後、召集された者一人ひとりと話をする。今回の身体検査は簡単なものだ。完成された兵士を探しているわけではない。次の段階へ進める者を見極めるだけだ」
一人の女性が声を上げた。
「息子が行きたくないと言ったら、どうなるんです?」
メルガヴァは彼女のほうを向いた。
「命令は強制です」
「では、選ぶ余地はないと?」
「その後、どのように務めるか、どんな役目に就くか、王国の中でどの道を進むかについては選択の余地があります。しかし、召集そのものを取り消せるとは約束できません」
女性は唇を固く結んだ。
「自分の息子じゃないから、そんなことが言えるんです」
メルガヴァはすぐには答えなかった。
「そのとおりです」
ようやく口にしたその正直な言葉は、どんな反論よりも彼女の勢いをそいだようだった。
ポリニオロは士官たちを学校へ案内した。
教室には、湿った木と炭、古い埃の匂いが漂っていた。
机は壁際に寄せられ、中央には長机が置かれた。書類は何組かに分けて並べられた。ゴデンシオは名前の照合を担当し、ドゥランは器具を荷馬車から運び出すのを手伝った。
メルガヴァは事前の名簿に目を通した。
十一人の名前。
何人かは、何世代にもわたってブレイデンに暮らしてきた家の者だった。ほかには、周辺の小さな土地に住む若者もいる。召集された者のうち二人は少女だった。最近転んで、まだ足を引きずっている少年が一人。そして、息子の健康状態について父親があまりにも長い注意書きを添えたせいで、署名する場所がほとんど残っていない少年もいた。
「年長者から始めますか?」とゴデンシオが尋ねた。
「そうしてくれ。それと、日付は村の記録と照合しろ。保護者の言葉だけを鵜呑みにするな」
「了解しました」
メルガヴァは読み進めた。
そのうち、一つの名前が目に留まった。
エリアス・サーン。
その姓には覚えがあった。北部の別の共同体にもサーン姓の職人の記録があったが、親戚関係にあるのかどうかまでは知らなかった。名前の横には年齢と親の名が記されている。
メルガヴァはその行を指でなぞった。
「この者は、もう名乗り出たのか?」
「はい」と、入口のそばで書類を整理していたポリニオロが答えた。「自分の意思で来ました」
「我々が到着する前に?」
「ええ。名簿に加えてほしいと申し出ました」
「両親は?」
「賛成していませんでした」
メルガヴァが顔を上げた。
「それでも本人は譲らなかった、と」
「はい」
隊長はもう一度その名前を見つめた。
「彼と話がしたい」
ポリニオロはうなずいた。
「呼んでまいります」
士官たちが徴募の準備を進める間も、村の暮らしは細々と続いていた。
サーン家では、ミラが寝台の上で服を畳み、荷物を取りすぎないようにしながら、どれを持たせるべきか考えていた。テオは工房で、小さな道具箱を作っていた。手の込んだ贈り物ではない。補強した木箱に簡素な蝶番を取り付け、留め金は自分でこしらえたものだった。
ミラはシャツを一枚持って部屋に入ってきた。
「この子のために箱を作っているの?」
「ああ」
「そんなにたくさんは入らないわよ」
「たくさん入れる必要はない」
彼女はシャツを寝台の上に置いた。
「服は必要になるわ」
「なら、服を入れればいい」
ミラは夫を見た。
「あなたって、本当に役に立つ返事をするわね」
テオは留め金の調整を続けた。
「手伝おうとしているんだ」
「分かっているわ」
彼女は寝台の端に腰を下ろした。
しばらくの間、二人は黙っていた。ミラは畳んだばかりのシャツに手を滑らせた。
「私たち、正しいことをしたと思う?」
テオはすぐには答えなかった。
「分からない」
「若い子たちを行かせないって約束したでしょう」
「守ろうとするって約束したんだ」
「それで、今は?」
テオは留め金をはめた。
「今は、あいつが自分で決めた」
ミラは窓の外に目を向けた。庭のスモモの木が風に揺れていた。
「この子は、まだ私の息子なのよ」
「分かっている」
「自分で決められる年齢になったとしてもね」
テオは箱を作業台に置いた。
「ああ、それも分かっている」
ミラは深く息を吸った。
「私が怒っていると思ってほしくないわ」
「怒っているだろう」
「怒っているわよ」
「なら、嘘をつくな」
彼女は不満げに夫を見た。
「あなたには、言葉を選ぶ才能がひどく欠けているわね」
「人生の大半を鉄と向き合ってきた。言葉のほうが難しい」
ミラは、かすかに笑いかけた。
ほんの少しだけ。
エリアスが学校に着いたのは、正午を少し過ぎた頃だった。
一人ではなかった。リリアが隣を歩いていた。ただし、兵士たちの姿が見えると、彼女は数歩後ろに下がった。
「一緒に入らなくてもいいんだぞ」と彼は言った。
「分かっているわ」
「じゃあ、どうして来たんだ?」
「私が来たかったからよ」
エリアスはうなずいた。
入口ではゴデンシオが名簿を確認していた。少年に気づくと、教室を指さした。
「エリアス・サーンか?」
「はい」
「入れ。隊長がお前と話したいそうだ」
リリアは彼の腕にそっと触れた。
「頑張ってね」
「試験じゃないよ」
「じゃあ、話を試験みたいにしないように頑張って」
彼は笑みを浮かべ、教室へ入った。
メルガヴァは机の向こうに座っていた。こめかみのあたりから白髪が混じり始めた、四十代半ばの男だった。シャツの襟の下に細い傷跡が消えている。特別に威圧的な印象はない。だが、簡単に人に騙されるような男にも見えなかった。
「エリアス・サーンか?」と尋ねた。
「はい」
「座りなさい」
エリアスは腰を下ろした。
メルガヴァは名簿を確認した。
「自分から志願したのか?」
「はい」
「なぜだ?」
エリアスは口を開いたが、最初に浮かんだ答えは、あまりにも小さなものに思えた。
「ほかの土地を見てみたいんです。いろいろ学びたいし、違うことをする機会が欲しいんです」
「それだけか?」
「そうだと思います」
メルガヴァは目を上げた。
「ヴルヴェに送られる若者たちがどうなるか、知っているか?」
「あまり詳しくは」
「なら、知っておくべきことを知らないな」
エリアスは黙った。
「ヴルヴェには軍事学院がある。そこへ送られた若者たちは訓練を受け、さらに詳しい審査を受ける。その後、軍人としての道を進む者もいれば、能力に応じて支援、兵站、工兵、行政などの役目に就く者もいる。全員が前線の兵士になるわけではない」
「分かりました」
「いや、まだ分かっていない。君は何も知らない制度の中へ入ろうとしている。自分で選んだわけではない人々に出会い、自分で作ったわけでもない規則に従い、理解できない命令を受けることもあるだろう。正しいものもあれば、そうでないものもある。そして、帰りたいと思ったときに、いつでも家へ帰れるとは限らない」
エリアスは自分の手を見つめた。
「簡単じゃないことは分かっています」
「難しいと知っていることと、それに備えができていることは同じではない」
隊長は名簿を閉じた。
「今、ここへ行きたいと思ったのには、何か特別な理由があるのか?」
エリアスはリリアのこと、テオのこと、ミラのこと、そしてポリニオロと交わした会話を思い浮かべた。
「行かなかったらどうなっていたのか、一生考え続けるのは嫌なんです」
メルガヴァは数秒間、彼を見つめた。
「それは、さっきよりも正直な答えだ」
隊長は一枚の紙を手に取り、何かを書き込んだ。
「よし。身体の状態を確認し、情報を記録する。その後、どこへ送るかを決めよう」
エリアスは立ち上がった。
「はい」
「それと、エリアス」
「はい?」
「一言ごとに私を閣下と呼ぶ必要はない」
「分かりました、閣下」
メルガヴァは一瞬、目を閉じた。
「ゴデンシオについていきなさい」
エリアスが外へ出ると、リリアは階段に腰掛け、ドゥランと話していた。兵士は剣について何か説明しているようだったが、彼女はそれよりも、これまでに剣で自分の指を切ったことがあるのかを知りたがっている様子だった。
「切ったことはない」とドゥランが言った。
「一度も?」
「一度もない」
「じゃあ、あまり使っていないのね」
エリアスは二人の会話に割って入った。
「終わったよ」
「それで?」とリリアが尋ねた。
「検査を受けることになった」
「それは嫌そうね」
「たぶんね」
「待っていようか?」
彼は彼女を見た。
「待っていてほしい」
リリアはうなずいた。
検査は簡単なものだった。
分遣隊に同行していた医師が視力、聴力、歯、そして過去の怪我の有無を確認した。エリアスに歩かせ、数歩走らせ、両腕を上げさせた。次の段階へ進むのを妨げるような問題は見つからなかった。
その後、家族、職業、読み書きの能力、基礎知識について質問された。
エリアスは父親の工房で働いていると答えた。
「道具の扱いは分かるか?」
「はい」
「どんな道具だ?」
「ハンマー、火ばさみ、やすり、のこぎり、のみ……」
男は手を上げた。
「工房にあるものを全部挙げなくていい」
「すみません」
「読めるか?」
「はい」
「書けるか?」
「はい」
「計算は?」
「それなりに」
書記が記録した。
「それなりに、というのは、ビール一杯の値段は足せるが、割り勘はできないという意味か?」
「何人で飲んだかによります」
男は顔を上げたが、笑いはしなかった。
「次の質問だ」
夕方になると、エリアスは再び隊長の部屋へ呼ばれた。
メルガヴァの前には、先ほどとは別の書類が置かれていた。
「検査では問題は見つからなかった」と彼は言った。
「では、ヴルヴェへ行くんですか?」
「まだだ」
エリアスは眉をひそめた。
「君の配属先について、少し事情がある」
隊長は書類挟みから一通の手紙を取り出し、机の上に置いた。
「君には特別な紹介状を渡す。これを持って王都へ向かってもらう」
エリアスはその書類を見た。
「どうしてですか?」
「私がそう決めたからだ」
「でも、何か悪いことをしたんでしょうか?」
「していない」
「それなら……」
「事務上の決定を個人的な侮辱だと受け取るな、若者よ」
メルガヴァは手紙を彼のほうへ押しやった。
「ヴィレデンへ向かい、そこに記された場所へ出頭しなさい。そこで書類を受け取り、手続きを続けてもらう」
エリアスは手紙を手に取った。
「ということは、ヴルヴェには行かないんですか?」
「通常の隊商と一緒に進まない、ということだ。残りのことは王都で決まる」
その答えを聞いても、不安が完全に消えることはなかった。
「分かりました」
「よろしい。もう行っていい」
エリアスは書類を鞄にしまった。
外へ出ると、入口のそばにゴデンシオがいた。
「どうだった?」と兵士が尋ねた。
「王都へ行くことになった」
「ヴルヴェよりいいのか?」
「分からない」
ゴデンシオは肩をすくめた。
「少なくとも、飯はうまいはずだ」
「行ったことがあるんですか?」
「ない」
エリアスは彼を見た。
「じゃあ、どうして分かるんです?」
「分からん。だが、期待は明るく持っておくのが好きでな」
ブレイデンを後にして道を進むと、メルガヴァはゴデンシオ、ドゥランとともに馬を走らせていた。
村での仕事は終わり、小さな分遣隊は、ほかの集落で召集された若者たちを集める大規模な隊商と合流する準備をしていた。
ゴデンシオが後ろを振り返った。
「隊長、一つ聞いてもいいですか?」
「構わん」
「なぜあの少年に特別な手紙を渡したんです? 我々と一緒にヴルヴェまで行かせればよかったのに」
メルガヴァは道の先を見たまま答えた。
「記録には現れない事情があるからだ」
「重要な人物の息子なんですか?」
「そういうわけではない」
「では、何なんです?」
隊長はしばらく黙っていた。
「彼と一緒にいた少女に気づいたか?」
「髪の明るい娘ですか?」
「ああ」
「彼女がどうかしましたか?」
「彼女は召集されていない」
ゴデンシオは眉をひそめた。
「召集されるべきだったんですか?」
「分からん。だからこそ問題なのだ」
ドゥランが馬を寄せてきた。
「何か特別な能力があるということですか?」
メルガヴァはうなずいた。
「自分の能力を長い間抑え込んでいる人間の中には、自分を安定させているものと非常に深い結びつきを作り上げる者がいる。その結びつきが脅かされたとき、何が起こるかは予測できない」
ゴデンシオは道の先を見た。
「その娘には、そういう能力があるんですか?」
「確証はない。だが、兆候はある」
「なら、なぜ彼女も召集しなかったんです?」
メルガヴァは彼のほうへ顔を向けた。
「準備もないまま彼女をあそこから連れ出したら、何が起こるか分からない。最悪の形で確かめるつもりはない」
ゴデンシオは考え込むような顔をした。
「では、あの少年を王都へ送ったのは、彼女から遠ざけるためですか?」
「違う」
「違うんですか?」
「もっと経験のある者に状況を評価してもらう必要があるからだ。あの娘は排除すべき問題ではない。導きが必要になるかもしれない、一人の人間だ」
ドゥランは顎ひげをかいた。
「もし、本当は何の力も持っていなかったら?」
「その場合は、無駄な旅をしたということになる」
ゴデンシオは笑った。
「隊長は、そういう旅がお好きなようですね」
「避けられたはずの葬式よりは、無駄な旅のほうがずっと好きだ」
三人は黙って進み続けた。
前方で道が二手に分かれていた。一方は谷間の集落へ下り、もう一方はほかの部隊が合流する予定の街道へと続いている。
メルガヴァは手綱を引き、右へ馬を向けた。
隊商が彼らを待っていた。
そしてブレイデンでは、リリアという名の若い娘が、自分の人生に目を向ける価値があると判断した男がいることを、まだ知らずにいた。その男とは、彼女がほんの少し言葉を交わしただけの相手だった。




