第二章 大地が踊った日
ブレイデンの丘の向こうから太陽が昇った。しかし、村はそれよりずっと前から目を覚ましていた。
その朝は、動物たちでさえ、何かいつもと違うことが起こると分かっているようだった。犬たちは子犬のころから知っている人々に向かって吠え、鶏たちは間に合わせの柵などお構いなしに広場を横切っていた。パン屋の前では、一頭のラバが主人の懸命な努力にも、もう誰も信じなくなったニンジンの約束にも耳を貸さず、頑として歩こうとしなかった。
収穫祭は朝早くから始まる。
大都市の祭りを知る者にとって、それは決して壮大な祝祭ではなかった。貴族の行列も、整列した軍隊も、遠い土地からやって来た楽師たちもいない。黄金の門が建てられることもなければ、山の頂から見えるほどの大きな焚き火が燃やされることもなかった。
それでも、通り一本を丸ごと満腹にできるほどのパンがあり、前の季節から貯蔵されていたワインがあり、ドライフルーツに音楽、遊び、そして少々度を越した数のかかしがあった。
ブレイデンでは、それだけで世界の注目を集めるには十分だった。
エリアスは家の扉を開けた瞬間、そのことを思い知った。
戸口の段差に、かかしが座っていた。
藁と枝と古着で作られ、つばの広い帽子をかぶり、首には赤いスカーフが巻かれている。目には黒いボタンが二つ。太い糸で縫い合わされた口元は、笑っているとも、脅しているとも取れる表情を作っていた。
エリアスはそれを見つめた。
かかしもまた、彼を見つめ返しているようだった。
「おはよう」
返事はなかった。
「ずいぶん礼儀正しいな」
彼はしゃがみ込み、作りを確かめた。誰かが左袖に小さな鈴を取りつけていた。藁の肩に触れると、鈴がちりんと鳴った。
「少なくとも、挨拶の仕方は知っているようだな」
「かかしと話しているの?」
声は通りから聞こえてきた。
門の前にリリアが立っていた。白い布をかけた籠を手にしている。蜂蜜色の髪は二つの三つ編みにされ、こめかみのあたりから何本かの髪がこぼれていた。淡い青色の瞳は、明らかに満足げな様子でかかしを眺めている。
「向こうから話しかけてきたんだ」とエリアスは答えた。
「そうでしょうね」
「ずいぶんしつこいやつだよ」
「あなたのほうが失礼よ。この子はお祭りのためにここにいるの」
エリアスは立ち上がった。
「だったら、ちゃんと働くべきだね」
「休暇中なのかもしれないわ」
リリアは近づき、かかしの帽子を整えた。
「これでよし。見違えたわね」
「かかしにも服装規定があるとは知らなかったよ」
「あなたの知らないことなんて、いくらでもあるわ」
「最近よく思い知らされるよ」
彼女は微笑み、籠を差し出した。
「あなたのお母さんに頼まれたの。どうせ何も食べずに出かけるだろうからって」
エリアスは籠を見た。
「もう朝食は食べたよ」
「それも言うだろうって、お母さんは言っていたわ」
「母さん、恐ろしいほど僕のことを分かってきたな」
「あなたのことを予想するのは難しくないもの」
リリアは籠を渡すと、招かれるのを待たずに門をくぐった。小さな中庭を横切り、台所の窓越しにミラへ挨拶すると、そのまま家の中へ入っていった。
エリアスは数秒、その場に立ち尽くした。
それから、かかしに目を向けた。
「何も言うなよ」
風が通り過ぎ、鈴がちりんと鳴った。
広場は一晩のうちに様変わりしていた。
屋台には店が開き、テーブルには色鮮やかな布がかけられ、家々の壁は葉の枝や遅咲きの花、布のリボンで飾られていた。いくつかの扉の上には、小さな麦の束が結びつけられている。それは古くから伝わる繁栄の象徴で、次の季節が村に幸運をもたらすようにと願って飾られるものだった。
広場の中央、噴水のそばには、収穫されたばかりの最初の作物を盛った木の籠が置かれていた。リンゴ、洋梨、トウモロコシの穂、小さなカボチャ、それに香りのよいハーブがひとつかみ。宴の前に、この籠は教会へ運ばれることになっていた。
この祭りは、ヴェリディオンで崇敬される女神イセルテアと、ブレイデンで最初の入植者にして村の守護聖人として語り継がれるサノマルに捧げられていた。
サノマルは、鍬と種の袋、それにひどく気難しいラバ一頭を持って、この土地にやって来たと言われている。彼はレメト川を見つけ、丘のそばに最初の家を建て、初めてこの地に住み着いた人々に土地の耕し方を教えた。
もっとも、最も広く知られている話によれば、最初の数年間に起きた問題のほとんどは、そのラバが原因だったらしい。
最初の柵を倒したのはあのラバだったという者もいれば、共同体で唯一の果樹を食べてしまったのだと言う者もいた。村の老人の一人は、サノマルがあのラバのせいで三度も野営地を移さなければならなかったと断言していた。
そして、話はいつも同じ結末を迎える。
ラバは年老いて死んだ。太り、満足しきった様子で。
どこまでが本当なのか、知る者はいなかった。
それでも収穫祭になると、誰かが必ずサノマルの像のそばにリンゴを一つ置く。
そしてたいていの場合、ラバのためにもう一つ添えられるのだった。
広場を歩いていたエリアスは、タレンが一人でテーブルを運んでいるのを見つけた。
「手伝おうか?」
「いや」
テーブルが傾いた。
「……やっぱり頼む」
エリアスは片側を支えた。
「どこに置くんだ?」
「東屋の近く。ライレンが遊びのために場所が必要だって言ってた」
「昨日、ライレンはいろいろ言っていたね」
「今回は正しいと思う」
二人は指定された場所までテーブルを運んだ。その途中、鶏を追いかけている子供二人と、ラバに青いリボンを受け入れさせようとしている男を避けなければならなかった。
ラバは受け入れなかった。
タレンはその様子を目で追った。
「あいつ、祭りが嫌いなのかな」
「リンゴを待っているのかもしれない」
「それとも謝罪かな」
「それなら当然だね」
作業を終えると、エリアスは噴水のそばにいる友人たちを見つけた。
ライレンは小麦袋の並べ方についてエリンと口論していた。セリンはカエルの腕に赤いリボンを結んでいたが、当のカエルはなぜそんなことをする必要があるのか理解できていないようだった。ハーレンはいつものように、あらゆる催しが失敗に終わると最初から分かっているような顔で、すべてを眺めていた。
「みんな早いね」とエリアスが言った。
「誰かが準備をまとめなきゃいけないでしょ」とエリンが答えた。
ライレンは袋を一つ持ち上げた。
「そして、優秀な競技者にふさわしい道具を用意する者も必要だ」
「ただの小麦袋だよ」とエリアスが言った。
「そうだ。道具だ」
セリンはカエルのリボンを引っ張り、蝶結びを作った。
「彼が優勝するわ」
「どうして?」とエリアスが尋ねた。
「背が高いから」
カエルは彼女を見た。
「それって有利なのか?」
「いいえ」
「じゃあ、どうして?」
「自信がありそうだからよ」
カエルは納得したようにうなずいた。
ハーレンがエリアスに近づいてきた。
「舞台はしっかり固定されているか?」
「父さんは大丈夫だって言ってたよ」
「じゃあ、壊れるな」
「信頼してくれてありがとう」
「楽観的に考えているだけだ」
エリアスが返事をする前に、甲高い声が広場を突き抜けた。
「どいて! みんな、どいて!」
一人の少年が小さな木製の荷車を押して走ってきた。その上には、藁と枝と布で作られた、少年自身よりも大きなかかしが載っていた。かかしは前のめりに傾き、木製の二本の脚が地面を引きずっている。
少年は道に石があることに気づかなかった。
荷車が石にぶつかった。
かかしが倒れた。
ほんの一瞬、かかしは空を飛んでいるように見えた。それから空の籠が積まれた山に落ち、籠を三つ倒し、祭りとは何の関係もないガチョウを驚かせた。
少年は立ち止まった。
皆がそちらを見た。
「死んじゃったの?」と子供の一人が尋ねた。
エリアスはかかしに近づいた。
「たぶん大丈夫だ」
「本当に?」とタレンが聞いた。
エリアスは人形を調べた。
「脈は見つからないな」
セリンが笑い出した。
一方、少年は今にも泣き出しそうだった。
エリアスはかかしを持ち上げ、立たせた。
「大丈夫だよ。転んだだけだ」
少年は袖で鼻をぬぐった。
「ガチョウのせいだよ」
ガチョウが不服そうに鳴いた。
「そうか」とエリアスは言った。「卑怯な襲撃だったな」
少年は満足したようだった。
エリアスはかかしを荷車にもう一度固定するのを手伝った。作業が終わるころには、かかしは前より少し傾いていたが、祭りを続けるには十分そうだった。
その朝、ブレイデンには戦争や王のことよりも、気にかけるべきことがたくさんあった。
エリアスは、それが好きだった。
正午が訪れ、食べ物の香りが広場を満たし始めた。
広場の屋台では、具入りのパン、蜂蜜菓子、焼き果物、チーズ、小さなミートパイが売られていた。香辛料の屋台もあり、通りがかりの商人が遠い地方から持ち込んだ調合品を売っていた。
エリアスはその屋台の前で足を止めた。
商人は背が低く、白い髭の先が二つに分かれ、丁寧に編まれていた。テーブルの上には、小さなガラス瓶が並び、色とりどりの粉や種、乾燥した葉が収められている。
「何か試してみるかね、若者よ?」
「おすすめは?」
商人は瓶を一つ持ち上げた。
「ナマル産の唐辛子だ。ひとつまみで十分だよ」
「辛いの?」
「自分の舌をどれほど大切にしているかによるな」
エリアスは瓶を見た。
「あれは?」
「太陽のシナモンだ」
「どんな効果があるの?」
「風味をつける」
「それだけ?」
「ほかに何を期待しているんだね?」
エリアスは微笑んだ。
「いや。それだけでいいよ。珍しい長所だ」
商人はその返事に満足したようだった。そして、黒くしわの寄った乾燥果実を少し試食させてくれた。
エリアスは口に入れた。
最初は甘く、次第に酸味が強くなり、最後には口の中いっぱいに爽やかな感覚が広がった。
「これは何?」
「南の暑い土地に生える木の実さ。旅人たちは『竜の涙』と呼んでいる」
「どうして?」
「涙のような形をしているからだ」
エリアスは残った果実を眺めた。
「てっきり、竜が関係しているのかと思ったよ」
商人は肩をすくめた。
「それもあり得る。竜に聞いたことはないがね」
エリアスは少しばかり買った。
その場を離れると、噴水の近くで二人の年配の女性と話しているリリアを見つけた。彼女はエリアスに気づくと、二人に手を振って別れた。
「どこに行っていたの?」
「世界を探検していたんだ」
「それで、何を見つけたの?」
エリアスは手を開き、果実を見せた。
「竜の涙」
リリアは一つ手に取った。
「おいしい?」
「まだ竜の涙なのか、ただの果物なのか判断できていない」
彼女は口に入れた。
「おいしいわ」
「じゃあ、やっぱり涙だね」
リリアは笑い、残りを返した。
二人はしばらく、広場を眺めていた。太陽の光が噴水に差し込み、水面が石の上に小さな輝きを映している。子供たちはテーブルの間を駆け回り、老人が弦楽器の調子を整えていた。二人の女性は、まるで王国同士の国境交渉でもしているかのような真剣さで、カボチャの大きさについて言い争っていた。
「競技には参加するの?」とリリアが尋ねた。
「たぶんね」
「それは、参加するって意味?」
「検討中って意味だよ」
「あなたはいつも、誰かが決めてくれるまで検討しているわね」
「一つの戦略さ」
「ひどい戦略ね」
「でも、手間がかからない」
リリアは首を振った。
「あとで手伝ってほしいことがあるの」
「何を?」
「そのときになれば分かるわ」
「それは不公平じゃないかな」
「公平である必要はないもの」
彼女はそれ以上尋ねられる前に立ち去った。
エリアスはしばらくその後ろ姿を見つめていた。
それから果実をポケットにしまい、友人たちのもとへ戻った。
午後になると、タヴィクがやって来た。
笛吹きの青年は楽器を抱え、顔に収まりきらないほどの熱意を浮かべて広場の中央に現れた。若く、黒髪で、質素な服装をしていたが、まるで何千人もの観客の前でオーケストラを指揮する直前であるかのような足取りだった。
実際に彼が指揮するのは、数人の子供と、興味を持った大人二人、そしてかなりの数のかかしたちだった。
タヴィクは芸術への熱意で知られていた。ブレイデンから一度も出たことはなかったが、それでも大劇場や旅回りの劇団、そして人々の世界の見方を変えるような舞台について語るのをやめなかった。
ただし、彼の野心に笛が完全に賛同しているようには見えなかった。
タヴィクは両腕を広げた。
「みんな! 今日はただ踊るだけではない!」
子供たちが近寄ってきた。
「今日は、大地の物語を体で語るのだ!」
東屋の近くに座っていたエリアスは、タレンのほうへ身を寄せた。
「危険な予感がする」
「何が?」
「まだ分からない」
タヴィクは続けた。
「我々は種となり、木となり、雨となり、太陽となる! すべてを同時に! 大いなる循環そのものだ! 踊りであり、祈りであり、生きた収穫なのだ!」
何人かの大人が顔を見合わせた。
子供の一人が手を挙げた。
「僕は木になってもいい?」
「もちろんだ!」
「倒れる木でもいい?」
タヴィクはためらった。
「ふさわしい場面でならな」
子供は満足したようだった。
笛吹きは参加者を並べ始めた。最初は身長順、次は服の色順、その後は誰にも理解できない基準で並べ替えた。子供を二人移動させ、別の子供たちの場所を入れ替え、黄色い帽子をかぶった少年には雨を演じるよう頼んだ。
「でも、僕は太陽がいい!」と少年が抗議した。
「太陽はもう決まっている」
「誰なの?」
タヴィクは子供たちの一団を指さした。
「彼らだ」
「五人もいるよ」
「太陽は寛大なのだ」
音楽が始まった。
少なくとも、音楽らしきものが始まった。
笛は、旋律との約束などまるで守る気がないかのように、上がったり下がったりする音を奏でた。子供たちは回り、後ろへ下がり、腕を上げ、しゃがみ込んだ。ある者は芽を出す種をまね、別の者は風に揺れる木を演じていた。
一方、カエルには肥沃な泥の塊という役が与えられていた。
彼は地面に横たわっていた。
微動だにせず。
あまりにも真剣な表情だったため、二人の女性が彼は気絶したのではないかと尋ねたほどだった。
エリアスは笑みを浮かべながら、その様子を眺めていた。
「なかなかきれいになってきたね」と彼が言った。
タレンは子供たちの動きを目で追った。
「ライレンが種を三つ踏みかけたぞ」
「農業の代償だよ」
リリアが二人の隣に現れた。
「意地悪しないで。いい感じになってきたわ」
彼女はほかの者とは違う真剣さで演目を見つめていた。子供が動きを間違えると、リリアは近づいて立ち位置を直し、小声で助言した。
「あなたは雨なんだから、ゆっくり近づいてね。そうしないと大地が驚いてしまうわ」と、少年の一人に言った。「大地は、ゆっくりやって来る水が好きなのよ」
少年はうなずき、踊りに戻った。
エリアスはしばらくリリアを見つめていた。
彼女には、人と接することに不思議なほどの才能があった。エリアスには、それがどうしてなのか理解できなかった。声を張り上げる必要も、命令する必要もない。ただ近づき、微笑み、その瞬間には目の前の相手だけが何より大切であるかのように話せばよかった。
「どうしたの?」彼女は彼を見ずに尋ねた。
エリアスは目をそらした。
「何でもない」
「見ていたでしょう」
「演目を見ていたんだ」
「そう」
音楽は、少し音程の外れた長い音で終わった。
子供たちは両腕を上げた。何人かは止まるのを忘れていた。カエルは最後の瞬間まで役に忠実に、地面に横たわったままだった。
一瞬、広場は静まり返った。
それから拍手が起こった。
最初は親たちから、次にほかの村人たちから。タヴィクは深々とお辞儀をした。まるで王の宮廷で傑作を披露し終えたばかりであるかのように。
彼にとっては、まさにそうだったのかもしれない。
リリアがエリアスのそばに戻ってきた。
「ほら、見たでしょう? きれいだったわ」
「そうだね」
「あなたが認めるとは思わなかった」
「美しさを理解できないわけじゃないよ」
「ただ、少し時間がかかるのね」
エリアスが返事をしようと口を開いたとき、別の声が会話を遮った。
「皆さん! まもなく最初の競技が始まります!」
ライレンが東屋のそばの高い場所を見つけ、木製の笛を手にしていた。
エリンの表情からは、準備に参加したことをすでに後悔しているのが見て取れた。
午後の暑さが和らぎ始めたころ、競技が始まった。
酒場のテーブルは広場の隅へ運ばれ、板や樽、古いベンチを組み合わせた即席の観覧席が作られた。小石と砂で囲まれた円が、主な競技場を示していた。
大した賞品はなかった。名誉だけで十分だったが、蜂蜜菓子一つのために自分の尊厳を危険にさらす覚悟のある競技者も何人かいた。
最初は綱引きだった。
チームは大声の中で決められた。ライレンは力の強い者を選び、セリンは面白そうな者を集めた。
エリアスは外れ、人数を数える係になった。
「参加しないのか?」とタレンが尋ねた。
「競技を台無しにしたくないんだ」
「負けるのが怖いのか?」
「勝ってしまって、次の祭りまでライレンの自慢話を聞かされるのが怖いんだよ」
綱が張られた。
ハーレンは片方の端に立ち、カエルはもう一方に立った。ライレンは自分のチームの中央に陣取り、誰にも聞こえないほどの熱意で指示を叫んでいた。
エリアスは手を上げた。
「準備はいい?」
競技者たちは足を踏みしめた。
「始め!」
綱がぴんと張った。
両チームが力いっぱい引っ張る。地面から砂埃が舞い上がり、顔は赤くなり、観客たちは声を張り上げ始めた。
自分のチームが負けそうだと気づいたカエルは、横を向いて叫んだ。
「ナメクジだ!」
一番近くにいた相手が振り向いた。
次にもう一人。
さらにもう一人。
チーム全員のバランスが崩れた。
カエルは綱を引いた。
綱は灰で引かれた線を越えた。
勝者たちは互いの上に倒れ込み、ライレンは誰かが不正をしたと騒ぎ立てた。
「お前が叫んだだろ!」と彼は抗議した。
「叫んだよ」
「それは反則だ!」
「叫んじゃいけないなんて規則はなかったぞ」
エリンは手元の記録を確認した。
「確かに、なかったわね」
ライレンは彼女を見た。
「お前は俺の味方をするべきだろ」
「私は規則の味方よ」
「規則が間違っている!」
「なら、別の規則を書けばよかったのよ」
続いて卵運び競争が始まった。
エリアスとリリアが数を数える係になった。参加者たちは木のスプーンと生卵を渡され、卵を落とさずにコースを走り抜けなければならない。
ライレンが笛を吹いてスタートを告げた。
タレンとハーレンは、まるで収穫の運命そのものを賭けているかのような集中力で走り始めた。
最初のカーブは難なく通過した。
二つ目も問題なかった。
三つ目で、二人は同じモグラの穴を踏んだ。
タレンは左へ倒れた。
ハーレンは右へ倒れた。
卵は小さな砂埃の中へ消えた。
砂埃が晴れると、二人は地面に横たわり、全身を土で汚していた。タレンはまだスプーンを握っていた。
観客は大いに沸いた。
「引き分けだ!」とライレンが叫んだ。
「引き分けではないわ」とエリンが言った。
「どうしてだ?」
「二人ともコースを完走していないもの」
「でも、同時に転んだぞ!」
「それは勝敗の規則ではないわ」
ライレンは目を閉じた。
「いつかエリン、お前、俺は規則のない競技を開いてやる」
「それでは競技にならないわ」
布取り競争がその勝負を締めくくった。
二人一組になり、競技場を横切って、相手の腰に結びつけられた布を奪い取る。子供たちは競技者を取り囲み、偽の指示を叫び、障害物をでっち上げ、真剣になりすぎている者たちを何とか惑わせようとしていた。
エリアスは、カエルとエリンの対戦を眺めていた。
カエルは転んだふりをした。
エリンは一瞬ためらった。
それで十分だった。
カエルは布に向かって飛び出し、それをつかむと、砂の上に顔から突っ込んだ。
勝利だった。
彼は口から土を吐きながら立ち上がった。
「勝者!」とライレンが宣言した。
「口の中に砂が入った」とカエルが不満を漏らした。
「栄光には犠牲が必要だ」
「栄光が砂を食べればいい」
競技は、参加者たちが結果について言い争う気力を失うまで続いた。子供たちには、色とりどりの羽根、光る石、香りのよい種など、小さな記念品が贈られた。大人たちは賞品に興味などないふりをしていたが、何人かは驚くほど真剣に石を奪い合っていた。
東屋の日陰では、年寄りたちがそれぞれの競争を、まるで偉大な偉業を目撃したかのように語っていた。
特にアルヴィス氏は、競技に参加していない者を指さし、すでに終わった者にまで声援を送っていた。
誰も彼を訂正しなかった。
収穫祭では、失敗にさえ拍手を受ける権利があるのだ。
鐘が六つ鳴ると、広場は再び姿を変え始めた。
長いテーブルが横一列に並べられ、噴水から共同館まで続く木の通路のようになった。女性たちは湯気の立つ鍋を持って家から出てきて、男性たちは樽や籠、大皿を運んでいた。子供たちにも簡単な仕事が割り振られたが、水差しを運ぶだけのことを危険な冒険に変えてしまう子もいた。
野菜の煮込み料理の香りに、ニンニクソースで煮込んだ肉の匂いが混ざる。焼きたてのパン、糖蜜、熟成チーズ、ドライフルーツ、リンゴのタルトも並んでいた。
ミラは準備の一部を取り仕切っていた。
エリアスは、彼女が大皿をテーブルに置いているところを見つけた。
「何か手伝おうか?」
彼女は息子を見た。
「手は洗ったの?」
エリアスは自分の手を見た。
「もちろん」
「じゃあ、あれを運んでちょうだい」
彼女は鍋を指さした。
エリアスは慎重に取っ手を握った。
「熱いね」
「料理だもの」
「大事な指摘だね」
ミラはかすかに微笑んだ。
「真ん中のテーブルに持っていって。途中で味見しないこと」
「そんなこと、絶対にしないよ」
彼女は片眉を上げた。
エリアスは鍋を運んでいった。
途中では味見しなかった。
テーブルに着いてから味見した。
全員が席に着くと、村の司祭が短い祈りを捧げた。収穫とレメトの水、家族たちの働き、そして彼らよりも前にこの土地を耕してきた者たちの記憶に感謝を述べた。
イセルテアの名を口にした。
サノマルの名も口にした。
最後に、次の季節もブレイデンに豊かな恵みをもたらすよう祈った。
長い演説はなかった。人々は頭を垂れ、古い胸の印を切る者もいれば、静かに祈る者もいた。
それから、食事が始まった。
会話は少しずつ広がっていった。
ある男は、自分の牛が門の開け方を覚えたと話した。ある女は、末の息子が洗濯籠の中にカエルを隠したと文句を言った。誰かは、ナレスの森の近くで白いキツネを見たと断言した。
白いキツネの話は議論を呼んだ。
白いキツネは寒冷地にしかいないと言う者もいれば、何年も前にブレイデンの近くに一頭現れたと主張する者もいた。ある老人は、それはキツネではなく、道に迷った雪犬だったと保証した。
「それで、雪犬がどうしてこんなところにいたんだ?」と誰かが尋ねた。
「道に迷っていたんだ」と老人は答えた。
その説明で十分だと判断された。
エリアスはタレンとリリアの間に座った。友人たちは食べ、話し、競技について感想を交わしていた。ライレンはまだ、綱引きでは自分のチームが勝つべきだったと証明しようとしていた。
一方、カエルは議論を諦めたようだった。
食べることに夢中だった。
「静かね」とリリアが言った。
エリアスは彼女を見た。
「食べているんだ」
「食べているときでも、いつもはしゃべるでしょう」
「もしかしたら、大人になったのかもしれない」
「信じられないわ」
「僕もだよ」
彼女は笑った。
しばらくの間、二人は黙って食べた。それは気まずい沈黙ではなかった。あらゆる瞬間を言葉で埋める必要がないときに生まれる、そんな沈黙だった。
彼らの周りでは、広場が最初のランタンの光に照らされていた。
夜が近づいていた。
エリアスはまだ知らなかった。後になって、どんな戦いでも消し去ることのできないほど鮮明に、あの夕食を思い出すことになるのを。
最後の演目が始まったのは、影がすでに屋根に届いてからだった。
タヴィクが再び広場の中央に現れた。笛を手に、昼間から少しも衰えていないような熱意をまとっている。
子供たちが彼の前に集まり、親たちはその近くに場所を取った。広場のあちこちに立つかかしたちも、ボタンの目で演目を見つめているようだった。
この踊りは古くから伝わる伝統だった。植え付け、収穫、感謝の歩みを表現するものだ。しかし、タヴィクは伝統的な形では不十分だと考えていた。
「我々は種となり、木となり、雨となり、太陽となる!」彼は再び宣言した。
エリアスはリリアの隣のベンチに腰を下ろした。
「まだ諦めていないね」
「諦めなくてよかったわ」
「本当に気に入ったの?」
「ええ」
「カエルが泥になったところも?」
リリアは微笑んだ。
「特にあそこがね」
笛の音が始まった。
旋律は不規則だったが、そこには何か誠実なものがあった。子供たちは二人一組で回り、芽のように腕を上げ、太陽を表す円を作った。少人数の一団はしゃがみ込み、眠っている種を演じていた。
タヴィクは子供たちの間を歩き回り、大きな身振りで立ち位置を直し、振り付けを組み直していた。
あるとき、彼は踊りに新しい秩序が必要だと判断したようだった。
子供たちの場所を入れ替えた。
それから、もう一度入れ替えた。
そして誰もついていけなくなると、これは即興的で直感的な踊りなのだと宣言した。
エリアスはリリアのほうへ身を寄せた。
「あれはどういう意味?」
「分からないわ」
「彼は分かっているのかな?」
「それも分からない」
「素晴らしい。みんな同じ状況だね」
リリアは小さく笑った。
演目は大きな事故もなく終わった。自然に拍手が起こり、親たちは子供たちを抱きしめた。カエルの泥の演技に賞を与えるべきかどうかについて、短い議論もあった。
タヴィクは再びお辞儀をした。
そのとき、胸に笛を押し当てた拍子に、意図しない音が鳴った。
観客は笑った。
彼は、それも演目の一部だったと思っているようだった。
祭りはゆっくりと終わりを迎えた。
広場では油ランタンの灯りが揺れていた。子供たちは親の膝の上で眠り始め、音楽家たちは楽器を片づけた。テーブルは空になり、鍋は回収され、ベンチは積み重ねられていった。
かかしの中には納屋へ戻されるものもあった。
帽子を傾け、両腕を広げたまま、夜を見つめるようにその場に残されたものもあった。
エリアスは最後の大皿を共同館へ運ぶのを手伝った。戻ってくると、噴水の近くでリリアが待っていた。
彼女は両手を背中に隠していた。
「まだここにいたの?」と彼が尋ねた。
「あなたを待っていたの」
「どうして?」
リリアは首を傾けた。
「約束を忘れたの?」
エリアスの胃が少し沈んだ。
忘れてはいなかった。
それこそが問題だった。
一週間ほど前、リリアは風車の丘まで一緒に来てほしいと彼に頼んでいた。何か見せたいものがあると言っていたが、それが何なのかは説明しなかった。エリアスは深く考えずに承諾した。何か落とし物を見つけたのか、荷物を運ぶのを手伝ってほしいのだろうと思っていた。
だが、その後、話はそれほど単純ではないのかもしれないと疑い始めていた。
「忘れていないよ」と彼は答えた。
「よかった」
「ただ、祭りが終わってからのことを言っていたんだ」
「あら! 本当に忘れてしまったのかと思ったわ」
彼女は微笑んだ。
エリアスも笑おうとした。
だが、その笑顔はあまり説得力がなかった。
「それじゃあ」と彼は言った。「行こうか?」
「もちろん」
二人が出発したころには、村はほとんど人影がなくなっていた。
風車へ向かう道は、土と石でできた小道となって最後の家々から離れていく。夜は冷えていたが、空は澄み渡り、丘の上には最初の星々が現れ始めていた。
リリアは彼の隣を歩いていた。
数分間、二人のどちらも口を開かなかった。
エリアスは村を振り返った。ランタンの灯りは、家々の間に散らばる小さな熾火のように見えた。音楽はもう止んでいたが、タヴィクの音程の外れた笛や、泥の塊を演じるために地面に横たわっていたカエルの姿を、まだ思い浮かべることができた。
「いい祭りだったね」と彼は言った。
「ええ」
「タヴィクはもう少しで踊りを台無しにするところだった」
「でも、台無しにはしなかったわ」
「カエルは本当に死にかけたね」
「それも死ななかったわ」
「今夜は生き残った人が多いね」
リリアは笑った。
二人はそのまま丘を登り続けた。
風車の丘は村から少し離れた場所にあった。そこからは、木々の間を縫うように流れるレメト川と、さらに遠くに広がるナレスの森の黒い影を見渡すことができた。
エリアスには見覚えのある場所だった。
地面には石があちこちに散らばり、いくつかは苔に覆われていた。道の近くには低い木が一本生えており、風に吹かれて傾いている。背後には風車が立ち、暗い羽根を空に浮かび上がらせていた。
リリアが足を止めた。
「ここよ」
エリアスは周囲を見回した。
「何をしに来たの?」
彼女は彼のほうを向いた。
一瞬、いつものいたずらっぽい表情が消えた。リリアは言葉を探しているようだった。そんなことは珍しい。普段の彼女なら、何を言えばいいのかを正確に分かっている。
「あなたと話がしたかったの」
エリアスは喉が渇くのを感じた。
「何について?」
彼女は微笑んだ。しかし、その笑顔にはいつもと違う何かがあった。
「私たちのことよ」
風が丘を吹き抜け、草をなびかせた。
眼下では、ブレイデンが静かに灯りをともしていた。あの小さな丘の上で、二人が、いくつかの約束は思っていたよりも果たすのが難しいのだと知ろうとしていることなど、村はまだ何も知らなかった。
エリアスはリリアを見た。
それから、自分のブーツに目を落とした。
「分かった」
彼はそう言った。
短い返事だった。
しかし、その夜、彼が見つけられたのはそれだけだった。




