第十章 最初の登録
エリアスは、誰かが頭の中で木を鋸で挽いているような感覚とともに目を覚ました。
目を開ける。
音は通りから聞こえていた。荷馬車が石畳の上を通り過ぎていく。その車輪の一つが、回るたびに規則正しく軋んでいた。そこに人々の話し声や馬の蹄の音が重なり、さらにリンゴについて何かを売り込む商人の呼び声が響いていた。
エリアスはしばらく横になったままでいた。
部屋には明るい光が差し込んでいた。窓から入った一筋の陽光が床を横切り、ベッドの脇まで伸びている。机の上には、昨夜置いたままのカエルの石と青い欠片、そして紹介状が並んでいた。
ほんの一瞬、自分がどこにいるのか忘れていた。
そのとき、階下から声が聞こえた。
「また俺の鞄にそれを入れたら、全部窓から放り投げてやるからな!」
「そんなことできるわけないだろ!」
「試してみるか?」
エリアスはブレナーの声だと分かった。
彼は起き上がった。
台所に着くと、マエリスが朝食の支度をしていた。ラウンは不満げな顔で食卓に座り、その隣ではリリスが小さな木製の品を手にしていた。
「おはようございます」
「おはよう!」とマエリスが答えた。「よく眠れた?」
「とてもよく」
「それはよかったわ。座って。パンとチーズ、それに果物があるわよ」
エリアスは椅子を引いた。
「何かあったんですか?」双子を見ながら尋ねる。
「何もない」とラウンが答えた。
「こいつが僕の鞄に木のカエルを入れたんだ」とリリスが説明した。
「カエルじゃない。ヒキガエルだ」
「脚が四本あって、舌がやたら長い。カエルだよ」
「ヒキガエルだって脚は四本ある」
ブレナーがシャツの袖を整えながら台所に入ってきた。
「お前たち二人が、今の半分でも勉強にその元気を使ってくれれば、私はようやく引退できるんだがな」
「父さんは引退できないよ」とラウンが言った。「母さんが言ってた。仕事がなくなったら、文句を言うことしかできないって」
マエリスは食卓に大皿を置いた。
「家にいると文句ばかり言う、とは言ったわね」
そのすぐ後ろから、髪をぼさぼさにしたデリクが帽子を手に現れた。
「おはよう。コーヒーはあるか?」
「お茶ならあるわ」とマエリスが答えた。
「それじゃあ、今日は大変な一日になりそうだ」
エリアスは笑った。
デリクは席につくと、まるでここ三日間まともに朝食を食べていなかったかのような勢いで食べ始めた。
ブレナーは扉のそばに掛けてあった小さな革袋を手に取った。
「今日は出頭しなければならないな」
エリアスは背筋を伸ばした。
「はい」
「詰所まで付き添おう。道も知っているし、紹介状について説明することもできる」
デリクは布切れで口を拭った。
「俺も一緒に行きたいところだが、届けなきゃならない荷がある」
「到着してからずっと荷を届けると言っているな」とブレナーが言った。
「忙しい男だからな、俺は」
「昨夜はうちの子どもたちに半晩も昔話を聞かせていたくせに」
「教育だって仕事のうちだ」
マエリスはエリアスの前にカップを置いた。
「時間のことは気にしなくていいわ。まずは食べて」
エリアスは礼を言った。
食べながら、彼は家族の様子を眺めていた。ラウンとリリスは、今度は最後の一切れのパンをどちらが取る権利があるかについて、また言い争いを始めていた。マエリスは聞こえないふりをしている。ブレナーは書類に目を通し、デリクはお茶など、コーヒーを探すことを諦めた人間が作り出した飲み物だと、マエリスに力説していた。
ありふれた朝だった。
エリアスは、自分がこの光景を気に入り始めていることに気づいた。
二人は間もなく家を出た。
ブレナーは飾り気のない濃い色の上着を着て、革の書類鞄を携えていた。荷馬車を避けながら、しっかりとした足取りで歩き、道すがら何人かの商人に挨拶をしていた。
エリアスはその歩調についていこうとした。
「知り合いが多いんですか?」と尋ねた。
「いや」
「でも、みんなあなたを知っているみたいです」
「記録の仕事をしているからな。自分の書類が行方不明にならないようにできる人間のことは、誰だって覚えているものだ」
「なくしたこともあるんですか?」
ブレナーは彼を見た。
「一度な」
「そのときはどうなったんです?」
「ある男が、そのせいで小さな家の所有権を失いかけた」
エリアスの表情が真剣になった。
ブレナーは歩き続けた。
「二日後に書類を見つけた。その男は家を取り戻したが、すべてを失うかもしれないと悟ったときの顔は、今でも忘れられん」
「仕事は好きですか?」
「好きな部分もある」
「どんなところです?」
「何かを解決できたときだ」
「じゃあ、書類を書くのは好きじゃないんですね」
「書類を書くことは必要だ。好きになるのは病気だな」
エリアスは笑った。
二人は弦楽器を演奏する一団がいる広場を通り過ぎた。背の高い男が木製の仮面を顔に固定し、ゆっくりと身振りを繰り返している。もう一人の男が小さな太鼓で旋律に合わせていた。
その近くでは、二人の女が布地の値段について言い争っていた。籠から逃げ出した鶏を追いかけて、少年が走り回っている。
ブレナーは露店の前で足を止めた。
「少し待っていろ」
小さな具入りパンを二つ買い、一つをエリアスに渡した。
「歩きながら食べるんだ」
「ありがとうございます」
「歩きながら食べることを覚えておくといい。ヴィレデンでは、道の真ん中で立ち止まるのは、馬車に轢かれるための効率的な方法だ」
二人は再び歩き始めた。
エリアスは広場を横切る外国人たちの一団を眺めた。彼らは淡い色の長衣をまとい、袖には小さな金属板が縫いつけられていた。そのうちの一人は、動物の図柄で飾られた木箱を抱えていた。
「どこの人たちですか?」とエリアスが尋ねた。
「知らん。南方のどこかの王国から来たのかもしれん」
「知らないんですか?」
「私も、ほかの誰も、世界のすべてを知っているわけじゃないんだよ、エリアス」
「でも、ヴィレデンにはあらゆる土地から人が来るんでしょう?」
「そうだ」
ブレナーは周囲の建物を指し示した。
「この街は門のようなものだ。品物が入り、知らせが入り、思想が入ってくる。時には問題もな」
「どうしてそんなに多くの人がここへ来るんですか?」
「ヴェリディオンには影響力があるからだ。他の王国に注目させるために、土地を征服する必要はない」
エリアスは男を見た。
「つまり、ヴェリディオンはとても強い国なんですね?」
「世界でも指折りの大国の一つだ。だが、力というのは軍隊だけを意味するものじゃない。協定、交易、知識、名声、制度も力の一部だ。ヴェリディオンの兵士が一人も訪れたことのない土地でさえ、ここで生まれた貨幣や道具、技術を使っていることがある」
「それは王国を征服するより難しそうですね」
「ずっと難しい」
ブレナーは歩みを進めた。
「街を征服することと、その街が何世代にもわたって自分と取引したいと思うようにすることは、別の話だ」
エリアスはその説明を心に留めた。
他の王国についてはあまり知らなかったが、カルドリスのことなら聞いたことがあった。ブレイデンでは、その地域の争いがよく話題に上り、たいていは奪われた領土や脅かされる国境の話が続いた。
ヴェリディオンは違うやり方で動いているようだった。
「カルドリスにも、そういう影響力があるんですか?」と尋ねた。
ブレナーはわずかに顔をしかめた。
「カルドリスは、自分たちの影響力に軍隊を添えたがる」
「じゃあ、違うんですね」
「そうだ」
「彼らのことが嫌いなんですか?」
「カルドリス人全員を知っているわけじゃない。統治者の決定だけを理由に、ひとつの民族全体を非難するのは不公平だ」
エリアスはうなずいた。
会話は、二人がより幅の広い大通りに差しかかったところで終わった。
そこは人通りが多かった。兵士たちが街角を巡回し、職員たちが箱を運び、若者たちは親に付き添われて歩いていた。簡素な旅装束を着た者もいれば、すでに当局から支給された制服を身につけている者もいた。
誰もが同じ場所を探しているように見えた。
徴募所は、大きな広場の近くにある複数の建物を使っていた。
ヴェリディオンの旗が旗竿に掲げられ、石造りの建物の前にはいくつもの机が並べられていた。登録を担当する職員たちの前には、長い列ができている。
そこには、さまざまな年齢の若者たちがいた。
不安そうな者もいれば、心配を紛らわせるために大声で話している者もいた。丸刈りの少年は母親の手を握り、母親は彼の上着を整えようとしていた。その近くでは、二人の姉妹が旅用の小さな鞄をどちらが持つべきか言い争っていた。
エリアスは人だかりを見渡した。
「みんな新兵なんですか?」
「そういう者もいる。ほかには、適性評価や書類手続き、配属先への案内のために来ている者もいる」
ブレナーは一つの列を指さした。
「お前の登録は、あそこから始めるはずだ」
エリアスは手紙を取り出した。
「これですね?」
「そうだ。係員に見せれば、手順を教えてくれる」
ブレナーは列の入口まで付き添ったが、彼の隣には留まらなかった。
「仕事に戻らなければならん」
「付き添ってくれて、ありがとうございます」
「礼には及ばん。デリクにはまだ借りがあるからな」
エリアスは微笑んだ。
ブレナーは若者の肩を軽く叩いた。
「読む前に何かに署名するな。分からないことがあれば、必ず尋ねろ」
「分かりました」
「質問するのを恥ずかしがるな。恥ずかしがる連中ほど、ひどい契約に署名するものだ」
ブレナーはその場を離れた。
エリアスは列を眺めた。
前にいる男の片脚には包帯が巻かれていた。その後ろの女は、小さな布包みを抱えている。さらに先では、ある少年が、自分は特別な部隊に配属されるはずだと友人を説得しようとしていた。
エリアスは深く息を吸い、列に加わった。
最初の登録を担当していた職員は、目の落ちくぼんだ疲れた表情の男だった。
指の間にはペンがあり、机の上には巨大な帳簿と数枚の書類、それに木製の印章が置かれていた。
「名前は?」
「エリアス・サーンです」
「出身地は?」
「ヴィレデン内陸部のブレイデンです」
男は目を上げた。
「ブレイデン?」
「はい」
「その土地から来たのは何人だ?」
「僕一人です」
職員は一瞬、動きを止めた。
「間違いないか?」
「はい」
男は紹介状を調べた。
「メルガヴァ隊長か」
封印を指でなぞる。
「この許可証は正式な登録ではない。分かっているか?」
「はい」
「評価のために回される。その後、訓練と宿舎について指示を受けることになる」
男は書き始めた。
「年齢は?」
エリアスは答えた。
「職業経験は?」
「父の工房で働いています。工具や金属、それにいくつかの金具の扱いなら分かります」
「読み書きはできるか?」
「はい」
「基本的な計算は?」
「できます」
職員はさらにいくつか質問し、書類に記入していった。
最後に、紙へ印章を押した。
「次!」
エリアスは小さな受領証を受け取った。
書類に目を落としたが、そこに記された記号をすべて理解することはできなかった。
「次はどこへ行けばいいですか?」
職員は近くの建物を指さした。
「身体検査だ。その後、配属の指示を待て」
エリアスは礼を言い、列を離れた。
検査はすぐに終わった。
簡素な白衣を着た医師が、エリアスの歯や関節、傷痕、身体の状態を調べた。腕を上げるように言われ、まっすぐ歩き、いくつかの動作をするよう指示された。
「大きな怪我をしたことは?」
「子どもの頃に鼻を折りました」
「どうして?」
「屋根から落ちたんです」
医師は彼を見た。
「なぜ屋根に?」
「ボールを取ろうとしていました」
「ボール?」
「とても大事なボールだったんです」
医師はため息をつき、何かを書き留めた。
その後、若者の手にできた硬いまめを確かめた。
「道具を使う仕事をしているのか?」
「はい」
「いいだろう。役に立つかもしれん」
エリアスはもう一枚の書類を受け取り、兵士たちが衣服や装備を配っている部屋へ案内された。
制服は簡素なものだった。丈夫なシャツに濃い色のズボン、ブーツ、厚手の布でできた上着、そして帆布のリュック。ほかにも、身の回りの品がいくつか支給された。
ブーツは少し大きかった。
上着のボタンはきつすぎた。
リュックは石を運ぶために作られたように重かった。
エリアスはそれらを両腕に抱えた。
「次!」と兵士が呼んだ。
彼はその場を離れた。
数分間、エリアスは立ち尽くし、これだけの荷物をどうすればいいのか考えていた。
そのとき、若者が一人、彼にぶつかった。
「おい! 気をつけろよ!」
エリアスは危うくリュックを落としかけた。
「ごめんなさい」
その若者は明るい茶色の髪をあらゆる方向に逆立て、落ち着きなく丸い目をしていた。
「お前、新入りか?」
「そうだよ」
「俺もだ。エリアス、だろ?」
エリアスは彼を見た。
「どうして僕の名前を?」
「登録係が呼んでるのを聞いたんだ。俺はリアン」
若者は手を差し出した。
エリアスはその手を握った。
「よろしく」
「便所はもう見たか?」
「いや」
「扉が歪んでるところがあるんだ。それに左の隅にはゴキブリがいる。レジーナって名前をつけてやった」
エリアスは何と答えればいいのか分からなかった。
リアンはその反応に満足したようだった。
「あいつはおとなしいんだ。俺のことが好きなんだと思う」
「ゴキブリと話すの?」
「いや。話を聞いてくれる奴とだけだ」
エリアスはとうとう笑ってしまった。
リアンは廊下を指さした。
「来いよ。みんな宿舎に案内されるところだ」
新兵たちのための建物は大きく、あまり居心地のよい場所ではなかった。
古い石鹸と濡れた羊毛の匂いが、湿った木の臭いと混じっている。二段ベッドが何列も並び、細長い戸棚と壁際のベンチがあった。広間には三十人以上の若者がいた。
すでに寝床を整えた者もいれば、自分のベッドがどこなのか探している者もいた。
リアンはエリアスを壁際の二段ベッドへ連れていった。
「ここ、空いてるぞ」
エリアスはマットレスの上にリュックを置いた。
「ここに来て何日目?」
「昨日から」
「もうたくさん知り合いができた?」
「レジーナには会った」
「それ以外で」
「いや」
リアンは下段のベッドに腰を下ろした。
「でも紹介はできる。あそこにいるのがヨルヴェン。高いところが怖いのを隠そうとしてる。もう一人はサヴェル。寝言を言う奴だ。それから、黒髪のあいつはトーヴィン。あまり話さない」
エリアスは若者たちを観察した。
一人は袖のほつれを縫おうとしていた。別の一人は、ブーツの大きさについて兵士と言い争っている。
「ここには何日くらいいるんだろう?」と尋ねた。
「知らない。明日、説明があるって聞いた」
「どんな説明?」
「知らない」
「君は知らないことばかりだね」
「知ってたら、俺が質問する必要もないだろ」
エリアスは笑った。
リアンは立ち上がり、窓を指さした。
「そこから塔が見える。たぶん学院の塔だ」
「学院?」
「そう聞いた。どうやら俺たちも勉強するらしい」
「何を勉強するんだろう?」
「知らない。ゴキブリから生き延びる技術かもしれないな」
エリアスは天井を見上げた。
ヴィレデンで何を見つけることになるのか、彼にはまだ分からなかった。すぐに軍の部隊へ送られ、おそらくは要塞か遠くの訓練場に向かうものだと思っていた。
だが、これほど多くの若者と建物、そして手続きがあるのだから、そう単純な話ではないのだろう。
軍事訓練は、彼が想像していたものとは違うのかもしれない。
もしかすると、学校のような場所なのか。
あるいは、ただ命令に従うことを学ぶ場所なのか。
リアンは椅子を引き寄せ、彼の隣に座った。
「ところで、お前はどこから来たんだっけ?」
「ブレイデン」
「遠いのか?」
「何日か旅をする距離だよ」
「人はたくさんいるのか?」
「いや。小さな町だ」
「ゴキブリはいるか?」
「僕の知る限りはいないよ」
リアンは残念そうな顔をした。
「じゃあ、お前は生きるってことを知らないんだな」
エリアスは笑った。
その夜、寝台に横たわったエリアスは、ほかの若者たちの話し声を聞いていた。家族について話す者もいれば、どんな武器の扱いを学びたいか議論する者もいた。自分がどんな道に進むのか、すでに決めている者さえいた。自分がどこに配属されるのかも知らないというのに。
エリアスはテオとミラ、そしてリリアのことを考えた。
次にデリクのことを思った。
最後に、その朝目にした街のことを考えた。
ヴィレデンはブレイデンよりもはるかに大きかった。豊かで、古く、人にあふれている。それでも、見知らぬ若者たちが何十人も集まるこの場所には、どこか懐かしいものがあった。食事に文句を言う者がいて、大げさな話をする者がいて、恐怖を隠そうとしている少年がいる。
世界もまた、そういうものからできているのかもしれない。
エリアスは目を閉じた。
下段のベッドでは、リアンが寝言を言い始めた。
「レジーナ……俺のパンを食べるな……」
エリアスは片目を開けた。
それから、声を殺して笑った。
ヴィレデンでのエリアスの最初の夜は、どうやらこの施設の新兵たちの多くよりも大きな存在感を放っているらしい、一匹のゴキブリについての寝言で締めくくられた。




