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花嫁は王冠を抱いて ~ヴォワ=デートによるカラフルデイズ~  作者: 紙木 一覇


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第40話 ハイ=ルミナの知人だよ?

 どうやら三人のお話が見張り塔に登っている警備にまで届いていたらしい。いきなりのスピーカー越しの怒鳴り声にちょっとビクついてしまった。


『収容所の前で騒いでいるとひっ捕まえるぞ!』

「キミが一番うるさいのだが」

『注意はうるさいの範疇に入らん! 目的の男には会えないと言われたのだろう! ならばとっとと帰れ!』

「そうだね、帰るか」


 あっさり。あっさりと受け入れるヴォワ。


「え? 宜しいのですか?」

「宜しいのだ」

「はぁ……?」


 見張り塔の男に去れ去れと手を振られて、ヴォワはすんなりと立ち去る道を選んだ。もう用は済んだから。


「ホントにここの警察にかけ合おうか?」


 てくてくと歩道を歩きながら。


「いや、すでに面会は叶った」

「「え?」」

「気づかなかったかね? 私たちを見ていた視線に」


 そんなの気づけるわけがない。


「その視線の色がたまに途切れる。モールス信号になっていたんだよ。『左腕はもって行っていい』、だってさ」


 この地に降り立って色を追い続けたことでピースのありかは判明している。問題は所有者の許可なしではただの泥棒になってしまうと言う点だけであった。だからこそここに来たのだ。


「なんで向こうはヴォワちゃんをしっていたの?」

「気づかなかったかね? 私がブローチを陽の光に当てていたのに」


 胸につけている片翼の白きブローチを指でいじる。


「……つまり、ヴォワちゃんの方もモールス信号を送っていた、と?」

「そうだ」

「それに気づくあちらさんもあちらさんね……」


 常人の眼と感覚ではない。


「ハイ=ルミナの知人だよ? 凄まじいほどの多重人格者に信頼を置かれるんだ。普通の人間ではないだろう」

「わ、わたしは気づいていましたけど!」

「嘘つけ」

「くぅ……!」


 やれやれ。二人に挟まれてヴォワは一人ため息を吐いた。

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