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花嫁は王冠を抱いて ~ヴォワ=デートによるカラフルデイズ~  作者: 紙木 一覇


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第19話 ようはキミの心の問題だ

 ◆


「あんたたちそう言う関係だったのね……」

「違う」

「そうです!」


 否定するヴォワ。肯定するエアラリス。


「ちょっとばかり花に水をやっただけだ」


 しかしそう言うヴォワの頬にはほんのり朱が。


「そのおかげで綺麗に立派にゴージャスに咲き誇ってしまいました!」

「ずいぶん変な花が咲いたものね」


 ハイ=ルミナにねばつく視線で見られるエアラリス。


「あ! そう言う目で見るのは差別ってやつですよ!」

「最近なんでもかんでも差別とかパワハラとかセクハラとか言われるよね。『ハイ=ルミナ』が女性のヌード石像を造った時にも言われてた」

「厳しくなっているのは確かだね。それがよい流れなのか表現をしばるだけのものになるか現時点では不明だが」

「あれ? 微妙にお話かわってません?」


 気づいたか、そう思いながらもヴォワはエアラリスの言葉をスルーして話を続ける。


「さあハイ=ルミナ、私たちのことは話した。()いでキミのことをしりたいね」


 パイプを手に持って、手近にある絵画をさす。


「ああ、造り方だっけ」

「身の上話でもいいが」

「それはもうちょっと親しくなってからだね」

「おあいにくですが貴女とくんずほぐれつする気はありません」

「ハイにもないよ!」


 否定するハイ=ルミナの頬が少しばかり赤い。これは――


「免疫なさそうだね」

「え? ヴォワにはあるの?」

「ええ⁉」


 ありえない! エアラリスの顔が青くなる。


「ないが」

「ほっ」

「んじゃなぜに胸はんの」


 呆れながらハイ=ルミナはヴォワの胸をつつく。するとエアラリスのチョップが頭部に撃ち込まれた。


「十六でないのは普通だろう。キミ今いくつだ?」

「女に年齢を聞くのはナンセンスよ」


 どこか遠くを見つめながら。


「それ気にしてる人のセリフですよ」

「ちょっと、少し若いからってにやけないでよ。にやけるな。刺すぞ」

「怖っ!」


 素早くヴォワの後ろに隠れながら、エアラリス。


「こら、ボディーガードが私を盾に使うな」

「ヴォワってちっこいから盾にならない――」

「な・に・か?」

「ごめんなさい」


 ふぅ、ため息とともに吐き出される白い煙。脱線してしまったな、ヴォワは思考を切りかえようと決めた。


「――で」

「はいはい、造り方でしょ。こっちに来て」


 手招きしながら席を立つハイ=ルミナ。彼女について行くと地下室へと続く廊下へと通されて、降りる階段には造りかけの石像やら描きかけの絵画などが散乱していた。


「この子たちはほったらかしなんですか?」

「ミスったのだからそうね」

「否、それは否だよ」


 描きかけの絵画に指をあてる、ヴォワ。ジッと絵画を見つめながら言葉を続かせる。


「キミは五体不満足の子供が産まれたら捨てるのかね?」

「え~? それとは違うんじゃない?」

「おや、キミは己の作品に愛情がないのかな?」

「あるよ。あるともさ。あるって言うね」


 それは絶対に間違いない。


「であるならば大切にしたまえ。失敗しても最後まで完成させ、きちんとした展示を行いたまえ」

「え~? そんなの見に来る人いるかな?」

「見に来るもののことは考えなくていい。ようはキミの心の問題だ。少なくとも『ハイ=ルミナ』はそうしていると()たが」


 視線を絵画から離し、ハイ=ルミナへと向ける。


「どうして?」

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