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真実③

 ヒロ君は私の息子。そして、私たちの守護神。さらに、ランクの高い神。これが、ヒロ君の秘密。

『彩さん、ヒロ君の神としてのレベルが高いって、どういことなの?』

『ここからが核心です。かすみさん、奈良県の東大寺に行かれたことはある?』

『ええ、高校生のときに、友達と行きました。』

『東大寺といえば、大仏殿が有名ですよね。あの大仏様の正式名称をご存知かしら。』

『ちょっと分からないです。』

盧舎那仏るしゃなぶつといいます。ヒロ君の正体は、盧舎那仏なの。つまりは、あの大仏様は、ヒロ君なの。盧舎那仏とはね、宇宙神のこと。あの釈迦を超える仏様であり、宇宙の守り神なのです。何の因果か、その宇宙神が、あなたの子供として生まれ、私たちの弟になっているのよ。』

『ヒロ君が大仏様。』

想像したら、笑ってしまう。宇宙神。いつもエッチなことばかり考えているのに、大仏様で、宇宙神。ありえない。

『信じられないでしょ。でも、これは真実なのよ。よく考えて見て。例えば、ヒロ君がときどき、人体再生とか言って、体を拳銃で撃たれても、すぐに治ってしまうでしょ。冷静に考えれば、ありえない話です。普通ではないということが理解できるでしょ。私たち3人も神と言いましたけど、その姿は人間です。だから、拳銃で撃たれたら、その命は無くなります。でも、ヒロ君は無敵なのです。だって、宇宙神だから。地球で、ヒロ君を倒せる人はいないの。』

なんだか話しの内容が大き過ぎて、どうしても信じられない。

『でも、どうして、彩さんは、その盧舎那仏に対して、イタズラをしたり、ちょっかいを出したりするの。』

彩は、ニコっと微笑んだ。

『かすみさん、今のヒロ君の性格は、あなたが一番ご存知のはず。体は大きいけど、頭の中は、まだまだ幼稚。1つのことに夢中になると、周りが見えなくなる。そして、負けず嫌いで、見栄っ張り。よく言えば、純真で素直な男の子。でも、悪くいえば、ただのおバカさん。』

確かに、その通りだと思う。そのおバカさんに心惹かれてしまったのだ。彩に心を見透かされたようで、恥ずかしくなった。

『この前のJUKUでのヒロ君のスピーチを覚えてる?「私は神だ」なんて、宣言して、いい気になって、ちょっと天狗になってたでしょ。もし、盧舎那仏、宇宙神と自覚したら、さらに有頂天になって、何をしでかすか分からないわ。世界を支配して独裁者になりかねないの。だから、ときどき、イタズラとかして、私にはかなわないと知らしめてるのよ。私は、彼の暴走を止めるストッパーなの。姉としての務めかな。』

かすみは、なるほどと思った。

『では、私はどうすればいいの。』

『かすみさん、あなたはただ堂々としていればいいの。動揺して、涙を流したり、怒りを露わにしては、ダはメよ。ヒロ君は、あなたに安らぎを求めています。あなたは、ヴィーナス。美しくありなさい。ただひたすらに美を追求するのです。あなたの美しさに、男も女も、何人もひれ伏します。ただし、ヒロ君は、おバカさんなので、例外ですけどね。』

『私は、そんなに美しくないは。』

かすみは頰を赤らめた。

『ほら、ダメダメ。あなたは世界一美しいのです。自信を持って。世界の人々を上から目線で見下ろして構わないのよ。あなたとわたくし、そしてレイちゃんの3人が揃った今、世界は平和へと向かうことと思います。わたくしは愛の神、「エロース」。あなたは美の神、「ヴィーナス」。そして、レイちゃんは、慈しみの神、「マリア」です。何も心配する必要はなくてよ。』

彩の話は、突拍子もないものであったが、なぜか説得力があった。


『かすみさん、あの二人が今、何をしてるか覗いてみない?。たぶん、面白いことが起きてるはずよ。』

彩は、自信たっぷりで、笑っている。

『ヒロ君とレイに何かあるの?』

『ご覧なってみれば、わたくしの話が信じられると思うわ。きっと、ヒロ君のことだから、何か勝負事で遊んでるはず。でもね、ヒロ君は、レイちゃんに絶対に勝てないの。なにをやっても勝てないの。その理由はお分かりね。ヒロ君は、わたくし達3人の守護神なので、わたくし達に絶対に勝てないの。』

『でも、レイはまだ3歳よ。』

『そう。だから、面白いの。絶対無敵の宇宙神が3歳の女の子にぎゃふんと言わされてるところを、覗きましょ。』

彩のイタズラ心の火が、またメラメラと燃え始めているようだ。

かすみと彩は、レミの部屋にそうっと近づき、扉を少し開けた。隙間の向こうで、二人はオセロをしていた。ヒロが頭を抱えている。一方、レイは、ニコニコしながら、ヒロの表情を楽しんでいる。

『やったあ、また、レイの勝ちね。これで、レイの3連勝。おじちゃん、弱いね。』

どうして、勝てないんだろう。さっきルールを教えたばかりの子供に、一方的に負けてしまった。俺は、手抜きなどしていないのに。なぜなんだあ。ヒロは、納得がいかない気持ちが顔に出ていた。

『おじちゃん、負けた罰をするよ。』

デコピンの罰。これで、6回目だ。パチーン!おお、イテテ。

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