第28話 強いのはどっち?
慎吾がマリヴェールに苦戦している一方で、慎吾に創られたデュラハンは、マリヴェールのデュラハンと相対していた。
「お前は、喋れるのか?」
「シャベれる」
「ふん、片言だがな」
「オレガかつ」
「違うな、私が勝つ」
静かな睨み合いの中、お互いが剣を抜く。
柄も柄頭も刀身も鍔も鞘も、何もかもが真っ黒の剣の切っ先を向け、円を描くように馬を歩かせる。
痺れを切らして先に動いたのは、マリヴェールのデュラハン。
馬を走らせ、慎吾のデュラハンに切りかかる。
デュラハン(慎吾)はそれを軽く受け流し、デュラハン(マリヴェール)を馬上から叩き落とす。
受け身を取りながら地面を転がるデュラハン(マリヴェール)を、馬から降りたデュラハン(慎吾)が追撃する。
一瞬で間を詰めたデュラハン(慎吾)は、転がるデュラハン(マリヴェール)の胴部目掛けて剣を降り下ろす。
それを更に転がって避けたデュラハン(マリヴェール)は、飛び上がり距離をとる。
デュラハン(慎吾)はそれを影を操って追撃する。
槍のように伸びた影がデュラハン(マリヴェール)を襲うも、デュラハン(マリヴェール)も影を操って迎撃する。
せめぎ合う二つの影。
先に動いたのは、デュラハン(慎吾)の影だった。
するりと退いた影に、一瞬デュラハン(マリヴェール)が呆気にとられたその隙を突いてデュラハン(慎吾)が踏み込む。
デュラハン(慎吾)の両側からゆらりと起き上がった影が時間差でデュラハン(マリヴェール)を襲う。
それを剣を使ってなんとか捌くも、上体が致命的なまでに游いでしまったデュラハン(マリヴェール)は、次の一撃を凌ぐことができなかった。
強烈な蹴りを喰らったデュラハン(マリヴェール)は、地面を数メートル転がりながら大広間の外の帝都の空へ飛び出す。
それを追って駆け出すデュラハン(慎吾)は、窓辺に立つと影を次々と繰り出しながら跳び降りる。
背を地面に向けたデュラハン(マリヴェール)は、なんとか影の槍を体を捩って避けるも、上空から縦回転と共に降り下ろされた剣によって地面に叩き付けられる。
「ッぐゥ……!」
「ふっ、その程度か?」
ふわりと華麗に着地したデュラハン(慎吾)は、油断なく剣を構えたまま、デュラハン(マリヴェール)に話し掛ける。
「まだマダ……」
「遅いんですよ」
立ち上がろうとしたデュラハン(マリヴェール)に膝蹴りを繰り出し、更に吹き飛ばす。
それに追随するように駆けながら、デュラハン(慎吾)は剣の柄で地面へとデュラハン(マリヴェール)を思いきり叩き付ける。
勢いよく叩き付けられたことで一瞬浮かんだデュラハン(マリヴェール)と地面との間に脚を挟むと、その脚を上へ跳ね上げる。
それにともなって上空に打ち上げられたデュラハン(マリヴェール)を追って自分も跳び上がると、蹴りと斬撃の連打を繰り出す。
「っあ、グゥぁぁぁァァぁァぁぁぁァァァっ!」
「五月蝿いので、もう終わりにしますね」
そう言ったデュラハン(慎吾)の手に持つ剣に影が収束していく。
「《影刃・ロアザーク》」
独楽のように回転しながらデュラハン(マリヴェール)へと繰り出されたそれは、収束された影を解き放ち、巨大な刃と化して、デュラハン(マリヴェール)を胴部から真っ二つにした。
「あっ、グーー」
断末魔の叫びを上げることすら出来ないまま、デュラハン(マリヴェール)は、その生を終えた。
「さ、ご主人様の所に戻りますか」
黒い剣を鞘へと戻したデュラハン(慎吾)は、自らの創造主の下へと良い報告を持ち帰れる事を喜びながら、悠々と歩いていった。
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