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第27話 魔女


「いらっしゃい、よく来たわね」


 慎吾たち一行が大広間に突入すると、そこに居たのは一人の女と、首なしの馬に乗った首なしの甲冑騎士だった。


「結社、か?」

「あら、よくお分かりで。そうよ、私は結社|《破滅を齎す者》《ラグナレク》の|《十二剣》《トゥエディウス》が第6剣、[魔従の歌姫]マリヴェールよ」

「何が目的だ」

「言ってしまった所で、もうすぐ完遂されるのだし良いかしら……」

「早く言えよ」


 ディアスティマを仕舞ってデザストルを取り出した慎吾が、その切っ先を突き付けながら先を促す。

 しかしマリヴェールは動じずよ妖艶に微笑みながら口を開く。


「んもう、そんなに焦らないで。教えるから。私たちの目的は、ルーベルカン遺跡に封印されている“ある物”の回収よ」

「愛菜、セナとミカエラ、シエテ、フィル、レイベルを連れてルーベルカン遺跡に。藍玉は外の魔物の討伐頼む」

「わ、分かったわ」

「了解した」

「フフフフッ、今更遅いわよ」


 ルーベルカン遺跡へと繋がる(ゲート)を開いて、出発する愛菜たちを横目にぶきみに笑うマリヴェール。


「さて、魔物をとめてもらおうか。どうせお前なんだろ?」

「正解よ、でも止めろと言われて止めるわけにも、行かないのよねぇ」

「なら、力ずくだっ!」


 そう叫んで飛び出す慎吾とマリヴェールの間に、首なしの騎士ーーデュラハンーーな割り込み、剣を振るう。

 とっさにデザストルで防いだので怪我は無いが、大きく吹き飛ばされた慎吾は、空中で一回転するとスタッと着地した。


「ちっ、邪魔なやつ」

「私の自信作よ」

「ふんっ、魔物には魔物だ。《魔を創る者》ーー創造(来いよ)【漆黒の無頭騎士】デュラハン!」

「あら、あなたも?」


 魔方陣から現れたのは、マリヴェールの傍らに立つデュラハンと同じ、無頭の騎士ーーデュラハンーーだった。

 現れたデュラハンは、無頭の馬からひらりと降りると恭しく慎吾に跪き、どこから発声しているのか、喋りだした。


「お作りいただきありがとうございます、ご主人様。して、私はどういたしましょうか」


 イラとは違い片言ではない流暢な言葉。

 それがデュラハンに高い知性を感じさせる。


「お前は、あそこのデュラハンの相手だ」

「畏まりました」


 慎吾の命令を聞くと、颯爽と馬に乗りマリヴェールのデュラハンへと駆けていく。


「……あなた、そのデュラハンのレベルは?」

「教える必要、あるか?」

「……無い、わね」

「だろうなっ!」


 デュラハンが居なくなったことで、再度マリヴェールへと突撃する慎吾。

 しかしラグナレクのメンバーが、自身を守る魔物が居なくなった程度で倒すことが出来ないことくらい、ひとすじでいかないことくらい慎吾だって分かっている。

 しかし、相手の戦い方が分からない以上、「先手必勝」そう考えたのだ。

 案の定というか、なんというか、


『壁よ、(アルクゥ)(オル)(ロンツ)


 マリヴェールが歌うように言葉を紡ぐと、突如として壁が慎吾の目の前にせり出してきた。

 

「ちっ、魔力を感じない?」

「あら、不思議? そうよね、不思議よねぇ。これは、魔法じゃなくて、“魔術”よ。分かるかしら、“魔術”」

「興味ない」


 さっきは急に現れた壁に驚いたが、よく見れば佐ほど固くは無さそうな壁を一刀の下に切り伏せ、マリヴェールへと向かう。


『水よ、(レルド)我が敵を(ヴェル)穿て』(カルツァー)

『汝を焼く(サンズ)其は雷。(ガル)白雷に(リズファ)その身を(ネロン)焼かれ(オロ)果てよ』(デルベル )


 二連続で放たれた魔術。

 

「っ、グッ!?」


 水の槍が突き破ったことで慎吾の|《自動防御》《オートディフェンス》に開いた穴から、白い雷が入り込んでくる。

 直撃を受けた慎吾は、一瞬意識がトビかけたのを必死に堪える。

 

「やっぱり、スキルか魔法で守ってたのね」

「てめぇ……なんなんだ」

「私? 私は魔女よ! 古の伝承のみに登場するお伽噺の存在、だとでも思った? そんなことはない、魔女は居る。この世界でしっかりと生きている!! それは誰にも否定させない! だから私が証明するの、魔女の力を。魔女は居るって。魔女はお伽噺の存在じゃないって。魔女は、嘘つきなんかじゃない!! 魔女は、人間よりも優れている!! それを証明して、見返すのよ。今まで私をバカにしてきた連中を、嘘つきだって、バカにしてきた連中を!!!」


何時も読んでいただいてありがとうです。


誤字、脱字、御感想、御意見など有りましたらドシドシ下さいねー!待ってまーす!!(笑)

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