第17話 シンゴVSアルゼリア
短いかもです
ダガーを逆さに両手に持ち飛びかかってくるアルゼリアをバックステップでかわす。
しかし、避けられるのが分かっていたのかアルゼリアは両手のダガーを投げつけてきた。
俺は投げられたそれをディアスティマを一振りして弾くとさらに距離を取った。
自分の得物を投げるとはバカか、と思ったがさっきと全く同じダガーを両手に持っているアルゼリアを見てなるほど、ストックがあるのかと納得していた。
「ほれほれ、まだまだ行くで」
アルゼリアは右手のダガーを順手に、左手のダガーを逆手に持ってそれを自由自在に振るってくる。
左から振るわれたそれを上体を反らしてかわし、次の右手の足を狙った攻撃を上体を反らした勢いのままバク転でかわす。
しかし、アルゼリアはすぐに肉薄してきて連撃が繰り出される。
俺は三秒先の未来が見える短期未来予知が見せてくれる未来を頼りにその連撃の全てを避け、いなし、弾き、鍔迫り合って距離を取る。
「何や、逃げてばっかりかいな。少しは攻撃したらどうなんとちゃうか」
「そうさせてもらう」
そう言って俺は|《多重詠唱》《マルチキャスト》を発動して五つの魔方陣を構築し、|《氷槍》《アイスランス》を放つ。
「ふっ」
しかし、アルゼリアはそれをすべて避けて見せた。
「これだけかいな、今度はこっちから行くで」
そう言ってアルゼリアは両手のダガーを順手に持ち両手を広げた。
「|《剣域》《ソードフィールド》」
アルゼリアがそう呟くと彼の周りに両手に持つダガーと全く同じデザインのダガーが無数に現れる。
するとアルゼリアは両手のダガーを俺に向けて投げてきた。
「|《氷壁》《アイスシールド》」
俺は氷の壁を作り出してその攻撃を弾く。
しかし攻撃は一度では止まず、俺の氷壁に雨霰と降り注ぐ。
氷の壁故に向こう側が透けて見えるので見てみるとアルゼリアは剣域で呼び出した無数のダガーを投げては拾い投げては拾ってこちらに投げつけてきていた。
アルゼリアの攻撃は止む気配を見せない。
しかし、俺の氷壁も大したものでアルゼリアの無数の攻撃を浴びても、壊れるどころか欠けてすらいない。
このままじゃ埒が空かないので打って出ることにした。
「|《多重詠唱》《マルチキャスト》|《氷槍》《アイスランス》」
俺はアルゼリアに気付かれないような距離に、アルゼリアを囲むように百数十の魔方陣を構築、展開し魔法を発動した。
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッと氷槍が突き刺さる音がしたかと思うとアルゼリアの攻撃が止んだ。
俺は氷壁を解除して辺りを見渡す。
「死んだか?……はフラグだな」
そう俺が呟くと後ろから声が聞こえてきた。
「勝手に殺すなや」
もちろん気づいていたので余裕をもって回避する、と同時に氷槍を発動する。
アルゼリアはそれを容易く避けてダガーを投げつける。
俺はダガーを弾くとめんどくさくなってきたのでもう終わらせようと思い|《死風刃雷》《しっぷうじんらい》を放つ。
この魔法は俺が考えた魔法で、風と雷の混合魔法だ。
死風刃雷は限界まで薄くした風の刃が敵を切り裂くと同時に雷撃を浴びせる、という魔法だ。
ゴブリン相手に試したら体が右と左に真っ二つになると同時に雷撃を浴びて爆散していた。
アルゼリアは自分に向かって飛んでくる刃の危険性を悟ったのか避けようと体を捻ったが一歩遅く、アルゼリアの右腕を根本から切り落とし雷撃を浴びせる。
雷撃を浴びたアルゼリアはゴブリンの様には為りはしなかったものの大ダメージを受けたのか倒れこんだ。
倒れたアルゼリアに油断せずに近付くとどうやらまだ息があるようだったのでトドメを刺そうと杖を向けるとふいにアルゼリアの体がブレ始めた。
「ちっ、転移か。させるかよ、俺も行くぜ」
俺がアルゼリアの体に触れた瞬間辺りの景色が歪み、一瞬にして別のところに転移していた。
転移した先の風景は黒を基調とした城のようなところで、なぜか魔力が濃かった。
こちらに向かって来る数百の気配を感知し、その気配の正体を見て俺は納得した。
ここは魔王城的な何かだと。
だって魔族がいっぱいこっちに向かって来てんだもん。




