第69話 褒賞授賞式
「これより国王による褒賞授賞式を始める!
こたびの国家危機である悪魔襲来に立ち向かった4人の英雄たちよ、我が前に来たまえ!!」
謁見の間に厳かな国王の声が響く。
その瞬間、バタン!とドアが開いた。
「わぁぁ!! 凄いわ! あんな若い子たちが!!」
「あれが国を救った英雄たちが……凄いな……」
「美男美女揃いね!」
ザワザワと謁見の間に同席していた貴族たちが声を上げている。
「なんか……恥ずかしいね、デウス」
「そうだな……ってこらフィリア! 中継されているんだから喋るな!」
「あっ……そうだった……」
ルナとフェリスがクスクスと笑っている。
(……緊張感のない連中だ。こいつらが仲間で……本当によかった)
デウスは改めてそう思いながら、国王の前にひざまづいた。
「この度国に偉大なる貢献をしたこの者たちに、褒賞を授賞する」
国王はそういうと、そばに控えていたものから巻物を受け取り、開いて読み上げ始めた。
「まず、素晴らしい才能と力を持つこの者たちに称号をあたえる。
デウス。お前には魔導師の称号を。
フィリア。お前には賢者の称号を。
フェリス。そしてフォルトゥナ。お前たちには神獣使いの称号をあたえる」
「ありがたく頂戴いたします。国王さま」
称号の授与に驚きはしたものの、デウスは代表して礼をした。
「次に、ハンターとしても活躍するこの者たちにパーティ名とランクをあたえる。
パーティ名は《神々の代行者》とし、最上級のSランクとする」
「ありがとうございます。名に恥じぬ働きをいたします」
フィリアが思いがけない丁寧な返答をした。
「最後に、国を救った英雄たちに爵位をあたえる」
国王がそういった瞬間、貴族たちがざわめき始めた。
「数々の魔法を駆使し悪魔と戦った賢者フィリアに伯爵位をあたえる。名をフィリア=デア伯爵とする」
国王は続ける。
「霊獣のなかでも神格を持つ神獣を扱う地帝龍使いフェリスに子爵位をあたえる。名をフェリス=グラティアス子爵とする。
同じ神獣ペガサス使いフォルトゥナ第2王女に、王位継承権第一位をあたえる」
貴族たちからおぉ!と歓声があがる。
それと同時に……怒声もあがっている。
「最後にこたびの戦いにおいて最も貢献した魔導師デウス。最高位である公爵位をあたえる。名をデウス=ヌーミネ公爵とする」
全員の爵位と名前が言い渡されたときだった。先ほどから怒声をあげていた貴族の男が前に出てきた。
「国王さま! 何がなんでもおかしすぎます!! どうぞご再考を」
「何がおかしいというのだね?」
「褒賞による爵位の授賞は一番下の男爵、もしくは特例で設けるその下の準男爵や騎士のはずです! それを伯爵だの子爵だの、挙句の果てに公爵だの……絶対おかしいです! 認められません!!」
男は顔に筋を浮かばせながら力説した。
「……そうか、ではお前はこたびの悪魔襲撃に対してどのような働きをした?」
「……はい?」
「逃げていただけだろう? 民を助けるでもなく、悪魔と戦うでもなく、ただただ逃げていただけだろう? 民から税を巻き上げ私腹を肥やしているお前は、民の危機の際には民を見捨てて逃げたであろう? そんなお前が国王の私に意見するのか?」
「そっ……それは……」
「全国民の前で告ぐ。この者の爵位を剥奪し、反逆の罪で投獄する。親衛隊よ、この者を投獄せよ」
「そんな……国王さま! お許しを! お許しを……」
国王により投獄を言い渡された貴族の男は、そのまま牢へ連れていかれた。
「そして最後に全国民の前で伝える。デウス=ヌーミネ公爵を、王位継承権第一位フォルトゥナの婚約者として正式に認める!!」
「はいっ!?!?」
最後の最後の爆弾発言に国民が見ていることを忘れ声をあげてしまったデウスだった。




