第68話 5日ぶりの目覚め
「ん……んん……」
(ここは……どこだ……?確か……国王さまを蘇生して……そのまま……)
デウスは目を閉じたまま状況を整理する。
「はっ!? ……いっつ……」
デウスは倒れてしまったことを理解し飛び起きた。……が、そんなことをすれば頭痛がするのは当たり前だった。なぜなら…
「デウス!! やっと起きたのね! 5日も寝込んじゃって……心配したんだからね!!」
「フィリア……5日も寝てたのか。そうか……って、あれからどうなったんだ!?」
「そうね、デウスは国王さまを救ってからそのまま倒れちゃったからね。あれから色々あってね……」
フィリアは悪魔たちを倒し国王を蘇生してからのことを話してくれた。
まず一連の事件については、首謀者は王妃インウィディアではないことにするらしい。王妃の真意を改めて本人から聞き、自分の責任でもあると考えたからだと。
ただし、このまま王妃の座に置いておくわけにはいかない。
そのため国民に説明する筋書きは「テロリストが王宮に侵入し悪魔を召喚。そして王妃インウィディアは悪魔によって殺害され、国王も1度命を落とした。絶望的な状況のなか、第2王女フォルトゥナを含めた4人の英雄により悪魔たちは撃退され、国王は蘇生魔法が成功し生き返ることが出来た」ということになった。
つまり王妃は悪魔に殺されたことにして、王宮から追放したかたちに落ち着いたのだった。
「……なぁフィリア」
「なぁに?」
「……僕たち英雄なのか……?」
「……そうみたいよ。すでに私たちの名前は国中に知られているわ」
「まじか……平和に生きていたかったんだけどな」
デウスはため息をついた。しかしその顔は少し喜びの色をみせていた。
「……デウス? デウス!! やっと起きましたわね!! 心配させないでくださいまし……」
「ルナか。心配かけて済まなかった……ちょ、ちょっとま……ぐっ!!」
ルナがデウスが起き上がった喜びを抑えきれずデウスに飛びついた。いくら華奢な身体とはいえ、5日寝込んだデウスの腹あたりに飛び乗られれば堪えるものがある。
「デウスさま。お目覚めになられて何よりです」
「フェリス。ありがとう……なぁ助けてくれないか? また寝込みそうなんだが……」
ルナをどけようともがくデウスと、どかされないようにしがみつくルナ。そんな2人をフィリアとフェリスが微笑ましくみていた。
「そうだわ! デウスが起きたからお父さまに教えなきゃ!
みんな、デウスが起きたから今日中に国王謁見があるわよ。今回の謁見は伝達魔法で国中に生中継されるから、変なことしないように気をつけてくださいまし!」
「生中継って……みんなに見られるということか?」
「そうですわよ?」
「……だってよフィリア。変な事するんじゃないぞ」
「なによ!? 私なら何も心配ないからね!!」
「あの……フィリアさん、私からも気をつけるようにお願いしておきます」
「フェリスまで!? ……もうみんな嫌いっ!!」
フィリアに抜けているところがあるのはルナもフェリスも気付いているようだ。気付いていないのは自分だけ……つくづく抜けている可愛いやつだ。
生中継される国王謁見……みんなそれぞれが緊張しながら謁見の準備を始めるのであった。




