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第70話 次なる勅命


褒賞授賞式はその後は特に混乱もなく無事に終わった。

……デウスの心中を除いて。


「こく……レックスおじさん!! さっきのどういうことだよ!」

「なんじゃデウス? もうお義父さんと呼びたくなったのかのぉ?」

「そうじゃなくて!!」

式典終了後、デウスたちは国王の私室に招かれていた。

デウスは部屋に入るなり国王を問い詰めていたのだった。

そんな2人を周りでみんながクスクスと笑っている。


「ルナ! お前も何とか言ってくれよ!」

「どうしてですの? 私がお父さまに頼んでデウスを婚約者にしましたのに」

「そうなのか!? ……って、僕に相談の一つも無くか!?」

「えぇ、だってデウス約束いたしましたわよね? 私の加護で死なずに済んだお礼として、悪魔たちとの戦いが終わったら何でもお願いを1つ聞いてくれるって」

「あぁ……確かにしたが……まさかっ!?」

「えぇ、お礼のお願いは私との婚約ですわ」

「なっ……」

衝撃の裏事情をルナは涼しい顔でお茶をすすりながら話してきた。


「あのなぁ……僕はいいとしてもフィリアが……」

「ん? 私は知ってたよ? デウスが寝込んでいるときにルナちゃんから話聞いてたからね!」

「……まさか知ってて許したのか!?」

デウスはショックを受けていた。フィリアが自分とルナが婚約することを許していたことに。


(アシッドタイガーとの死闘の後、お互いに愛していると言葉に出して確認していたのに……)

デウスはうつむいて黙ってしまった。

フィリアはそれを察して言葉をかけた。


「デウス。わかっていると思うけど、私は今でもデウスを愛しているわよ。でもね、それはルナも一緒なの」

ルナの顔がみるみる赤くなる。


「だからね、ルナちゃんやレックスおじさんとも話し合って、デウスにはルナちゃんと私、2人ともと結婚してほしい!!」

「えっ……?」

「もちろんルナちゃんは王族だからルナちゃんが正妃で私は側妃になるけど……。でもそれでもいいの! デウスと一緒にいられるのは間違いないんだし、ルナちゃんとも家族になれるんだからね!」

「ねーっ! フィリア!」

ルナとフィリアの中では心は決まっているようだ。

(……ん? 正妃? 側妃……?)


「なぁ、正妃とか側妃って王族に使う言葉じゃないのか? なんでそんな言葉を……?」

「なんじゃデウス、分かっておらぬのか? フォルトゥナとの婚約を発表した以上、お前は次期国王じゃぞ?」

「……えぇーーっっっ!?!?」

この王宮に来てから何度目の叫び声だろうか。デウスは数えるのをやめた。


「そのために身分が釣り合うようにお前を公爵の爵位を与えたのだぞ。……とはいえ儂もまだまだ死ぬつもりはないからのぉ。……いや一度死んでおるが。とにかくお前を国王にするのもフォルトゥナと結婚させるのもまだまだ先の話じゃからな。それでだ……」

和やかな雰囲気の国王の顔つきが変わった。


「デウス。お前が国王になるための勉強も兼ねて、王立フォールテム学院に臨時教師として行ってきてくれないか?」

「フォールテム学院……ですか?」

「あぁそうじゃ。フォールテム学院では魔獣や魔族と戦ったり、国を護ったりする人材を育成しておってな。しかし……あそこに集う者たちは各地で天才だの最強だの言われて浮かれている者が多くての」

「それで……僕に教師として天狗になっているその者たちの鼻をへし折ってこいということですか?」

「そうじゃ。それにもう一つ理由がある」

「なんですか?」

「近頃、邪神ニージェルを崇拝する邪神教なる宗教の話を聞く。もしかしたら……先の事件のようなことが起こらぬとも限らん。あの学院の者たちを失うのは国にとって大きな痛手となる。よってお前には邪神教の者が学院内におらぬか調査し、また有事の際には生徒を護り戦うことを頼む」

「わかりました。王命お受けいたします」

デウスは次なる王命を賜った。


「この王命遂行のため、デウスに加え≪神々の代行者≫のメンバー全員に臨時教師として王立フォールテム学院に赴任してもらう。よいな?」

「かしこまりました」

「わかりましたわ、お父さま」

「ご意向のままに」

フィリア、ルナ、フェリス。全員が王命を受けた。



次の目的地は王立フォールテム学院。新しい世界がデウスたちを待ち受けているのだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。


長くなりましたがここで第3章「王都編壱 王妃インウィディア」が終了となります。


第4章では王立フォールテム学院を中心として≪神々の代行者≫たちの物語は続いていきます。


どうぞこれからもデウスたちの物語をどうぞよろしくお願いします。





よろしければ感想・ブクマ・評価などいただけたら嬉しいです!


次の更新では3章のおさらいに加え皆様にお知らせがあります。よろしくおねがいします。


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