第43話 魔法適性0の不安
「それじゃあ次は……デウスやってみよ!」
「あぁ、そうだな。安全も確認出来たし」
「あーっ! やっぱり実験台にしてたんだぁ!!」
フィリアがポカポカと殴ってくる。いい肩叩き機だ。
「まっ! デウスは魔法適性0なんだから何も起こらないと思うけどねー!」
「うるさいなぁわかってるよ!!」
「…………」
デウスとフィリアの会話を聞いてルナは少し落ち込んだ。この後自分もするだろうけど……どうせ私も何も起きないのだと。
「それではデウスさん、名前をいいながら手をかざしてください」
「はい」
デウスが魔道具に手をかざす。
「我が名はデウス=リーグレット。我が才を示せ」
…………
(だよな……)
案の定何も起こらない。元のデウスもこれが引き金となっていじめられていたのだから。
「どうなっているのです!? まさか故障!?」
事情を知らないウェスティーがわたわたとしている。
「大丈夫ですよウェスティーさん! デウスには魔法の適性が無いんです」
「そんなはずは……だってさっき……」
「あれは魔法ではなく……うーんと……そう! 精霊術ですわ!」
「精霊術……そうですか、それなら確かに魔法適性が無くてもおかしくありませんね」
ルナの助言によりウェスティーからの追求は免れた。しかし……
(精霊術ってなんだ??)
あとでこっそり聞いておこうと思った。
「それでは最後にそちらの方、どうぞ」
ウェスティーがルナを魔道具の前に誘導する。
「はいぃ……」
ルナはすでに涙目だった。魔法が使えないことは痛いほどわかっている。それによりたくさん辛いめにあってきた。
(どうして、どうしてそれをまた……よりによって大事な人たちの前で……)
ルナは自分の能力の無さをせっかく出来た友だちの前でさらされることが嫌だった。
笑われるだろうか。蔑まされるだろうか。離れていかないだろうか……。
不安で魔道具に伸ばす手が震えていた。
「ルナ、大丈夫よ! 登録するために必要なだけだから!! 別に適性が無かろうと別に問題は無いわ。だって私たちが一緒にいるんだよ?」
「あぁ。同じ魔法適性0の僕もちゃんとやったんだから。この僕の結果を見てルナは僕を嫌いになったかい?」
2人はルナの不安を察して言葉をかけた。ルナが今、一番欲しい言葉を。
「そうよね、私には2人がいるんだからっ!!」
魔道具に差し出された手には、迷いが無くなっていた。
「我が名はフォルトゥナ=ウィンクルム。我が才を示せ」
手をかざした水晶型の魔道具から目がくらむほどの光が放たれ、ルナは思わず目をつぶった。光は部屋全体を包み、視界は完全に遮られたのだった。




