第42話 全属性適性者
案内された部屋には真ん中にテーブル、その両サイドにソファーが並べられているごく普通の部屋だった。
変わったものといえば……テーブルの上に丸い水晶?のようなものが置いてある。
ウェスティーと3人は向かい合ってソファーに腰かけた。
「それでは、登録にあたりお名前を言いながらこの魔道具に手をかざしてください。この魔道具は適性のある魔法の属性の色が示される、いわば魔法の適性を教えてくれるものです。登録証に必要ですし、適性を知っていることで色々とやりやすくもなりますので!」
すごい、そんな便利なものがあるのか……
デウスは横を見ると、フィリアもルナも同じような表情をしている。
「それじゃあ…誰からする?」
「全属性適性者のフィリアからじゃない?」
「えぇ!? 私!?」
「頑張れよ、フィリア!」
「応援してますわ!」
「……なんだか実験台にされているような……」
フィリアはジト目で2人を見た。デウスとルナがぷいっと視線を逸らせると、フィリアはやれやれと水晶の前に歩み寄った。
(まったく可愛い子たちね。オールラウンダーですって。現実を見て落ち込まないといいけど……)
ウェスティーはちょっと可愛そうだと思いながらも笑顔を向けてどうぞと言った。
「我が名はフィリア。我が才を示せ」
フィリアが魔道具に手をかざす。
その瞬間……
「ちょっと……どういうこと!?」
ウェスティーは思わず声をあげた。
本来なら適性のある属性の丸い光が1つ、多い人で2つ水晶型の魔道具の中にうかぶのだが…
フィリアが手をかざした時、赤・青・黄・緑・茶・橙が浮かび、その周りを囲うように白・黒・桃の円形の線が浮かんでいる。
「ちょっとそれ……基本属性の火・水・雷・風・土・無に加えて希少属性の光・闇・回復まで……全てに適性があるということ……? 本当に全属性適性なの!? あなた……神様か何かですか……?」
「いえいえ、たまたまですよたまたま!」
「たまたまでこんなことにはなりません!」
なんとか謙遜しているフィリアだが、デウスにはフィリアが心なしか顔が引きつっているように見えた。
「フィリアさん、オールラウンダーなんて知られたら王家や貴族からも狙われかねません。絶対に自慢したりせず、口外しない事をおすすめ致します」
「ありがとうございます。そのつもりですよ!」
驚きで息を切らすウェスティーをよそに、るんるんとしているフィリアだった。その横で……デウスは不安そうな顔をしているルナを横目で気にかけていた。




