第41話 思いがけぬ賞賛
「なんだこれは! 身体が……動かねぇ……」
「質問に答えろ」
「俺の部屋に連れ込んで……ぐあっ!!」
デウスの言霊によって正直に質問に答えざるを得なかった男。その途中でデウスが男の腹を殴った。それ以上言わずともその先が読めたからだ。
「二度と俺らの前に現れるな。死にたくなかったらな」
「は……はいぃ……」
男にかけていた言霊をといた瞬間、男は全力で逃げていった。
男が出ていくのを見送ったときだった。
わぁー!!!とギルド内から拍手と歓声が湧き上がる。
戸惑うデウスたちに受付にいた女性が声をかけた。
「ありがとうございました! あの男には手を焼いておりましたの。
ただ実力があった為にどうすることも出来ず……追い出してくれて本当にありがとうございました!!」
「い……いえ別にそんな……」
思わぬ賞賛にデウスは反応に困ってしまった。
「それにしても、デウスが怒った時に湧き上がる霊力の炎みたいなの。あれ凄いよね!」
「そして睨みつけて俺の連れに……ですって! 普段のデウスも優しくて好きですが怒って男らしくなったデウスも大好きですわよ!!」
周りからだけでなく、フィリアやルナからも褒められデウスは両手で顔を覆い隠れてしまった。
それをみんながケラケラ笑う。意外とハンターズギルドはいいところなのかもしれないと思えたのだった。
「ところで……」
ギルドの受付のお姉さんが思い出したように口を開いた。
「皆さま、何か御用があってこちらにいらっしゃったのでは??」
「そうそう、そうなんだよ! ハンターズギルドに登録しようと思って来たんだよ!」
にやけつつも困っていたデウスは助かったとばかりに答えた。食い気味に答えるデウスにお姉さんは一瞬だけたじろいだ素ぶりを見せたが、すぐにまたニコニコ顔に戻った。さすがはプロである。
「そうなのですね! それなのに面倒事に巻き込んでしまい申し訳ありません……」
「いいのよ、あんなつるっぱげチンピラのことは気にしなくて大丈夫よ!」
「えぇ。それより早く登録を済ましたいですわ!」
「かしこまりました。ここからは受付のウェスティーがご案内致します!」
ウェスティーと名乗る受付の女性が、3人をハンター登録のために奥の部屋へ案内してくれることになった。
案内されている3人は、これからハンターになる。そしてルナを狙う黒幕を追い詰める。
デウスたちはそんな期待と不安、そして使命を抱えながらウェスティーの背中の後ろをついていった。




