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第34話 女性に口で勝てるわけがない


「え、当たり前ですわよ? どこに行くつもりでしたの?」

キョトンとしているルナになにも言い返すことができなかった。

確かに今のデウスたちは王宮にしか行く場所がない。


でも……


「国王さまと王妃さまだろ? もう少し心の準備が……」

「そんなもの無くても大丈夫ですわ!!」

「そうよデウスっ!」

「!?!?」

デウスは盛大に驚いた。いつからそこにいたんだフィリア!?


「あーもうビックリした、いるならいるって言えよ!!」

「近くにいる度にここにいるよって言い続けないといけないの?」

……だめだ、ルナといいフィリアといい女性に口で勝てる気がしない。


「わかったよ。会うまでに心の準備しとくから……フィリアはさっさと串焼き食べ終われよ?」

「ふん、うぁふぁっふぁ!(うん、わかった!)」

あち、あちとなりながら串焼きを頬張るフィリアを見ていたらデウスの緊張も段々ととけていった。





「お帰りなさいませ、王女さま」

「ありがとうみんな、ただいま」

宮中に入ると女官たちが出迎えた。それに小さい身体ながら堂々と応えるルナ。そんな様子を見ると、目の前の少女が王女であることを再認識せざるを得ない。


「この方たちは私の命の恩人です。今から私はお父さまとお母さまにこの方たちに会ってもらうように頼んでくるから、待合室で丁重にもてなしてちょうだい」

「かしこまりました、王女さま」


「それじゃあ、私は先に行ってるからまた後で、ですわ!」

「あぁ、緊張しながら待ってるよ」

「はーい! 私たちを待たせてること忘れないでねー!!」

王女相手でも待つのは嫌いなフィリアだった。


待合室に通された2人に、綺麗なお菓子と紅茶がだされた。

フィリアは目を輝かせて食いつく。


「うーん……おいひぃ!! こんな可愛いお菓子初めて!!」

行儀? 何それ美味しいの? ……とでも言いたげにパクパクとお菓子を頬張る。年上とは思えない小動物感だ。


コンコン……ドアがノックされる。

「失礼致します。国王さまと王妃さまがお会いになられるそうです。ご案内致しますのでこちらにおいでください」

「えー、もうちょっと食べ……いてっ!!」

「はい、わかりました。すぐ行きます」

食い意地のはったフィリアをどついて女官についていく。

むくれたフィリアの視線が痛いが……自分が待たせないようにルナに念押ししたんだろ。


女官が大きなドアの前で立ち止まる。


「この先でございます。この先に国王さまと王妃さまがいらっしゃいます。フォルトゥナさまとは慣れ親しんでいるようですが、くれぐれも失礼のないように。あなた方の身のためにも」

しっかりと脅されたデウスたち。

そんなことせんわ!と言いたかったが……女性に口で勝てるわけがないことはルナやフィリアで確認済みなので素直にうなずいた。


コンコン……デウスがドアをノックする。

「デウス=リーグレット、フィリア両名参上致しました」

「入るがよい」

国王と思わしき太く、そして優しい声が返ってきた。


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