第33話 いざ、王都へ!
夜が明け、一行は(というよりはデウスとフィリアが)魔物を一掃しながら進み、遂に王都は目の前となった。
「ふぇー……いっぱい並んでるよぉ……」
フィリアが涙目になってしょぼくれる。人を待たすのは平気でも待たされるのは気に食わないわがままなタイプだ。関所の長すぎる行列に並ぶのは苦痛でしかないのだろう。
「大丈夫ですわよフィリア! 王族貴族のみが通れる関所がございますから、そこなら待たずに済みますわ!」
「本当!? もールナ大好きっ!!」
「ちょ、離れてくださいまし!!」
ルナはフィリアに抱きつかれてわたわたしている。目が幸せになる光景だとデウスは思った。
「次の方どうぞー!」
「第2王女、フォルトゥナ=ウィンクルムですわ! 確認くださいまし」
そういってルナは首元のブローチを見せた。銀色の縁に紫の宝石。そのなかの模様は……?
「フォルトゥナさま! ご無事で何よりです。お怪我はございませんか?」
「えぇ、私は。道中3人の護衛が亡くなり、この方達に救われなければ危ないところでしたが……」
「そ……そんなことが!? フォルトゥナさま、本当にご無事で何よりです!!」
そういって関所の女性がデウスたちの方を見る。
「皆さま、フォルトゥナさまを助けていただきありがとうございました。フォルトゥナさまと道中を共にした方々です。身分をわざわざ確認したりは致しません。どうぞお通りください!」
デウスとフィリア、そして解放した荷車にいる女性たちと引きずっている盗賊は無事に王都に入ることが出来た。
「これが王都かぁー! 凄いね、デウス!!」
「あぁ、そうだな。辺境の街とは比べ物にならないな」
見渡す限りの高い建物、人の多さ、活気にフィリアはとても興奮していた。
「デウス! あれ食べたい! 行ってきてもいい??」
「…ったく、すぐ戻れよ! 先に行ってるから追いつけなかったらここでバイバイだからな!」
「げっ…それは困るっ! 急いで行ってくるね!!」
すぐフィリアがダッシュで串焼きの店に行った。
デウスは一緒に行きたかったが、ルナに聞きたいことがあったので我慢した。
「なぁルナ?」
「なんですの?」
「さっきみせていたブローチの模様…あれはなんだ?」
「あぁ、この丸に三角が上下で重なったようなこれのこと? これは王家の文様ですの。
この文様のものを身につけることが出来るのは王家の者だけ。それ以外の者が身につけると、反逆罪で斬首にされますわよ?」
マジか……と思った。改めて見せてもらったが、間違いなくあの文様は六芒星。神道で魔よけに使う文様だ。
王都で似たようなのがあったら魔よけにフィリアに買ってあげようと思っていたデウスは、危うく斬首にされるところだったことがわかりぶるっと身震いした。
「それで……これからどうするんだ?」
「そうですわね……イークウェスには盗賊を治安隊に引渡しに行ってもらいましょう。デウスとフィリアにはこのまま私と一緒に王宮まで来てもらいます。私の両親に挨拶していただきますわ!」
「えっ……今から?」
2度目の驚きにデウスは神経をすり減らしていた。




