疑問点
「前の勇者はどうした、魔王は殺していないんだろう?
お前は某のことを次の勇者だと言っていた。勇者は替えが利くんじゃないのか?何故殺さず捕らえる必要がある?お前は殺したくないんだろう?某を・・・元々殺し自体あまりしたくはないのだろうなとは、少し話して思った。」
そこまでいって、一旦区切った。
「さぁ、答えて?魔王陛下?」
「頭と観察眼はあるらしいな。嘘を吐いても、すぐにばれるか。」
軽く息を吐き、理由を説明し始めた。
「私は殺していない。殺されたのは、恐らく勇者が戻った後にだ。」
その話を、羽雪は黙って聞いていた。
「ふぅん、興味深い話だね。用済みは切り捨てるんだ?勇者に仕立て上げた奴らが。」
そこで初めて、羽雪は表情らしい表情を見せた。
好奇心に満ちた薄い笑み。
その表情を見て、リレイアは眉を顰める。
「死人が出ているのだぞ?なんとも思わないのか、お前は。」
心外だというように、肩を竦めて見せた・・・わざとらしいし胡散臭い。
笑みは消さずにそのままだ。
「別に?でも死んだかどうかは解らない・・・・」
「私は魔力を感知することが出来る、それが私と戦い去って行った後に消えた・・・たとえ世界の裏側にいても感知できるはずの能力だ。」
リレイアが説明し終えるとそれまで浮かべていた笑みを消し、羽雪は考える素振りをし口を開いた。
「その魔力・・・次の勇者に移しかえているんじゃないのか?魔力は底をついたら死んでしまうらしいね、本で読んだよ。前勇者の魔力を次から次へと上乗せられて・・・それじゃ某のこの力も納得がいく。」
元々無いに等しかった羽雪の魔力。
それが手紙に書いてあったように魔力を貰いリレイアと戦えるまでになった事を言っているのだろう。
「勇者が来る度その魔力が上がっていたのはそういうことか。」
リレイアも納得した。
それからまた怪訝そうに眉を寄せる。




