お友達になりましょう
羽雪はとことん、ああいった事に免疫がない。
向こうの世界では本の虫で、異性との関わりは必要以上にはなかったし、特別もてるというわけでもなかった。
それが今、どうだろうこの状況。
「めんど・・・・」
考えるのはやめたらしい。
立ち上がり、ベッドに戻ってそのまま眠りに落ちていった。
まだ日も昇らないというのに羽雪の部屋へと入っていくものがいた。
「起きてください、羽雪様。」
体を揺さぶられ。渋々布団から顔を出した。
「だれ・・・?」
寝起きが悪いわけではないが、呂律が回らない。
羽雪の目線の先には一人の少女。
金の髪を高いところで二つに結い、瞳はエメラルドグリーン、うっかり天使と見間違えそうな美少女だ。
「初めまして羽雪ちゃん、あたしはロウドと申します。」
羽雪が問うと、輝かしい笑顔で答えてくれた。
ちなみに、羽雪は初対面の知らない女の子からちゃん付けされたのは初めてだ。
「そう・・・」
自分から尋ねたものの、適当に相槌を打って布団にもぐった。
だいたい、羽雪から他人に名前を尋ねること自体が稀なのだ。
だがそんな羽雪の行動が不服なのか、彼女は可愛らしく頬を膨らませて羽雪を揺さぶる。
「ねぇねぇ羽雪ちゃん、お話しましょう?」
「無理。無駄。まだ眠い。」
にべもない。
けれどもロウドはめげない。
「ねぇねぇ」
羽雪の体を揺さぶりながら呼びかける。
正直、煩わしいことこの上ない。
今度は眉に皴を寄せて布団から出た。
上半身だけ起してから、彼女に目を向ける。
パアァとでも効果音がつきそうな勢いで笑顔を浮かべるロウド。
「あたし友達が欲しかったの!」
「で。」
「友達になって!!」
「いいよ。じゃぁ某は寝るから。」
「うん!」
ロウドは肯定の言葉を聞いたら走り去っていった。
羽雪の冷たい対応にもめげない、底抜けに明るい娘だ。
「寝よ。」
再び布団に潜った。
長い今回。
羽雪に友達ができました!




