第十九話 刺客の少女
madです。第十九話です。
今回は特筆することがありません。(短期間に投稿しすぎて前書きのネタが尽きた)
簡潔に行きます。では!
割れた窓の後方、庭の中央辺りに─
人が、立っていた。
それは水色の髪、その小柄な背丈には似合わない厚手で大きなコートを纏った少女だった。
「...1人...増えた...」
彼女は小さく呟くと右手を横に突き出した。
「...?」
俺は身構えながらそっと呉島の方を盗み見た。彼女もいつの間にか取り出した刀を構えていた。
ハッとして前を向くと小柄な少女は更にボソボソと呟いた。
「...~。~~...~~~...」
すると彼女の手の周りの空気がパキパキと音を立てて凍って行く。やがてそれは氷で出来た剣へと姿を変えた。
「...すぐに...終わらせる...」
その言葉と共に地面を蹴ると、一直線にこちらへ斬りかかってきた。
「うおっ!?」
剣の刃が窓枠を切り裂き、俺が避けた瞬間にその切っ先が俺の服を掠めていた。
「...ッ!」
二の腕に鋭い痛みが走ったので見やると皮膚が薄く切れ血が滲んでいた。
「...チッ...」
少女は小さく舌打ちすると体を回転させて後ろに飛び、少し距離を取った。
「氷の能力者ね。どうして私たちを襲いに来たのかしら?」
「...お前達に教えても意味が無い...どうせ私に殺されるのだから...」
すると呉島が、
「え?何だって?そんなボソボソ言ってても聞こえないっての!」
勢いよく刀で斬りかかった。しかし。
「...無駄...」
少女はそれをいともたやすく受け止めた。
「!?」
そしてそのまま呉島の腹を膝で蹴った。
「ぐはっ!?」
そのまま後方に吹っ飛ぶ。彼女は壁に叩きつけられ、苦しそうに咳き込むとふらふらと立ち上がった。
「呉島!大丈夫か!」
俺は慌てて彼女の元へ駆け寄る。
「...馬鹿ね...敵の前で背を向けるなんて...」
「え...?」
気づいた時には既に遅く、少女の剣が俺の背中を切り裂いていた。
「黒沼!?」
そのまま床に倒れてしまう。背中から生暖かい感触が広がって行くのがわかる。
「ちょっと!?しっかり─」
「...無駄よ...」
意識が途切れていくのがわかり、もうすぐ自分は死ぬ。そうだと思っていた。その紅いモノを見るまでは。
それが目に入った時、俺の心の底に真っ黒な塊が現れた。あの時と同じく、それはどんどんと大きくなっていった。
(このままでは、自分は死ぬ)
心のどこかでそう思ったのかもしれない。そこまで考えた時、俺の意識は完全に途切れた。
ここまでお疲れ様でした。
今回は少し長くなったかな?まぁ前回短かったからいいや。
本編に出てきた水色の髪の子の、「...無駄...」の『...』は仕様です。個性を出そうとしたらこうなりました。はい。
...眠いです...では...




