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第八話 小さな旅館

第八話です。

温泉回です。まあ、そんな描写は無いんですけどねw

ではお楽しみください

あぁ、幻想郷に行きたい……

その旅館は意外と小さく二階建てで、家族でやっているような所だった。玄関に上がると、奥から中年の女将さんがが出てきてお決まりの、

「ようこそお越し下さいました。どうぞごゆっくりしていってくださいね」

という言葉と共に迎えてくれた。俺達はその女将に案内され、二階の突き当りにある部屋に荷物を置いた。その部屋は和室で畳六畳ほどの部屋だった。俺は汗が流したくなったので、呉島に声をかけた。彼女は後で行くといったので先に1人で行くことにした。

 中に入ると温泉は小さく少し残念だったが奥には扉が付いていた。

「露天風呂もあるのか。そっちはどうなんだろ」

呟きつつ扉を開けると、意外と大きな露天風呂だった。俺は体を洗ってゆっくりと浸かる。

「あぁ……いい湯だ……」

思わず声が漏れてしまった。

そして少し時間がたった頃、後ろの仕切りの向こうからガラガラと扉を開ける音がした。呉島が入ってきたようだった。彼女の鼻歌も聞こえてくる。どこか音程がズレていたれていた。適当に聞いていると、今度は声を出して歌い始めた。やっぱり音程がズレている。かなり上機嫌らしい。だんだん笑えてきた。最初は声を殺して笑っていたが、とうとう声が漏れてしまった。

「ぷッ、あははははは!」

 こちらの声が聞こえたのか歌が止んだ。かわりに彼女の怒った声で、

「何聞いてるのよ!別にいいじゃない!それとも私は歌っちゃ駄目なの!?」

「あはは、ごめんごめん。だって……」

 言いかけたところで風呂桶が飛んできた。

当たりはしなかったがこれ以上言うと何が飛んでくるか分からないので黙ることにした。

「おーい呉島、俺はもう上がってるからなー」

 彼女からの返事はなかったがそのまま上がった。彼女は俺がコーヒー牛乳を飲んでいるときに上がってきた。声をかけようとしたら、思いっきり睨まれた。廊下でも話しかけたが全部無視された。流石に無視されるのはキツい。精神的にキツい。そんなに恥ずかしかったのだろうか?

そんなことを考えていると誰かにぶつかってしまった。

「うわッ!?」

「……ッ!?」

「すみません、前をよく見ていなかったので……」

そう言って前を見ると少女だった。

彼女は立ち上がると会釈をして去って行った。

 部屋に戻ると、豪華な料理が並んでいて、呉島は既に席について待っていた。相変わらず喋らなかったが。

 とりあえず近くにあっただし巻き卵に箸ををつけるととても美味かった。彼女もよほど美味しかったのか、夢中で食べていた。

 そんなこんなで食べ終わった頃、襖が静かに開いた。そこに座っていたのは先程ぶつかった少女だった。

「……………………………」

彼女は無言で部屋に入ってくると皿を下げ始めた。そしてまた静かに襖を閉めて行った。

「なんで無言なんだろ……?まあいいか」

 少し考えたが分からなかったので考えるのを辞めた。そんなことより、眠たくなってきたので寝ることにした。時計は九時を指していた



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