決戦の日
ギャオオオン!ゴォォォォ!うおおおおお!
…なんじゃこりゃ…
「おい…一部って話だったよな?」
「そのはずなんだけど…」
僕達が固まっている理由、それは敵の多さである。魔物と王国軍の連合部隊とはいえ、この数は異常なのではないかと思う、
10000以上はいるんじゃなかろうか…
「どうする?」
「…この部屋は小さいから、少しづつしか入って来れないはず…ちょっとづつ削って行こう!」
「了解!」
「ゴルォォォ!」
突っ込んでくるドラゴンをかわしつつ剣で喉を切り裂く。
ドドドドドドド!
マシンガンを連射し、人々を貫いていく。
「ぎゃぁぁ!」
「ぐぁぁぁ!」
辺りは一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図へと変わってゆく…
この部屋での戦い方は、なだれ込んでくる敵が、僕達に狙いを定める前に相手を倒していく。という方法だ、数が多いので適当にやっても当たる。
ゴォォォ!
ズバッ!
「くそっ!やっぱ数多いな!」
「大丈夫?」
「平気に決まってんだろ!まだまだいけるぜ!」
シュゥゥゥン!
全ての駒を一斉に召喚する。
ガン!ゴゴゴゴ!!ズバッ!ジュゥゥ!
ポーンが壁となりルークが吹き飛ばし、ナイトが撹乱しつつ斬りつけ、ビショップが焼き尽くす。
ビュォォォ…ベシッ!
ショータの杖で絡めとった敵を僕が斬る。
ダダダダダダ!ザシュ!
銃を乱射し、潜り抜けてきた相手にはショータが斬りつける。
だが、敵の数は減らない。いや、減っているように見えない。
「…ちょっとだけ持ちこたえてね!ショータ!すぐ戻るから!」
「おう!」
急いで魔王の部屋に飛び込む!
「なんだ家来よ…」
流石の魔王も、顔に暗い表情が浮かびあかっている。多くの魔物に反旗を翻されたのは流石に堪えたか…だがそんな事は今どうでもいい!
「魔王さま!お聞きください!」
「なんだ?」
「今、この魔王城にはたくさんの敵が攻めてきています!」
「そうだな…」
「それは何故だと思いますか!?」
「…何が言いたい…はっきり言え!」
「ならば申し上げます!奴らは魔王様と王子が…いえ、魔物と人間がひとつになるのが怖いのです!」
「だからなんだ?」
「つまり…消す対象は『魔王様1人』ではないということです!」
「…!」
「魔王様…今すぐ王国へと向かって下さい。誰にも気づかれない様に…そして、王子を救ってください。」
「そうか、王子を消しても私との婚姻は解消できる…と…」
「はやくしなさい!王子が死んでもいいんですか!」
「家臣よ、よく伝えてくれた。…すぐに戻る。それまで持ちこたえてくれるか?」
「もちろんです…部下ですから」
シュゥゥン…
消えた…いや、移動したのか…これで魔王が王子を助ければ『白馬の王子様作戦』は成功だ…立場は逆な気がするが気にしない!
今はそれよりも…
「ショータ!生きてるか!?」
「傷ひとつ無ぇよ。さぁ、行くぞ!」
「ここは通さん!さぁ!かかってこい!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ぐっ…!何故こんな事を…」
「がるるる!」
ズバッ!
ユウはエストシアから言われた事について考えていた。
『王子の守りを薄くして欲しいんです。ピンチになる程度に』
王子をわざわざ危険に晒させるとはどういう事なのだろうか?しかし、エストシアがなんの意味も無しにあんな事を言うとは思えない。
「ぐぁぁ…」
まずい!王子が傷を負った!このままでは命も危ない…!
ジュッ…
そんな音がし、その魔物は消滅した
…何が起きたんだ…!?
「王子よ、助けにきたぞ!」
「…魔王!?」
まさか魔王が王子を助けにくるとは思わなかった。まさか、これがエストシアが狙っていた事なのか?
「さあ、王子よ、私の後ろに隠れるといい…
お前に怪我の一つも負わせはしない!」
「あぁ…ありがとう…」
「どうやら俺たちの出番はなさそうだな」
「そうだな…退散するか?」
「そうね。これならすぐ終わるだろうし…
そのあとは2人っきりにしてあげましょうか」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ドゴォォン!ガルル!ズォォォ…
「多い…多すぎる…おかしい…こんなにいるはずない…」
「確かに多いな…どうなってんだ?」
…ん?なんだあれは………!?
「ショータ!あいつだ!あいつが魔物をつくってる!」
「なんだと!?」
くそっ!あの黒服野郎…僕はもう銃を持っていない。弾はとっくに使い切ってしまったのだ…どうやってあそこまで…
「ショータ…危ない事だけど…やってくれるかい?」
「なんだ?なんでもするぞ?」
「…今から僕は残ってる駒と剣を総動員してあの黒服まで道を作る…そこを通ってあいつを殺してくれ」
「OK…任せろ!」
「さすが…頼りになるな…じゃあいくぞ!」
ナイトを敵の前に出し、敵の注意をナイトに向けさせる。その間にビショップとルークでショータから黒服までの一直線の敵を蹴散らす。そして、その一直線を守るようにポーンを配置する、そして剣を出し、ショータの周りの敵を切り裂く。
「今だ!行け!」
「おう!」
ダダダ…ズバッ!
ショータの斬撃は見事黒服の首を捉え、黒服はその場に倒れ込むと、2.3回痙攣して動かなくなった。
と、同時に殆どの魔物が消えていった。
「やった!」
「あと少しだ!いくぞ!」
ガゴォォン!
大きな音と共に僕の横の壁が崩れる…
ビュッ…!
「…家臣たちよ!よく持ちこたえてくれた!
私は戻ってきたぞ!」
凛々しい声が響くと共に、僅かに残っていた
魔物達は消滅した。
「どうやら終わったようだね…」
「あぁ…俺たちの勝ちだ!」
ふぅ…疲れた…
ぐらり。
あれ?なんか…地面が揺れてる?…違う…
僕が倒れ…?
ドサッ…
「おい!大丈夫か!?」
「なんとか…」
「ふむ、家臣達よ、もう帰っていいぞ。後は私1人でもどうにでもなる。」
「では、お言葉に甘えて…」
帰れるのか…これで…やっと…




