矢茶君と女子大生
イケメン4のメンバー、矢茶君は基本ヤンチャだ。しかしながら父親は警視庁に勤めるお堅い性格である。そんな彼だったが、今、一番の楽しみは家庭教師との二人っきりの時間だ。
勉強嫌いなので成績はあまり芳しくなく、仕方なく家庭教師をつけられることになったのだ。しかし矢茶君、勉強などしたくない。そこで勉強するための条件を出したのだ。
「美人な女子大生じゃなかったら、勉強しないから」
矢茶君の美人基準は高いものだったし、そう言って断ろうと思ったのだ。勉強などしたくなかったというのが一番の理由だ。
両親は仕方なく美人で成績優秀な女子大生を探したのだ。そして家庭教師センターから派遣された美女が、みのりさんだった。
彼女は美人でスタイルがいい。肩くらいのストレートの黒髪だがいつも香水とシャンプーと石鹸の混ざったにおいがしていた。家庭教師のいい点はすごく近い場所に2時間、2人きりでいられることだ。
週3回の二人きりの時間は彼の一番の楽しみになった。肩と肩がふれあったり、スカートから時々見える太ももが年上女性の色気を感じた。顔が近い……。ヤンチャな性格で、もちろん恋人がいた時期もあったが、年上女性に恋したことははじめてだった。
「彼氏いないんすか?」
大事なところを聞いてみる。
「いないよー。うちの大学は、大学名だけで女子はもてないから」
日本一の難関大学に在籍する美女は優しいおねえさんだ。
「男子たくさんいるんですよね?」
「同じ大学の女は女子としてみてもらえないんだよね」
「こんなに美人なのにもったいないなぁ」
「うまいのね、矢茶くんって」
「俺、男子校だし、出会いとかないし」
「もてそうだから、大丈夫でしょ」
「俺、チョー面食いなんすよね。理想の女性ってそうそういないから」
「外見で女を判断しているうちは、まだまだ子供ね」
「子供じゃないし」
「ちゃんと中身を見ないと。あとで自分にしっぺ返しがくるんだから」
さすが、みのりおねーさま。年上だけはある。
「好きな人もいないんすか?」
「特にいないけど……。私、研究で忙しいのよ。家庭教師のバイトもあるし」
みのりさんの白いブラウスから透ける下着に釘づけな矢茶。胸の谷間がちらっと見えて勝手に恥ずかしくなってしまった。みのりさんは近くで見ると意外と胸が大きく形もいい。きっと柔らかいだろう。
煩悩だらけの矢茶だったが、成績が上がらなければ家庭教師交代という条件がある以上、真面目に勉強に打ち込むのだった。本気で勉強するしかないだろう!! 俺は今なんだよ!! そんなことを思って参考書とにらめっこする。これは、両親の思惑通りなのかもしれない。
片思いは実に勉強の原動力として一番のパワーを持っていたりする。週3回――この人の顔を見たいから。




