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2人の想い(最終回)

 【カレンの想い】


 先生の横に座って先生の肩に頭を乗せる。こんなに近くにいる時間が心地いい。

「先生は私のどこが好きなの?」

「さあ……?」

 曖昧な返事はいつものこと。じっと視線を合わせると、先生は照れた顔をする。すぐ表情に出る先生は正直者だ。

 

 そんなところが好きだったりする。意外と先生はモテるので、敵が多いのだが、絶対に先生は私のモノであってほしい。だから、一生懸命求愛して、いつもいつも愛してるオーラを送り続ける。

 

「もしかして私の外見が好きなの?」

「まぁ、おまえは結構きれいな顔してるからな」

 

 め、珍しい。先生が褒めた? これは夏なのに雪が降るかもしれない。

 

「やっぱり中身?」

「まぁ、これだけ押しが強いとな」

「本当は、私のことあんまり好きじゃないとか……?」

「そんなことないよ。ちゃんと付き合っているつもりだし」

「ねぇ、好きって言ってよぉ」

「そんなに軽々しく言えないだろ」

「いっぱい愛をささやいてよぉ」

「じゃあ一回だけ」

 じーっと私は先生を穴のあくほど見つめる。貴重な愛の言葉を聞き逃さないように。見逃さないように。

「私は本当に大好きで大好きで……」

「わかってるよ。好きだよ」

 

 ――今、好きっていったよね? 先生がはじめて、好きって言った!! 先生に抱き着く。ほっぺにすりすりしてみる。

 

 少し困った顔だけれど、うれしそうな先生。きっと、私たちはこんな風に愛しながら歳を取っていくのだろう。子供が生まれて、孫が生まれても――私たちはきっと変わらない。想いは変わらないのだ。――それは、きっと運命の赤い糸。

 

 すごい奇跡的な確率で私たちは出会い、恋に落ちる。こんなに人がいるのに―――。

なぜこの人を好きになったのだろう。惹かれたのだろう。SNSもスマートフォンもない時代に、つながった奇跡。お父さんとお母さんはすごい確率で恋に落ち、結婚したのだろう。そして、恭介先生がいる、それは確率で言うと――奇跡なのかもしれない。


 私たちは以前より便利になった分、煩わしいこともたくさんある。文明の進化は必ずしもいいことばかりではないかもしれない。どんなに時代が変わっても、アプリが進化しても私の心は変わらない。私たちは今日も令和時代を駆け抜けるのだ。

 




【恭介の想い】

 

 俺たちは禁断の愛の中で、面白おかしく毎日が過ぎていくよな。俺たちの周りには色々な人々が沢山いて――奇跡的な確率で友達とも恋人も出会って。個性と個性がぶつかり合ってこの世界は形成されているんだと思う。人生って面白いよな。常に表裏一体だ。

 

 カレンのことはずっと大事にするし、ずっとそばにいてほしいんだ。だから、結婚しても、子供が生まれても――歳を取っておじいさんになっても一緒に居たいと思っている。

 

 たとえ、どんな大喧嘩をしても、誘惑がたくさんあっても。たくさんの試練が、これからもずっとあるだろう。それでも、何があってもブレない。この気持ちだけはブレないつもりだ。カレンが病気になっても俺は一生守るつもりだ。だから――ずっと一緒に居よう。俺たちは今日も馬鹿なことをして、なんとなく毎日が過ぎるんだけれど――きっとその先――隣にいるのはカレンだから。


 俺たちは、ひと昔まえよりもずっとつながりやすくなった。グループトークでは複数で情報を一堂に共有できる。電話は通話するだけの時代には想像もできなかったに違いない。ほとんどの人が当たり前のように使っている。これは、この世の中において、非常に価値の高いものだと思う。そして、こんなにも情報がある時代に出会い、つながる。これもすごい奇跡だ。実際、SNSがないと生きていけない、スマートフォンがないと生きていけないような錯覚に陥ったりする。アプリに支配される世の中になってしまうかもしれない。でも、アプリの向こうには人と人とのつながりがあって、俺たちは繋がりあうのだと思う。愛や恋の心は、どんなにアプリが発達しても、変わらない。心があるから、俺たちはこれからも心をときめかせて、熱い想いを抱き、令和時代を生きるのだ。



 

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