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元カノと遭遇するとは

 ユーキの家で元彼女ののどかと鉢合わせするとは、なんたること!! 元彼女は昔優等生だったにもかかわらず今は発情期の雌犬のようだ。もしやのどかの毒牙にかかったのか? ユーキ、スキャンダルはご法度だぞ。

 

「恭介くん……」

「のどか……」

 

 ユーキは高校は違うが、のどかとは少しだけ中学は同じだった。たしか中学卒業間近にのどかが引っ越してきた記憶がある。地元つながりは怖いものだと俺は肌で感じた。

 

 

 元彼女ののどかがなぜ 、体操のお兄さんをやっている中学の同級生の家にいるのか?

 のどかは高校時代は真面目でおしとやかな女性だった記憶しかなかったのに。

 

 

「ユーキ、なんで こいつがいるんだ?」

 とりあえず確認だ。確認なしでは何もはじまらない。

 

「最近、海道と中学の同窓会しようといってたんだけど 。俺、昔同窓会連絡係を引き受けていたんだよな。のどかが女子の連絡係で……最近よく会うようになってさ」

 

 連絡係なのはいいが……ユーキ、何かされていないか? 心配になる。のどかはかなり異性に触り慣れている女だということはわかっている。

 

「実は付き合いたいと思っているのだが……仕事クビになったら転職のあてはないし……芸能関係でやっていこうと思っているし……でも、のどかのことは好きだし」

 

 好きなのか……ばつの悪そうな、のどかがうつむく。ユーキはああ見えて純情で一途だからな。ユーキがケーキを切ってくると言い、ほのみと台所に行った。その隙に確認だ。

 

「ユーキとは、どうなんだ?」 

 核心を突かれて、ビックリ顔ののどか。

 

「私、早く結婚したいんだ」

「結婚できれば誰でもいいのか?」

「経済力があって、ちゃんと安定した仕事をしている人ならいいな」 

「うたのお兄さんは安定していないかもな」

「恭介君は教師。結婚するにはいいなって」

「なんでそんなに焦るんだよ? 幼稚園の先生は大変なのか?」

「……まあ。辞めて主婦やりたいんだ」

 

 ほのみがユーキに着いていったので、話しやすい雰囲気なのもあったのだが。ここで、元彼女の悩みを俺は初めて知ったのだった。

 

「男好きって思われているのかもしれないけれど、私は人から愛情を感じたいだけなんだ……。男性依存症なのかも。彼氏がいないことに耐えられないの。幻滅させちゃってごめん」

 

「マジで愛してくれる人を見つけたら、満たされると思うぞ」

 元彼女に何をアドバイスしてるんだろ? そんな会話をしていたら、ケーキが届いた。

 

「ほのみがお手伝いしたの」

 なんともほのぼのほのみちゃん。子供がいるだけで 気持ちがあたたかくなる。ほのみには汚れてほしくない保護者面の自分がいた。娘がいたらそんな気持ちになるよな。カレンとかわいい子供に囲まれた生活、悪くない。最高じゃないか。

 

 ユーキはマジで惚れているなら、男性依存症を愛で包むくらいの包容力が求められるな。普通の恋愛以上に大変かもしれないな。少し同情をしたが、長い目でみたら、ユーキみたいな男のほうがのどかには合っているな。ユーキは昔から、一途で裏表がないタイプだ。ケーキが並べられたテーブルの前で、俺はあれこれ思いを馳せるのであった。

 

 恭介とほのみが帰宅した後、ユーキの部屋でのどかが告白した。

「私、男性依存症かもしれない。常に恋愛することでしか愛情を感じないの」 

 ユーキにのどかは悩みを打ち明けた。

「やっぱり、そんな女は嫌いかな?」 

 ユーキはウエルカムとばかり、のどかを抱きしめた。

 

「以前付き合った人が優しくて……でも、すぐ冷たくなって……そういった彼氏が何人か続いて。家庭に居場所がない時に彼氏が居場所だったの」

 のどかの瞳からは涙が流れていた。

 

「俺は、体操のおにいさんを辞めてもいい。真剣交際がスキャンダル扱いされるならば、他の仕事を探すよ。俺とつきあってほしい」

 

「私でいいの?」 

 少し頬を赤らめてのどかはユーキを見つめた。

「いいよ。俺はどんなのどかも受け入れる。たっぷりいっぱい愛情を注ぐから、俺を愛してほしい」

 

 きりっとしたイケメンが言うとサマになる。見る目がないのどかはいつもろくでもない男としか付き合えなかったのだが、ようやく愛してくれるイケメンをみつけたようだ。しかし、大きな壁は教育的テレビのテレビ局と視聴者の皆様だ。ほのみちゃんのようなかわいい全国のお友達、おにいさんファンを裏切ることになったら……。

 

「しばらく、お部屋デートかな」

 のどかは優しい笑顔でそっとユーキの手を握った。

 

「しばらくは……ごめんな。ちゃんと貯金して、結婚したい」

 思いがけない突然のプロポーズをしてしまったユーキは照れた。

 

「いずれ幼稚園の体操の先生にでも転職して一緒に働かない?」

 そんな明るい提案が二人を笑顔にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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