リクトの純情恋物語
リクトは恭介の従兄弟で隣町に住む高校二年生。りかはリクトの幼なじみで最近ようやく両思いになったのだが……。
リクトは女好きで、りか以外には優しい。りかはいつものことだからリクトの冷たい態度を気にはしていないが、りか自身の自己肯定感は低い。
りかは結構かわいいのだが、リクトがりかへ思いを寄せる男性からの告白を邪魔してきたせいで――りかがモテた試しがない。
今までずっとリクトが邪魔をしていたことに、りかは気づいていない。リクトはストーカーのごとく、りかの恋路を邪魔してきた。リクト自身はかなり女性と遊びまくっているのだが……。自己中心的にもほどがある。そんなリクトが年貢の納め時とばかりに、りかと付き合うことになった。ずっと本命だった幼馴染のりかだ。
「私たち付き合っているんだよね?」
りかは自信がないらしくリクトに確認する。
「まぁ、付き合っているのかもな」
世界中の女性に優しいはずのリクトだが、りかには優しい言葉をかけない。大好きなのに優しくできないツンデレらしい。
待て、付き合うならば――いつかは、りかとキスもするんだよな? 他の女とは 百戦錬磨のリクトだが、りかとはキスすらできずにいた。無理だ! キスなんて! 想像しただけで赤面する。
リカの体を触るなんて到底無理だ。りかに自分の体を触らせることを想像しただけで、絶対に無理だと確信していた。変にうぶなリクト。なんだこのちぐはぐな遊び人は。
「どうしたの? リクト? 鼻血でてるよ?」
りかがリクトの顔を覗き込む。
ちょっと想像しただけで赤面まっしぐらだ。鼻血が出るなんて恥ずかしいにもほどがある。
「鼻血? マジかよ……」
「ほら、ティッシュで鼻押さえる!!」
りかがお母さんのごとく顔を近づけて鼻を抑えた。顔が近い。そのまま鼻血が止まらず、ぶったおれるリクトだった。
俺には少々刺激が強すぎるようだ……。
今日はリクトの誕生日だ。りかが今日は俺の部屋に来ている。今年は何をくれるのだろう? まさか誕生日忘れていないよな? りかからの贈り物に対して無愛想だが内心めっちゃ喜ぶリクト。毎年何かはもらっていたが……今年は恋人としてのプレゼントだ。特別感が違うな。
リクトの部屋でいつものように談笑する。小さい時から変わらない当たり前の日常だった。今日は家族がいないこともあり、付き合ってから初めての二人きりで……いつもとは空気が違うような気がしていた。
心なしか、りかの位置が近い。座る場所が近くないか? 肩がぶつかるくらい隣だ。しかもベッドの上じゃないか? 何か始まっちまうのか?
でも何かはじまっても俺は何もできないに違いない。りかの手を握ることすら恥ずかしすぎてままならないのだ。キスなんてしたら倒れてしまうだろう。その先? 多分死んでしまうだろう。それくらいリクトはりかの前では、うぶな少年だった。
「私、キスしたことないんだ」
そうだろうな。今まで男をお前から遠ざけていたのは俺様だからな。
「リクト、好きだよ」
りかが見上げながら、しっかり告白する。近いからだめだ……心臓のドキドキが止まらない。
ぎゅっとリクトを抱きしめるりか。こんな日が来るとは……俺は死んでしまうかもしれない。だめだ。りかの香りがいい匂いすぎて、おかしくなる。このままキスなのか? でも、俺は頭が真っ白で何も考えられない。
「リクトの体って筋肉ついてるんだね」
そうだろ? でもそんなに触られたら……
「リクトだめだよ、興奮しないで!!」
俺の興奮がばれたのか? まさかな、そんなことに気づくはずはない。
「おさえて!! ティッシュ用意して!!」
何をおさえろと言うんだ? ティッシュだと? リクトはどきどきが止まらない。興奮MAXだ。
「鼻血でてるから」
え? それですか? そのためのティッシュ?? なんとも情けない男だ。経験の数は片手では足りないくらいは経験しているのだが……。ティッシュで鼻をおさえながら、りかは俺の唇に軽くキスをした。なんて格好の悪いキスなんだ。
「誕生日プレゼントはキスだよ」
俺は大きな瞳をさらに大きく開く。不意打ちかよ。でも、りかのファーストキスは俺がもらった!! 鼻血をだしながらのキスは情けないのだが。でも、最高のバースデーだ!!!!
※注意 リクトは恭介先生よりも恋愛経験値は上です。




