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イケメン4の弟子入り

 以前、俺とタイマンはって、惨めに負けた王子こと八王子が俺の前に現れた。校門で待ち伏せか? 何の用だ? こいつは王子様キャラで売っている美形男子だ。アイドル系男子で女子人気がすごい男子高校生だ。

 

「また、ケンカでも申し込みに来たのか?」

 ケンカじゃ負ける気がしないが、俺は教師だ。暴力沙汰にはできないがな。すると、王子が土下座した。

「弟子にしてください。先生のような教師に憧れています」

 

 なに? この前まで元ヤンだのチンピラだの敵意むき出しだったのに……? 何かのワナか? 少し警戒してみる。

 

「先生みたいに強い男になりたいんです。俺にないのは、強さなんです」 

「はぁ?」

「俺の友達もみんな弟子入り志願しているのでよろしくおねがいします!!」

 

 イケメン4人組が現れた。この4人、俺なんかに弟子入りするあたりは馬鹿だが、元々頭脳は優秀だし、親も権力者ばかりだ。

 

 王子系イケメンの八王子くんの父は文部科学省の官僚。さわやか系イケメンの沢屋くんの父は弁護士。癒し系イケメンの伊谷志くんの父は開業医。やんちゃ系イケメン矢茶くんの父は警視庁の警視総監。家柄もよく、資産家ばかりの集団イケフォー。

 

 近くの名門男子校のイケメン4というイケメングループの4人は「通称イケフォー」と呼ばれているらしい。どこかの漫画やドラマに出てくるようなイケメン集団がいたとは。俺には関係ないけど……。

 

「俺、弟子とるつもりないから」

 俺は、スタスタ歩き出した。無視して帰ろうと思った。奴らの作戦かもしれないし、第一面倒だ。男に囲まれても、特にうれしくもなんともない。しつこく、奴らはついてくる。俺の家がカレンの家ってばれたらまずいな。

 

「着いてくるなよ」

「鞄、お持ちします」

「あ、ありがと」

 ってつい渡しちまったじゃねーか……。

「僕らのリーダーを一撃で倒す男なんてあなたは男の中の男です」

 

 え? こいつらオカルトとか洗脳集団かよ?

「僕たち4人、先生のような大人を目指します。どうかご指導ください」

「わかった。別に教えることないけど弟子にするから家には来るなよ。ここで帰れ」

「ありがとうございます」

 

 4人共礼儀正しい。やっぱりワナなのか? 王子、根に持ちそうだしな。

 

「先生の写真持ち歩きます」

 カシャ。スマホで撮影された。

 

「LINEグループで先生の写真を共有するぞ」

「俺も先生の写真待ち受けにします」

 なんだこいつら気持ち悪いな……。

 

「僕たち強くなるために特訓したいんです」

 特訓とか少年漫画じゃあるまいし……別に今は鍛えてるわけでもないしな。はぁ……。ワナではないみたいだけれど……深いため息がでる夕暮れだった。俺たち5人の長い影が歩道に並んでいた。

 

 

 

 

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