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ペットの犬  作者: ナオ
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それから数日が過ぎ、遂に心折れる愛犬家達が続出した。いくら肌身はださず持ち歩いていても、少し目を離したすきに行方不明になるからであった。外出先でトイレの中に入れようとしても床に直接置くとケージが汚れるので入り口の荷物置き場に置いていても忽然と姿が消えてしまうのであったり、ペット持ち込み不可の店等の影響もあった。買い物からや食事後帰ろうとして店の外に目を向けたら忽然と消えていたからであった。


まさに非常事態と言える様であった。


サーカス団はいまだに譲渡希望者には言い値で買い取ると宣言していた。

これはまさに、『ただで居なくなるならお金に変えた方がましだ。』

と思わせるのに十分な働きをしており、その実今まで譲渡を渋っていた飼い主達の気持ちを揺さぶるのはたやすい事であった。すでに陥落している元愛犬家達が続出しており、なぜ今まで固執していたのかを嘆く者達もいた。


『すべては無駄な努力であった。』と。


これに便乗し、転売ヤーや他人のペットの盗み等が問題となった。

どこから聞きつけたか、全国から譲渡希望者が殺到しひと騒動が巻き起こった。

はては他国のバイヤーからの連絡もあったらしい。誰もが一攫千金を狙っての事であった。

全国、または世界中のペットショップから犬達が売れに売れた。

最初ショップの店員は犬人気にあやかり売れ続けてるとばかり思っていたらしい。

だが後にこの騒動を知り店長、店員みずから交渉におもむいてくる者が続出した。

これにあやかろうと犬という犬、全てと言っても過言でない程持ち込まれる事態に陥った。

まさに御犬様様であった。みな目先の欲にはまり犬を手放す者。または転売。盗み。やりたい放題であった。



事の発端であるサーカス団の真の狙いをこの時はまだ誰も知らなかった・・・。

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