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それからしばらくして、とある愛犬家の監視カメラが決定的瞬間を映していた。
数人かの人影が犬小屋から持ち去る瞬間が録画されていたのだ。
家人が留守中を目掛けて、まるで見計らったかの様に。
事の発端は数多くの飼い犬の失踪。そこでとある愛犬家は小型の監視カメラを自宅内に設置し、犬小屋の監視をしていたのである。
いつもの様に散歩から帰宅した時、異変に気付いた。いつも愛犬が駆け寄ってきてはじゃれついてきていたのに今回は何も無かったからであった。
まさかと思い、恐る恐る犬小屋のほうを見るとリード線の先にいるべき愛犬の姿は無かった。
『何て事だろうか・・・。まさか遂に我が家が被害に遭うなんて・・・。』
『念の為、自宅に監視カメラを設置してたとはいえ安心しきっていたのかもしれない・・・。』
少し気が動転したものの、すぐ家に入り監視カメラの映像を確認し、すぐさま被害届とともに証拠映像として提出した。
他にも偶然にも家から外を眺めていた人が犬小屋から連れ去る様を見ていた話しも数件あった。
いずれもリード線を繋げないでいたので少しばかり不審に思ったらしいが、
親戚かなんかである事や、自由気ままに散歩させる為かと思ったと思いその時は深く考えていなかったらしい事等が分った。
それは他の家でも同様な事が起こっていた事がのちに分った。
まだ被害に遭ってない愛犬家達はいつ自分の番かと恐怖していた。その為自宅内で飼育する者もいたが、
次々と被害者が続出していた。
どれも家人が留守中を狙い、家の中で飼おうが、不用心にもいまだに外で飼い続けてる人達が狙われていた。
まるでその地域の飼い犬リストでも有るかの様に・・・。
愛犬家達はもう肌身はださず持ち歩く様にまでなり、周りを警戒しながら日々を過ごしていく事になっていった。中にはノイローゼになる者。気が滅入る者。反応は人それぞれであった。
サーカス団が来て間もない頃、言い値で譲渡した元飼い主達はその光景を下げすさむ様に見ていた。
『誠に哀れなり。今からでも譲渡すればこの悩みから解放されるというのに。』
だが今でも大事な愛犬を手放したくないと願う者達もい続けていた。
この心配事がいつまで続くか解らなくても。
だがその希望はいつはかなく破れるか誰にも想像出来なかった。




