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秘境迷宮の創造主《クラフター》  作者: 黒狗
2 ‐神々の降臨
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秘宝《アーティファクト》②

 秘宝(アーティファクト)

 主に製造系の神族が作成するアイテムである。

 その入手方法には、迷宮踏破や神の試練の達成など、実は様々な手段がある。

 簡単かつ、安易なものでは“消えないランタン”や“湧き出る水宝石”など、生活に便利なものから、“転移門”等、大型の設置施設。

 そして、かつてミアの父が探していた“蘇生の秘宝”など多岐にわたる。


 しかし、その全てが普通の物とは大きく異なる点を持つ。


 例えば、“消えないランタン”その名の通り、消えず、燃え続ける。

 モノとして、見た目は密閉されたガラス球の中に、炎が煌々と灯る一品である。

 当然、燃料や酸素など必要とせず。ただ、そのガラス球の内部で燃え続けるのだ。

 この製造には『炎の神』などの権能が関係しており、『細工の神』か『鍛冶の神』が火種を貰い、ソレを加工するそうだ。


“ 湧き出る水宝石”に関しては、水瓶などにこの宝石を投げ込むと、そこから懇々と水が湧き出るようになる優れものだ。

 『宝石の神』など鉱石系の神が『清流の神』『大河の神』など、水を司る神に依頼し、力を込めてもらうことで完成する。

 湧き出る水量などは、力を込めた神の力量や触媒の石の良し悪しで決まる。



 このように、通常のモノと異なる点。それは一つ以上の特殊な効果を有することだろう。



 数多く秘宝(アーティファクト)は存在しているが、その中でも数が多いのがやはり装備品であろう。

 これは、秘宝(アーティファクト)の産出先の大半が迷宮報酬なのが要因であろう。




 さて、俺が今回持ってきた秘宝(アーティファクト)

神々の城壁(アースガルズ)

天駆ける長靴(ヘルメスアンクル)


 どちらも旧知の神に作ってもらったものである。

 かなり昔の話なので、つい先日まで亜空間倉庫にしまっていたのだ。

 この二つの武具、少し面白い仕様をしている。



 一つ目。篭手(ガントレット)秘宝(アーティファクト)、『神々の城壁(アースガルズ)

 見た目は大きく無骨なデザインだが、幾重にも重ねられた金属板、コレに特徴がある。

 神代の時代に戦争で使われていた神造のゴーレム。

 今では残骸が残るだけだが、その装甲を流用し、防具として再製させたのがコレだ。

 素材としての強度もさることながら、一つ特殊能力を有している。

 人のスキルで言う所の『城壁』など、空間防御系統のスキルを発動させると、特殊能力が発動する。

 効果は、蒼く透明な長方形の板状の小盾を、片腕につき最大五百枚まで展開させる、というモノだ。

 一個当たりの大きさは小さく、手のひら程だろうが、ソレが幾重にも重なり、あるいは周囲に展開することで様々な状況に対応することができる。

 熟練すると、その小盾を使い、遠隔操作可能な儀椀【鉄巨人の腕(ギガントアーム)】を生み出すことも出来る。


 レクスが先日のメデューサワーム戦で『城壁』を発動させたのを見ていたので、選んだのだ。



 二つ目。足環(アンクレット)秘宝(アーティファクト)、『天駆ける長靴(ヘルメスアンクル)

 長靴と言いながらも、アクセサリーなのはご愛嬌といったところか。

 コレはシンプルな構造で、外観は装飾が施された、ただの足環(アンクレット)である。

 サイズの調整も出来るようにはなっているが。見る人によっては足枷にしか見えないのかもしれない。

 しかし、この秘宝(アーティファクト)も人間から見れば、破格の能力を有している。

 先ほどの『神々の城壁(アースガルズ)』同様、こちらも使用者のスキルに反応して特殊能力を発動させる仕組みである。

 対応するスキルは移動系全般と幅が広く、発動するとスキル効果を増幅することが出来る。

 そしてもう一つ。『縦横無尽』や『立体駆動』などの重力を無視できるスキルを発動させることで、空中を足場として、走ることが出来るようになるのだ。


 以前からカウスは高い機動性を誇っていた。なので、コレを使いこなせれば、さらに活路が広がるだろう。




 この二つの秘宝(アーティファクト)。それを二人に貸し与えることで、戦力アップを狙ったのだ。

 だが、当然のことながら、「じゃあ、はい」と簡単に渡すようなことをするわけが無い。


 俺は、突然の俺の動きに虚を疲れ、固まっている。

 仕方が無いので。今の動きを簡単に説明した後、


「と、いうわけで、この装備がほしければ、俺に一発ぶち込んで、奪って見せろ!」

 そんな事を言いながら、彼らを煽る。


「いや、性能は理解しましたが……」

「ああ。その篭手の能力。その防御範囲が見えないと、そもそも1一なんて無理だな」


 お、いいところに気がついた。

 そう。今回の訓練で、実戦経験を積ませる共に。『心眼』系のスキルに目覚めてもらおうと思っている。


「よく気がついたな。その通り。防御圏を見極めることが出来ないと、攻撃は通らないし……」

 俺はそう言いながら、小盾を二枚、彼らに向けて投擲する。


『ゴツン!!』


「「ごぉぉぉぉおぉぉおぉおおお!?」」


 なかなか善い音を立て、彼らの額に盾が直撃する。

 警戒はしていたのだろうが、俺がまったく動かずに居たことでその攻撃に気がつかなかったようだ。


 痛くて蹲る彼らを尻目に、俺は解説を続ける。


「このように、不可視の攻撃を防ぐことも、回避することも出来ない」

「……ぅぅ・わかりました」

 かなり痛かったのか。涙目になって俺に言葉を返した。

 と、カウスが何かに気がついた顔をして。


「ところで。今、ネクさんがその秘宝(アーティファクト)を使ったということは、ミアにもスキルが付与されたんですか?」


 そんな事を言い出した。


「ああ、そうか。もし使いこなせるのなら、ミアに渡したほうが安全性が高まる……」


 カウスもその事に気がついたて同意をしめすのだが。コレについては早々に対策をとっているのだ。


「いや。ミアは使いこなせないスキルが多いからな。あまり取得させたくないので、ミアの意識を眠らせているんだよ」



 今、新しいスキルを手に入れても使いこなせないモノが増えるだけ。

 その為、ミアを眠らせてからここに来ているのだ。

 意識が覚醒してないと、スキルの取得が出来ないのだ。


 それに……。

「それにコレは、お前達に会うものを捜して来たんだぞ? 見事、俺の期待に答えて見せろよ!」


 この秘宝(アーティファクト)は2人に会う。使いこなす為の特訓も後を控えてるのだ。

 とっとと、第一の課題くらい突破して欲しい。


 俺の檄を、思いを受け、二人は構えを取る。

 さて、どれだけ掛かるか。

 この日から、夜の訓練が始まったのだった。











 そして、数日後。

 連日、夜間の特訓が行われ、レクスとカウスが確実に力を増してきた。

 二人は御者をしている間、交互に睡眠を取り、夜間に備えている。

 ベオは課題であったボルト系魔術の練習。

 ネーネは召喚魔術と交信系統のスキルを磨いており、

 ミアはそんな二人につき合い、魔術や精霊について勉強をしていた。



 そして、明日にはウォッドベーカーへと到着するという地点。

 突然に、ミアが驚くべき言葉を口にだしたのだ。

 そのあまりにも突然の内容。彼らは意味を理解するのに、かなりの時間を擁した。



「すみません。お願いがあるのです。……このまま、一度オーレアへ行って見ませんか?」

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