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秘境迷宮の創造主《クラフター》  作者: 黒狗
2 ‐神々の降臨
48/140

ss:母の思い②

幕間のSSです

誤字を修正しました。

 ミアとの再会……と、言って良いのか?

 私の中の時間ではつい先程まで小さな子供だったのだが、今ではもう大人と言っても良いだろう。


 私はまだ体が上手く動かせない。

 それでも尚、視線を回し、一人の男性を視界に止める。

 その男性の視線が酷く印象的だった。

 それは優しいそうで、でもとても哀しそうな、そんな視線。

 私は何故だかは解らないけれども、その男性が私を死の世界から拾い上げてくれた、そんな気がする。


 そんな彼を見ていると、ミアがあの男性に礼を言う。

「ネクさん、本当にありがとうございました」


 あの方はネクと言うのか。


 お礼を言いたいのだが、ミアと何か真剣な話をしている。


 朧気にだが、二人の会話が耳に入る。

 その話から察するに、ミアは私を蘇生するのに何か大きな代価を払ったのだろう。


 ミアを(しもべ)にするという言葉が聞こえていた。

 だが、先程同様。彼の言葉からは不快なイメージが沸かない。


 私はまだ、はっきりとしない意識の中で、それでも

 聞き逃すまいと耳をすませる。

 すると、彼は


「許された時間は短い。だからこそ、その時間を大事にするといい」


 そんな言葉を口にする。


 次の瞬間、光が私たちを包む。

 眩しさに目を閉じたが、次に開いた時、私たちは何処かの部屋の一室に居たのだった。


「ここは・・・あの宿屋の2階?」

 ミアはこの場所に心当たりが有るようだ。


「ああ、あの神が用意してくださったんだ」

 私はその聞き慣れた声に振り向く。

 そこには最後に別れたままの姿の■■■■が居たのだった。


 そこまで思って、私は目の前に居る()()()()が出てこない事に気がついた。

 それだけではない。思い出の中の夫の顔が思い出せない。

 そして、目の前に居るのに、それが夫だとは分かるのに、まるで居ないかのように存在感を感じない。


 まるで薄くなっているようだと思って居ると、夫と、そしてミアの口からその原因が語られる。


 そして同時にこうして家族が揃って居られる時間の短さも、私たちは知ることろなった。


「そんな、あと1週間も無いなんて」

 話を聞く限り、此処に私たちが居ること自体が奇跡んのだろう。

 それでも、私は、私たちは嘆かざるをえなった。


 暫くして、私はこんな提案する。

「あの時は出来なかった誕生会くを開きましょう!」

 それはあの件が無ければ、行っていたはずの、ミアの4歳に誕生日会の実施である。


 誕生日会は今すぐ遣るわけではない。

 私はミアと夫から此までの経緯を聞く事となった。

 それは取り留の無いことから、ミアの旅の話、そして、夫がミアを精一杯育てて居たことなど多岐に及んだ。


 10年余りの思い出。

 それは夜通し語られる事になった。


 翌日。私たちが朝食の支度をしている(と言っても作っているのは夫だが)と、 昨日の話にも出てきた、ミアの仲間達が2階から降りてきた。


 ミアは私と夫を彼らに紹介している。

 私は彼らに挨拶をするとともに、ミアに彼らの紹介を受けている。


 そしてこの時、ようやく私とミア、お互いの違和感に気がつく事が出来た。


 彼らは夫の事が認識出来ないのだ。

 居ることは判るが、どんな姿か判らない。

 何を言っていうか判るが、どんな声か思い出せない

 なるほど、存在を失うとがどんな事かを実感できた。


 私たちが認識出来ているのは何故だろうか?

 何となくだが、この神眼というスキルが怪しい気がする。

 ミアも取得しているらしく、きっとそれによって夫を認識出来ているのだろう。


 私は改めてあのネクという神に感謝をした。

 家族全員で居られるのは後僅か。


 この時間をきっと大事にしよう。そう決めるのだった。

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