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秘境迷宮の創造主《クラフター》  作者: 黒狗
1‐2人の長いプロローグ
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明日からの団欒

 二人を送り出し、俺は一息つく。

 今回は色々と問題のある試練だったが、今後もしも人族が来ることがあれば、これを教訓として、対応をしようと思うのだった。


 まぁ、当面はミアの件で愉しむことにしよう。

 神族・魔族とも、長い長い時の中で暇を持て余しているのだ。

 ミアを俺の眷属にしたことで、干渉をすることが出来るようになった。

 これで他の迷宮に潜ったときの様子を観察することができる。

 まぁ、本人は俺の役に立つ行動を取るたび、借金の返済のように代価を支払うことになるので、頑張ってもらいたい。

さてさて、今後が愉しみである。


 と、その様子を見ていたラヒルデが

 

「しかし、よろしかったのですか? 父親の方はその存在を維持できないのでは?」

「そうだな。あまり時間はないだろう」


 俺が魂を修復したとはいえ、もう長くは持たない。

 当人もソレは承知の上だ。

 裏で修復した際、そのことははっきり告げている。

 その上で、当時の肉体を再製し、魂を込めたのだ。


「……もって一週間か。それまでは親子水入らずにしてやろう」


 俺は目を伏せ、せめて短い間でも、幸せな思い出を作って欲しいと願うのだった。








「……そうですね。親子水いらずは大事ですよね? ネク様」

 そんな、絶好のタイミングで、真の悪魔が口にする。


 ……わすれてたあああああああああああああっ!


 そうだ! こいつの目的はソレだ!

 コイツを含め、神・魔は最深部に到達するだけで達成となる。

 他の連中はたいていモンスターを要求するのだが……コイツだけは……

 その言葉にラヒルデは眉間にしわを寄せ、トラフ爺はニヤニヤと人が悪い笑みを浮かべている。


「親子水いらずは大事なんですよね? ネク様」

 ぐぐぐぐ……言葉を返せん。

 だが、これは正式な方法での要求だ、断れない。

 俺は盛大にため息をつくと行くことを決意する。


「……はぁ。ラヒルデ、後は任せた。暫く留守にするぞ」

 そう言うと俺はフェリアスについていく。

 っと、そうだ。


「トラフ爺、迷惑をかけたな、ありがとう。この礼は後ほど、物理的に」

「期待しておくぞい」


 今回はトラフ爺に助けられた。そうだ、今後のことを考えるとあれが必要だな。

 恐らく、あのベオという獣人が来たのは理由があるはずだ。


「もう一つ、迷惑ついでに頼みを聞いてもらえるか?」

 おれはトラフ爺に頼みをいう。


「転移門を一機設置しておいてくれ。使用者を俺の承認“アリ”に限定で頼む」

「了解した。まぁ、お前が行っている間には用意しておくぞぃ」


 これで万が一にも対応できる。

 俺はそう言うとフェリアスとともに転移するのだった。








 ◇◆◇



 そこはある迷宮都市の最上部。

 一人の少女が到着をまっていた。


 恐らく、フェリアスから連絡が言っていたのだろう。

 焼き菓子と紅茶の香りがする。


 他のヤツらとは違い、この子はこういった料理とか、そういったのが得意な子だったな。

 俺は女子力の高さに喜ばしくおもうと共に、俺の周りの女子力の低さにぐったりする。


 彼女は俺の存在に気がつき、顔をほころばせ、駆けて来る。


「っ! ()()()! いらっしゃってくださったのですね!」

 花のような笑顔と共に、俺の目の前に来る。

「ああ、元気そうでなによりだね。お茶の用意をしてくれたのかい?ミネルバ」

「はい! どうぞお座りください!」

 そう言って、俺の()()()()()は俺をイスへ案内する。

 我が娘ながら良く出来た子だ、と


()()()も、もう間もなく到着されますから、少しお待ちください!」

 俺はその、輝くような笑顔を向けられ、心の中で天を仰ぐのだった。



 ミアたちも、家族団欒……出来ているかな?



 ◇◆◇




 私は今、宿屋の一階の食堂でイスに腰掛けている。

 テーブルを挟んで正面には母が座り、厨房に父が立って料理をしている。

 ……ずっと昔になくしたモノが、今目の前にあるのだ。


 父の事情と現状は聞いている、そのことに母と共に涙をしたのだが、例え、一時のモノだとしても。再び合え、話をすることができるのだ。


 父はこうも言っていた。

「私は間違いなく、あの時に死んでいた。本来は生き返らせる必要も無かったはずだ。でもあの神は私に、最後に機会を与えてくれくれた。そのおかげで、もう1度お前達に会うことができた」


 そう言い、私達は今のこの時間を大事にしようと決めたのだ。



 今は十年ぶりに父の手料理を待っている。

 と、父は料理をしながら、私に

「ミア、お仲間の方をあとで紹介してくれないか?」




 私は両親に仲間を紹介することになる。

 そしてその数日後。十六歳の誕生日。

 私は、今までの人生で一番盛大な誕生日会にて祝われることになる。


 父が消えてしまうまで、短い間ではあったが、この思いでは決して消えることの無い大切な記憶となったのだ。

1章部完了です。

明日以降設定を投下していきます。


2章の開始は1月上旬を予定しています。

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