Ⅲ-4 天使が増えて災難。
天使が泣き出したせいで廊下に出した二人が入って来てしまった。
「何したのよ。あんた」
「オレはなにもしてねぇ」
「……いきなり押し倒されて、これがええのんかぁ?とか言いながら胸を…」
しくしくと嘘泣きして周りを煽り出す。
「……ちょっと面貸せ」
「胸なら私がいつでも……!」
「ちげぇよっ。何話捏造してるんだよっ。オレはむしろ被害者だ!」
と言うかそんなんオレのキャラじゃねぇ。
「……ぐすん」
『…………』
とりあえず元となった天使が泣き止んで話すことをしないと話は進まない。
「あのな……オレは何もしてないぞ。こいつが神がどうのこうの言ってオレを巻き込もうとしてただけだ。それにオレは」「陵辱しようと……」「不潔……っ」「勇者様は私では至らないと言うのですね……!」
「だーかーらっ」
……こいつら、わざとやってるんじゃないだろうな?
本当、こいつらといるとSAN値がめっきり減る。
「大体、この自称天使が厄介事を持って来てるのは間違いないんだよ。なんでオレばかりがこんな目にあうんだっ」
一々転生されてたら切りないし迷惑だ。
こちとら引き込もって好きなことをしていたいだけだってのに。
「それは勇者になったのが元凶だと思うの」
「はあ?」
いきなり素に戻って話し出した。
「勇者として異世界に召喚、その際に生じたエネルギーが並みならぬもので、あなたにとてつもない力を授けたの。それは一種の才能みたいなものでもあるの。あなたは天賦の才能を得たのよ」
淡々を話す天使の言葉の数々。
オレは頭が痛くなってきた。
「え、何々?どういうこと?」
「つまり、勇者様は勇者様になる時に転じた影響で通常では有り得なかった力を得てしまったと……そういうことですか?」
「そういうことね」
「……わかるようなわからないような」
オレは理解したが納得がいかねぇ。
「なんでオレなんだよ。オレの他にもいるだろうが」
「それはないの」
「は?」
「だってあなた以外にこの世界の住人が異世界に召喚されたなんて例、天界には記述されてないわ。あなたは異例なの」
そんなこと言われても。
「……だから」
頬を染めチラチラとオレを見る天使。
「だから、わたくしの奴隷として大人しく監視されやがってくださいね。貴方様♡」
「いやだぁぁぁぁぁああぁあっ!!」
こうしてまたオレの周りにめんどくさいのが一人増えたのだった。




