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目指すは深層、まずは腹ごしらえから! 〜現代知識と【拠点創造】で始める、前人未到の大迷宮スロー攻略記〜  作者: 盆ちゃん


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第489話 極上炭水化物・奪還逆走ツアー(16部構成・その5:超重力・パスタ大峡谷への突入と、甲板特大茹で鍋作戦)

第489話 極上炭水化物・奪還逆走ツアー(16部構成・その5:超重力・パスタ大峡谷への突入と、甲板特大茹で鍋作戦)

パンゲア大陸での「極上パン・ビュッフェ大宴会」で、炭水化物という最強の土台の威力を再認識した開拓者たち。

彼らの底なしの胃袋と、狂気的なまでの「氷室カンスト解消(食材の美味い消化)」への執念を乗せた移動料亭要塞『星海大宴殿』は、宇宙空間をさらに逆走し、次なる特異点へと突入した。

ズゴォォォォォォォォォンッ!!

要塞の船体が激しく揺さぶられ、ブリッジに警告音が鳴り響く。

『……重力異常領域への突入を確認。外部の重力ベクトルが毎秒数百回の頻度で乱高下している。要塞のジャイロシステムをゼノス殿の空間魔術と完全同期。船体の姿勢制御を強制固定する』

サイラスのキーボードを叩く指が残像を描き、ゼノスが漆黒の杖をブリッジの床に突き立てた。

「フッ、デタラメな引力め。だが、私の【絶対空間支配】と大宴殿の質量を覆すことはできん」

ガキィィィンッ! と、要塞全体を不可視の鎖が固定したかのように揺れがピタリと収まる。

「す、すんげぇ揺れだったな……! これが『超重力』の峡谷か!」

トウヤが甲板の最前線に立ち、視界を覆っていた装甲ハッチを開き去った。

そこに広がっていたのは、まさに狂気の絶景。

宇宙空間にポッカリと口を開けた、惑星すらも丸呑みにできそうなほど巨大な『峡谷キャニオン』。その内部は上下左右の概念が完全に崩壊しており、強烈な重力の嵐が吹き荒れていた。

そして、その嵐に乗って、黄金色に輝く「細長い無数の帯」が、滝のように、あるいは猛烈なスコールのように、全方位から乱れ飛んでいるのだ。

「見ろよお前ら! 空気中から『デュラムセモリナ粉』みたいな、小麦とはまた違う力強い香りがプンプンしてきやがる!」

トウヤが【美食神の鑑定眼】を輝かせる。

【超重力・黄金麺帯パスタ大峡谷グラビティ・パスタ・キャニオン】。

それは、数万年という時間をかけて宇宙の魔力と極上の粉が練り上げられ、重力の力で無限に「押し出し」と「引き伸ばし」を繰り返されることで生み出される、神話級パスタの生産プラントであった。

「オオオッ! まさしく麺じゃ! 見るからにコシが強そうな、黄金の麺が空を飛んでおるぞ!」

ヴィルヘルム上皇が、マイ・フォークを両手に握りしめて窓にへばりつく。

「細いスパゲッティから、平打ちのフェットチーネ、ねじれたフジッリまで……あらゆる種類のパスタが空を舞っていますわ!」

エリスもまた、令嬢の仮面をかなぐり捨てて目を輝かせた。

第一フェーズ:特大・星海パスタボイラーの展開

「ハッハッハ! これならどんなパスタ料理でも作り放題だぜ! だが、あの嵐の中でただ麺を回収しても、氷室のスペースを圧迫するだけだ!」

トウヤはバンッ! と甲板を叩いた。

「俺たちの目的は『氷室の在庫を美味しく消化すること』だ! ならば、降ってくる麺を片っ端から【茹でて】、そのまま極上のソースにぶち込んで宴会をしながら進むぞ! サイラス、マリア! 甲板を『超特大の茹で鍋』に魔改造だ!!」

『……了解した。甲板の魔導グリル機構をボイラー・モードへ移行する』

「女神の御名において! 尽きることなき清らかな水をここに! 【聖女の海盆ホーリー・ウォーター・ベイスン】!」

甲板の周囲にマリアの光の結界が張り巡らされ、そこに清浄な水が数万トン単位で注ぎ込まれる。同時に甲板の床面が超高温に発熱し、水は瞬く間にボコボコと沸騰し始めた。

「パスタを茹でるなら、お湯の塩分濃度が命だ! 塩砂漠で獲った『うま味結晶塩』を限界までブチ込め!」

トウヤが、氷室から取り出した数トンの極上岩塩を、沸騰する特大プール(鍋)の中へ豪快に蹴り落とす。

ジュワァァァァァァッ!!

塩が溶け込み、ただのお湯が「完璧な塩味と旨味を含んだ極上の茹で汁」へと変貌を遂げた。

「ゼノス! クー! 峡谷の重力流を捻じ曲げて、空飛ぶパスタを全部この鍋の中に誘導しろ!」

「キュィィッ! おっきな麺、ぜんぶお湯に入れるー!」

ズゴォォォォォンッ!!

クーの重力波とゼノスの空間誘導により、峡谷を乱れ飛んでいた数千トンもの【神話級・黄金スパゲッティ】の帯が、まるで巨大な竜巻のように大宴殿の甲板へと吸い寄せられ、沸騰する鍋の中へとダイブしていった。

第二フェーズ:重力峡谷の乱獲と、極上パスタの茹で上がり

「ギシャァァァァッ!」

パスタの嵐の中から、その麺を主食とする峡谷の魔獣たちが姿を現した。

麺を切り裂く巨大なハサミを持った『重力鋏の巨蟹マカロニ・クラブ』や、酸味の強い赤い液を飛ばしてくる『星空トマトの浮遊眼ポモドーロ・アイ』である。

「カッカッカ! パスタの具材とソースが自ら出向いてきやがったぜ!」

「ええ、パスタには極上の魚介とトマトソースが必須ですわね! 【貴族剣技・クラブ・クラッシュ】!」

ガレスの超振動戦斧がトマトの魔獣を極上のピューレへと粉砕し、エリスのレイピアが巨蟹の関節を的確に切断して、プリプリの蟹肉を甲板へと降らせる。

ジンが影を走り抜け、不要な甲殻を弾き飛ばしながら、美味しい部位だけを氷室の特設タンクへと放り込んでいった。

「よし! 麺が茹で上がるぞ! 時間との勝負だ!」

トウヤの叫びと共に、鍋の中で黄金色に輝いていたパスタが、完璧な『アルデンテ』の状態で引き上げられていく。中心に髪の毛一本ほどの芯を残し、表面はツルツルでモチモチ。宇宙最高の弾力を持つ麺の完成である。

第三フェーズ:神話級エイジング・カルボナーラの暴力

「初日の今日は、氷室の【熟成肉】と【特濃チーズ】をガンガン消費するぞ! メニューは、漢のロマンが詰まった最強パスタ……【超特大・神話級エイジング・カルボナーラ】だァァッ!!」

トウヤが、別の超特大フライパン(直径三十メートル)を火にかける。

「ジンが薄切りにした『エイジング・マンモスの極上パンチェッタ(塩漬け肉)』を、油を引かずにカリカリになるまで炒める! 熟成肉の暴力的な脂とアミノ酸を完全に引き出すんだ!」

ジュワァァァァァァァァァッッ!!

フライパンの上で熟成肉が焦げる、狂おしいほどの香ばしい匂いが爆発する。

「肉から出た黄金の脂に、さっきの極上の茹で汁を加えて乳化させる! そこに、茹でたての神話級パスタをドーンッ!!」

ズバァァァァンッ!!

数トンのパスタがフライパンに叩き込まれ、トウヤが魔力を使ってフライパン全体を宙に浮かせ、豪快に煽る。麺の一本一本に、熟成肉の旨味が溶け込んだソースが完璧にコーティングされていく。

「火を止める! 仕上げは、無重力群島で獲った『星海シロップの極上卵』の黄身だけを何千個も使った卵液と、天空チーズ連峰の『特濃チェダー&パルミジャーノ』を限界まで混ぜ合わせた【黄金カルボナーラ・ソース】を一気に絡めるんだァッ!」

ドリュゥゥゥゥゥンッ……!!

余熱だけでトロトロに火が入った黄金のソースが、パスタ全体をねっとりと包み込む。最後に、国宝級のブラックペッパーをこれでもかと削りかければ完成だ。

「さぁ食え! 氷室消化ツアー・パスタ編の開幕だ! 【神話級エイジング・カルボナーラ】、冷めないうちに腹にブチ込めェェッ!!」

第四フェーズ:ツルモチの感動と、終わらない麺の宴

「「「いただきますだァァァァァッ!!!!」」」

権力者たちと開拓者たちが、自分の顔よりも大きなフォークでパスタを豪快に巻き取り、一気に啜り込んだ。

ズルルルルゥゥゥゥッ!!

「むごぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!」

エルドリア元皇帝が、パスタを頬張った瞬間に目を見開き、黄金の闘気を噴出させた。

「な、なんという麺のコシじゃ! 歯を押し返してくるほどの凄まじい弾力! 噛み切った瞬間に溢れ出す小麦の強烈な香り! そして……それに絡みつくソースの暴力的な美味さァァッ!」

「エイジング肉のパンチェッタの塩気と野性味が、特濃チーズと卵の濃厚すぎるまろやかさで完璧に包み込まれていますわ! そして、ブラックペッパーの刺激が全体を引き締めて……無限に! 無限に啜れますわーっ!!」

エリスが、口の周りをソースで黄金色に染めながら、猛然と二口目、三口目とフォークを回転させる。

「ガッハッハ! ピザやパンも最高だが、この『麺』がソースの旨味を全部引っ張り上げて口に飛び込んでくる感覚は、パスタでしか味わえねぇぜ! エールが水のように消えていく!」

ガレスが樽ジョッキを空にし、ジンも無言のまま恐ろしいスピードでパスタの山を削り取っていく。

「あぁ……このモチモチ感、胃薬と一緒に流し込むには最高に優しいぜ……」

ケンジは隅の方で、胃をさすりながらも幸せそうに麺を咀嚼していた。

パスタ峡谷の超重力と天然の素材が生み出した『完璧な麺』は、彼らの氷室で眠っていた極上食材たちのポテンシャルを、パンとはまた違うベクトルで極限まで引き出していた。

「野郎ども! 峡谷のパスタはまだまだ尽きねぇぞ! 今日はカルボナーラを食い尽くし、明日は先ほどのカニとトマトを使った『極上ペスカトーレ』だ! この一週間で、氷室のソース食材を限界まで食い尽くすぞォォッ!!」

「「「ウオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」

狂った重力が支配する大峡谷のど真ん中。

移動料亭要塞『星海大宴殿』は、巨大な茹で鍋から立ち昇る熱気と芳醇な小麦の香りを撒き散らしながら、次なるパスタ料理の絶頂へ向けて、底なしの暴食を加速させていくのであった。

(その6へ続く)

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく


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