第487話 極上炭水化物・奪還逆走ツアー(16部構成・その3:空飛ぶ巨大ピザ生地と、特濃チーズ&熟成肉の暴力ピザ大宴会)
第487話 極上炭水化物・奪還逆走ツアー(16部構成・その3:空飛ぶ巨大ピザ生地と、特濃チーズ&熟成肉の暴力ピザ大宴会)
ズゴォォォォォォォォォンッ!!
「ハッハッハ! 食っても食っても麦が尽きねぇ! さすがは大陸サイズのパン生地だぜ!」
「ギシャァァァァッ!」
「うるせぇカマキリ! 俺たちのピザの邪魔をするな! 【剛腕絶技・コンバイン大旋風】ォォッ!」
『超特大・神話級チーズバーガー』の狂熱の宴から一夜明けた、【豊穣なる黄金麦穂と天然酵母のパンゲア大陸】。
移動料亭要塞『星海大宴殿』は、今日も今日とて巨大なコンバインとして黄金の大海原を蹂躙し、護り手である『豊穣の黄金大鎌』や『巨岩の酵母ゴーレム』を粉砕しては、極上の小麦と天然酵母を猛烈な勢いで吸い上げ続けていた。
第一フェーズ:氷室大解放! 次なる狙いは『究極のピザ』
「トウヤ殿! ハンバーガーは最高であったが、ワシの帝国の辞書には『飽き』という言葉は存在せんぞ! 次なる炭水化物の宴の準備はどうなっておる!」
エルドリア元皇帝が、朝からジョッキ片手に厨房のトウヤのもとへ突撃してくる。
「分かってるよおっさん! バーガーで消費した肉とチーズなんて、氷室の在庫から見たらまだほんの数パーセントだ。今日は、あそこに眠ってる『天空チーズ連峰』のチーズソース数百万トンと、『無重力群島』の生ハム、『星海氷河』のエイジング肉を一気にぶちまける、とっておきの炭水化物料理を作ってやる!」
トウヤがバンッ!と調理台を叩き、ニヤリと極悪な笑みを浮かべた。
「小麦粉とチーズ、そして極上具材が揃った時にやるべき最強の料理……【特大・神話級ミックスピザ】の大宴会だ!!」
「ピ、ピザ……!」
エリスが両手を口元に当て、目を輝かせる。
「トロトロのチーズに、塩気のある生ハムやお肉を乗せて香ばしく焼き上げる、あの悪魔の食べ物ですのね……!」
「そうだ! パンゲア大陸の強力粉は、弾力と香りが宇宙最強レベルだ。こいつを使えば、外はカリッと香ばしく、中はモチモチの【究極のナポリ風生地】ができる! さぁ野郎ども、ピザ生地の仕込みに入るぞ!」
第二フェーズ:空飛ぶピザ生地と、大宴殿流・トッピングの舞
今回はハンバーガーのバンズとは違い、薄く、しかし強靭なコシを持つピザ生地を作らなければならない。
マリアとルミナが練り上げ、一瞬で発酵を終えた【神話級・黄金麦の生地】を前に、トウヤはゼノスとクーを呼び寄せた。
「ゼノス、クー! お前たちの魔法で、この数百キロあるピザ生地の塊を空中に浮かべて、遠心力で一気に薄く伸ばしてくれ!」
「フッ、良かろう。重力と空間のベクトルを操り、天空のキャンバスを創り出す」
「キュィィッ! ぐるぐる回すよー!」
ゼノスが漆黒の杖を振り、クーが重力波を放つと、甲板の真上に浮かび上がった巨大な生地の塊が、凄まじいスピードで回転を始めた。
ギュルルルルルルッ……!!
遠心力によって、数百キロの生地が均一な厚さを保ったまま、あっという間に直径五十メートルにも及ぶ『超巨大なピザ生地』へと変貌を遂げる。空飛ぶ円盤さながらの光景である。
「よし! 生地が広がったぞ! ジン、エリス! 空中の生地が落ちてくる前に、具材をありったけトッピングしろ!」
「……了解した。具材の切り出しなら任せろ」
ジンが氷室から射出された【エイジング・マンモスの極上ブロック肉】を空中に放り投げ、神速の双短剣で花びらのように薄く、かつ旨味を逃さない絶妙な厚さにスライスしていく。
「わたくしは生ハムとフカヒレを! 【貴族剣技・トッピング・スライサー】!」
エリスのレイピアが閃き、塩砂漠で獲れた【極上生ハム】と、無重力群島で乱獲した【黄金フカヒレ】が空中で完璧に切り分けられ、回転するピザ生地の上へと花吹雪のように舞い落ちていく。
「仕上げは俺だァァッ!」
トウヤが魔導バキュームのノズルを空へ向けた。
ズゴォォォォォォッ!!
氷室のタンクから直接吸い上げられた【星海チェダー&モッツァレラの特濃チーズソース】が、まるで黄金の滝のように空中のピザ生地へと降り注ぎ、生ハムや熟成肉の隙間を埋め尽くすようにたっぷりとコーティングされた。
第三フェーズ:特大魔導石窯の焼き上げと、暴力的な匂い
「ゼノス! クー! トッピング完了だ! そのまま俺が用意した【窯】に落とし込め!」
「【拠点創造・超特大星海石窯】!!」
トウヤのスキルによって、大宴殿の甲板に突如として建造された、山のように巨大なドーム型の魔導石窯。
ゼノスの空間誘導によって、具材を限界まで乗せた直径五十メートルの特大ピザが、崩れることなくすっぽりと石窯の中へと収まっていく。
「火力最大! 一気に焼き上げるぞ!」
ゴォォォォォォォォッッ!!!!!
石窯の内部で、摂氏数百度の超高熱がピザを包み込む。
数分後。石窯の煙突から、宇宙空間の果てまで届くのではないかというほど、暴力的で、罪深すぎる匂いが噴出し始めた。
パンゲア大陸の天然酵母生地が焦げる、狂おしいほどの小麦の香ばしさ。
マンモスの熟成肉から溢れ出したアミノ酸と脂の焼ける匂い。
生ハムの熟成香。
そして何より、それらすべての旨味を抱え込んでグツグツと煮えたぎる、特濃チーズソースの焦げた匂いである。
「あ、あかん……! ワシの胃袋が、匂いだけで『早く食わせろ』と暴動を起こしておる!」
「トウヤ君! もう限界だよぉ! 神格がピザの匂いに染まってピザ神になっちゃうよぉ!」
権力者たちと神様が、それぞれ特大のピザカッターとマイ皿を握りしめ、石窯の前でヨダレの海を作っている。
「焼き上がりだァァッ! 【特大・神話級ミックスピザ・星海熟成肉と黄金フカヒレ&生ハム乗せ】の完成だァァッ!!」
第四フェーズ:狂熱のピザ大宴会と、無限の胃袋
トウヤが石窯の扉を開け放つと、熱気と共に、縁がふっくらと膨らんでヒョウ柄の焼き目がつき、中央は具材とチーズの海と化した、究極のピザが姿を現した。
「さぁ、食え! 氷室のチーズと肉を消化するための大宴会だ!」
トウヤが黄金の大剣(を模した特大ピザカッター)で、巨大なピザを一気に八等分に切り分ける。
ズバァァァァッ!!
切り分けた瞬間、断面からドリュゥゥゥゥンッ!と滝のように溢れ出す黄金のチーズ。
「いただきます! ……ハフッ! むごぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
エルドリア元皇帝が、自分の顔の何十倍もあるピザの先端に噛み付く。
「な、なんという生地の美味さだ! 表面はサクッと小気味良い音を立てるのに、噛むと驚くほどモチモチで、小麦の甘みが爆発しよる! その完璧な土台の上で、熟成マンモス肉の野性味あふれる旨味と、生ハムの極上の塩気、そして特濃チーズのコクが……あああっ! チーズが伸びる! どこまでも伸びて旨味が途切れんぞォォッ!!」
「フカヒレのコリコリとした食感が、トロトロのチーズとモチモチの生地の中で最高のアクセントになっていますわ! これ、いくらでも入ってしまいますわよ!」
エリスが、チーズで口の周りをテカテカにしながら、令嬢らしからぬスピードで二切れ目に突入する。
「ガッハッハ! ハンバーガーも良かったが、ピザの『一体感』は別格だな! 星海エール! エールを持ってこいケンジ!」
「俺も食う! 胃薬をチェイサーにしてでも、このピザは絶対に食わなきゃ損する味だ……っ!」
ガレスとケンジも、ジョッキ片手にピザの海へと身を投じていく。
トウヤもまた、自作のピザにかぶりつきながら、氷室のモニターを横目で確認した。
「よしよし! あのサイズを一瞬で平らげやがった! 氷室のチーズタンクと肉のストレージの残量が、目に見えて減り始めてるぞ!」
炭水化物という最強の「土台」を得たことで、開拓者たちの異常な胃袋は、肉とチーズの脂っこさを完全にリセットし、底なしのブラックホールと化していた。
「野郎ども! パンゲア大陸の麦はまだまだ無限にある! 今日は寝るまでピザを焼き続けるぞ! 次は『深海タラバと白子のシーフードピザ』だァァッ!!」
「「「ウオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」
極上の小麦と天然酵母が生み出す無限の可能性。
移動料亭要塞『星海大宴殿』の甲板は、空飛ぶピザ生地と暴力的すぎるチーズの匂いに包まれ、氷室のカンストを解消するための狂熱の『大消化・炭水化物祭』の頂点へと駆け上がっていくのであった。
(その4へ続く)
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