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目指すは深層、まずは腹ごしらえから! 〜現代知識と【拠点創造】で始める、前人未到の大迷宮スロー攻略記〜  作者: 盆ちゃん


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第482話 星海熟成氷河・大蹂躙(一週間のエイジング肉乱獲と、極上ステーキの大宴会)

第482話 星海熟成氷河・大蹂躙(一週間のエイジング肉乱獲と、極上ステーキの大宴会)

移動料亭要塞『星海大宴殿』は、宇宙空間の無重力群島を蹴り飛ばすようにして、次なる絶景――熱運動そのものが停止する死の世界『絶対零度の星海熟成氷河アブソリュート・エイジング・グレイシア』へとその巨体を滑り込ませた。

外気温、マイナス273度。

通常の物質であれば、分子の動きが止まり、僅かな衝撃でガラスのように粉々に砕け散る究極の極寒地獄である。

ビューォォォォォォォォッッ!!!!

青白い氷の嵐が要塞に吹き付ける。

しかし、大宴殿の外壁に猛烈な吹雪が触れた瞬間――「ジュワァァァァッ!」という凄まじい沸騰音と共に、氷の結晶が一瞬にして蒸発し、代わりにシナモンと八角の甘くスパイシーな香りが湯気となって周囲に立ち昇った。

『……外部気温マイナス273度。対して、要塞外壁温度は摂氏100度で完全に安定している。糖度100%のシロップによる凝固点降下と、発熱スパイスの化学燃焼反応……完璧なハイブリッド不凍液だ』

ブリッジのサイラスが、ホログラムのパラメーターを見つめながら口元に笑みを浮かべる。

「ハッハッハ! 当たり前だ! 俺の現代知識と、前の階層で搾り取った極上食材のコラボレーションだぜ! これで寒さなんか微塵も感じねぇ!」

トウヤが甲板の最前線に立ち、熱気を放つ黄金の大剣を肩に担いで高らかに笑う。

第一フェーズ:歩く熟成肉の群れと、熱々スパイス刃の蹂躙

ズズズンッ……! ズズズンッ……!!

猛烈な吹雪の奥から、氷河を震わせるほどの重低音と共に、巨大な影がいくつも姿を現した。

体長三十メートルを超える、全身が分厚い青氷の装甲で覆われた『星海氷殻の長毛象エイジング・マンモス』。そして、氷の海を泳ぐように進む『絶対零度の熟成鯨フローズン・エイジング・ホエール』の群れである。

「カッカッカ! 出たな、トウヤの言ってた『歩く熟成肉』どもめ!」

ガレスが、燃えるような熱気を放つ超振動戦斧を構える。

「ああ! あの分厚い氷の装甲の下には、何万年という時間をかけて細胞が氷温熟成スノー・エイジングされ、アミノ酸とナッツのような芳醇な香りが極限まで濃縮された『神話級のドライエイジング・ミート』が詰まってるんだ! 一欠片も無駄にするなよ!」

「オラァッ!! 【剛腕絶技・ホット・スパイス・オープナー】!!」

ガレスが大跳躍し、熱々の不凍液コーティングが施された戦斧をマンモスの氷の装甲に叩き込む。

ドゴォォォォンッ!! ジュワァァァァッ!!

物理的な粉砕と同時に、摂氏数百度のスパイス刃が、絶対零度の氷装甲をまるで熱したナイフでバターを切るように滑らかに溶断する。

分厚い氷の殻がパージされた瞬間、その下から現れたのは――空気に触れたことで一気に芳醇な香りを放ち始めた、美しく熟成されたルビー色の極上赤身肉であった。

「……見事な熟成具合だ。余分な水分が完全に抜け、旨味の結晶が霜降りのように浮き出ている」

ジンが双短剣を閃かせ、熱々の刃でマンモスの肉を完璧なステーキ用のブロックサイズへと空中で切り分けていく。

「わたくしも負けませんわよ! 【貴族剣技・ホット・スライス】!」

エリスのレイピアが炎の軌跡を描き、氷の海から飛び出してきた熟成鯨の背肉を、瞬時に極上のカルパッチョ・サイズへと削り出す。

敵の「絶対零度の防御」は、彼らの「熱々スパイス武器」の前に完全に無力化されていた。

切り出された極上の熟成肉は、マリアの光の結界で鮮度を完璧にロックされ、サイラスのバキュームによって次々と氷室へと吸い込まれていく。

第二フェーズ:一週間の狂乱と、氷室の完全カンスト

寒さを一切感じない最強の『発熱・甘辛コーティング要塞』の力を得た彼らにとって、この氷河はもはやただの「超特大・熟成肉の貯蔵庫」でしなかった。

朝は、マンモスの群れを追い回して極厚のステーキ肉を乱獲する。

昼は、氷のクレバスに潜む熟成鯨を引きずり出し、何百トンという極上の霜降り肉を収穫する。

夜は、大広間で「熟成肉のタタキ」や「熟成鯨の竜田揚げ」をツマミに、星海エールを浴びるように飲む。

この狂気的な乱獲(お片付け)は、休むことなく丸々一週間続いた。

――そして、作戦開始から七日目の夕刻。

『……トウヤ殿。限界だ。次元拡張を三回施した氷室の肉専用ストレージが、完全にカンストした。これ以上は、マンモスの毛一本すら入らない』

サイラスが、疲労よりも深い達成感と共にシステムの一時停止を宣言した。

「よし! ならばお片付けはここまでだ! これにて絶対零度の氷河、完全平定完了ォォッ!」

トウヤが黄金の大剣を鞘に納め、甲板から大氷原を見渡す。

一週間前には無数の巨大魔獣が闊歩していた氷河は、今や見渡す限り無音の、ただの平坦な氷の平原へと成り果てていた。

「やりきりましたわね……! これで私たちの氷室は、世界最高峰のエイジング・セラーですわ!」

エリスが防寒(発熱)コートの襟を正し、満足げに微笑む。

第三フェーズ:神話級・熟成マンモスの極上厚切りステーキ大宴会

その夜。氷河のど真ん中に停泊した大宴殿のメインダイニングは、暴力的なまでの「肉の焼ける匂い」に支配されていた。

「さぁ野郎ども! 氷河平定の祝いだ! 一週間狩り尽くした中で、一番状態の良い『神話級・エイジングマンモスの極上リブロース』を、塩砂漠で獲った『うま味結晶塩』だけでシンプルに焼き上げるぞォォッ!」

ジュワァァァァァァァァァァッッ!!!!!

トウヤが分厚い魔導鉄板の上に、厚さ十センチはあろうかという巨大な熟成肉のブロックを乗せる。

表面がカリッと焼ける音と共に、熟成肉特有の「ローストナッツのような甘く芳醇な香り」が爆発的に広がり、大広間の全員が食欲で正気を失いかける。

「中はレアで仕上げる! いただきますだァァッ!」

トウヤが切り分けた極厚のステーキが、それぞれの皿にドスッと盛り付けられる。

「おおおおっ……! ナイフが、ナイフが自重だけで肉に沈み込んでいくぞ!」

神様が震える手でステーキを切り分け、口に放り込む。

「んんんんんんんんっっっ!!!!」

神様の背中から、氷河を溶かすほどの強烈な後光が迸る。

「と、溶ける……! 分厚い赤身肉なのに、何万年も熟成されたことで筋繊維が完全に解けている! 噛んだ瞬間に、閉じ込められていた旨味の爆弾が口の中で大氾濫を起こして……っ! しかも、このナッツのような香ばしい余韻! 狂う、これは美味すぎて神格が狂ってしまうよぉぉぉっ!!」

「美味ェェェェェェッ!!! 帝国の宮廷料理人が人生をかけて熟成させた肉すら、このマンモスの足元にも及ばん! 脂のクドさが一切なく、ひたすらに『純粋な肉の旨味』だけが脳天を突き抜けるわ!!」

エルドリア元皇帝が、ワイングラスをへし折りながら歓喜の涙を流す。

「カッカッカ! 岩塩だけでここまで味が深いとはな! ガツンとくる肉の味に、星海エールが水のように消えていくぜェッ!」

ガレスとヴィルヘルム上皇が、ジョッキを片手に肉の塊に喰らいつく。ケンジはもはや言葉を発することすら放棄し、無心で肉を咀嚼しては静かに天を仰いでいた。

最高の熟成肉と美味い酒。規格外の開拓者たちによる狂熱の大宴会は、氷河の夜を熱く焦がしながら深夜まで続いたのである。

第四フェーズ:次なる絶景『重力崩壊の天空チーズ連峰』への作戦会議

翌朝。肉のエネルギーで肌をテカテカに光らせた面々が、作戦会議室に集結した。

「さて、極上の熟成肉も手に入れたことだし、次のエリアの話といこうぜ。サイラス、解析はどうなってる?」

トウヤが、食後のハーブティーをすすりながら尋ねる。

『……あぁ。次の領域だが、これまた物理法則を無視した厄介な代物だ。モニターに出すぞ』

サイラスがホログラムを展開する。

そこに映し出されたのは、空中に浮かぶ巨大な山脈。

しかし、その山肌は岩や土ではなく、黄色や白の『滑らかな巨大な塊』で構成されており、さらに山脈全体が狂った重力場に包まれ、常に巨大な塊が下へ落ちたり、上へ昇ったりを繰り返している。

「こ、今度は……山が空に浮いてますの? しかも、あの黄色い岩みたいなもの……」

マリアが不思議そうに首を傾げる。

「匂いで分かるぜ。あれは岩じゃねぇ、**『チーズ』**だ!!」

トウヤが目を輝かせて叫ぶ。

次なる領域――『重力崩壊の天空チーズ連峰グラビティ・フォール・チーズ・アルプス』。

何万年という時間をかけて発酵し、山脈ほどの大きさにまで成長した「神話級のチーズ」の連峰であり、常に重力異常によって数千トンのチーズ岩が空から降り注ぐ、圧死必至の危険地帯である。

「カッカッカ! 山ほどのチーズだと!? 肉の次はチーズ! トウヤの野郎が発狂しそうなエリアだな!」

「その通りだ! 極上の肉を手に入れたなら、極上のチーズを合わせるのは料理人の義務だ! だが、あのメチャクチャな重力でチーズが降ってくるのは厄介だな……」

トウヤが腕を組み、ニヤリと極悪な笑みを浮かべた。

「なら、降ってくるチーズの岩を、全部『溶かして』受け止めちまえばいい! サイラス! ゼノス! 大宴殿の甲板を、超巨大な【チーズ・フォンデュ鍋】に魔改造するぞ!!」

『……なるほど。降ってくるチーズを甲板の熱とバキュームで溶かし、そのまま回収しようというのだな。狂っているが、理にかなっている』

サイラスがため息をつきながらも、指はすでに設計図を引き始めていた。

「さぁ野郎ども! 氷の次は重力崩壊のチーズ山脈だ! 明日からの【特大天空チーズ・フォンデュ作戦】、気合い入れて仕込むぞォォォッ!!」

「「「オオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」

絶対零度の氷河を「熱々スパイスの不凍液」で蹂躙し、究極の熟成肉を喰らい尽くした開拓者たち。

彼らの底なしの胃袋と常識外れの魔改造プランは、次なる絶景『天空チーズ連峰』の完全平定(お片付け)へ向けて、爆音と共に新たな産声を上げるのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく


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