第480話 無重力スパイス群島・大蹂躙(超・環境魔改造! 宇宙空間に創り出す『超特大スパイス・キッチンカウンター』)
第480話 無重力スパイス群島・大蹂躙(超・環境魔改造! 宇宙空間に創り出す『超特大スパイス・キッチンカウンター』)
無重力空間特有の「上下左右の喪失」と「慣性の法則」に完全に翻弄され、極上の食材を前にしながらも全員が深刻な三次元酔いに陥ってしまった移動料亭要塞『星海大宴殿』。
VIPルームの権力者たちすらも胃薬とゲロの海に沈みかける中、狂気の料理人・トウヤの瞳には、環境そのものを強引に捻じ曲げる「究極の魔改造プラン」の光が宿っていた。
「無重力を楽しむのはここまでだ。明日の朝から、このクソみたいにフワフワした宇宙空間に、俺たちの手で『大地(重力)』を創り出す!」
第一フェーズ:トウヤの極悪プランと、浮遊島の強制連結
翌朝。トウヤは作戦会議室のホログラムマップを広げ、ゼノスとサイラス、そしてクーに向けて指示を飛ばした。
「いいか、俺たちが酔う原因は『絶対的な下(地面)』がないからだ。なら、この無重力空間に散らばってる『巨大なスパイスの浮遊島』を全部一箇所に寄せ集めて、無理やり一つの『超巨大な大陸(平面)』に繋ぎ合わせちまえばいい!」
『……なるほど。バラバラに浮いているから三次元になる。ならば強引に二次元(平面)の戦場を創り出すというわけか』
サイラスが眼鏡を押し上げ、即座に要塞のトラクタービーム(牽引光線)の出力を最大に設定する。
「フッ、星を創るようなものだな。私の魔術に相応しい舞台だ」
ゼノスが漆黒の杖を掲げると、要塞の周囲数キロに及ぶ空間のベクトルが強制的に歪められた。
「クー! ゼノスが寄せ集めた島同士を、お前の重力でガッチリと結合させろ!」
「キュィィッ! おっきなパズル、任せてー!」
ズゴォォォォォォォンッ!!
バキィィィィィィンッ!!!
宇宙空間に轟音が響き渡る。
ゼノスの【絶対空間支配】とサイラスの牽引ビームにより、シナモン山脈の島、ブラックペッパーの岩礁、サフランの平原といった数十の巨大な浮遊島が、大宴殿の正面へと猛烈な勢いで引き寄せられていく。
そして、島同士がぶつかり合った瞬間に、クーの【超重力圧着】が発動。島と島は分子レベルで癒着し、瞬く間に「数キロ四方に及ぶ、真っ平らで極彩色のスパイス大陸」へと変貌を遂げた。
「仕上げは俺だ! 空間を固定化し、ここに【絶対的な下】を定義する!」
トウヤが黄金の大剣を大陸の中央に突き立て、スキルの核を解放した。
「【拠点創造(超特大キッチンカウンター・オープン)】ォォォッ!!」
カァァァァァァッ……!!
トウヤの魔力がスパイスの大陸全土を覆い尽くす。その瞬間、寄せ集められた島々は「ただの地形」から、トウヤのスキルが認める「強固な調理台(拠点)」へと昇華され、同時に大陸の表面にのみ【絶対的な1Gの下向き重力】が完全に定着した。
第二フェーズ:歓喜の涙と、地に足のついた圧倒的蹂躙
ズンッ……。
それまでフワフワと漂っていた大宴殿が、ついに完成した「スパイス大陸」の上に着陸し、ガッチリと錨を下ろした。
窓の外の景色が固定され、一切の回転も浮遊感も消え去る。
「……お、おおおおっ……! 下だ! 紛れもなく『下』があるぞォォォッ!!」
「うっ……うっ……地に足がつくって、こんなに素晴らしいことだったんですね……!」
VIPルームから飛び出してきた神様、アルカディア上皇、エルドリア元皇帝、そしてケンジの四人が、スパイスの大地に這いつくばり、シナモンやサフランの香りがする地面に頬ずりをして号泣していた。
三次元酔いの地獄から解放された彼らの顔には、生気が完全に戻っている。
「ハッハッハ! 酔いが覚めたなら、ここからはお前らも手伝えよ! 足場ができたなら、もうあの空飛ぶバケモノどもに後れを取ることはねぇ!!」
トウヤの号令と共に、大宴殿から開拓者たちが一斉にスパイス大陸へと飛び出した。
「ギシャァァァァァッ!!」
環境の激変に怒り狂った『白糖の飛竜』と、スパイスの森から現れた『大香辛のゴーレム(スパイス・タイタン)』が、群れをなして襲いかかってくる。
しかし、無重力という最大の武器を失った彼らは、地に足のついた「規格外の殺戮者」たちの前では、もはやただの『極上食材』に過ぎなかった。
「カッカッカ! 足場があれば、俺の斧は宇宙一だぜェッ!」
ガレスが大跳躍し、超振動戦斧をフルスイングする。
「【剛腕絶技・超振動粉砕】!!」
ドゴォォォォンッ!!
巨大なスパイスゴーレムが、強固な大地を背にしたガレスの一撃で粉々に打ち砕かれ、最高級の八角と丁子の粉末となって降り注ぐ。重力があるため、その粉末は宇宙の彼方へ飛んでいくことなく、大陸の「上」に綺麗に積もっていった。
「私のステップも、重力があってこそ美しく舞えますわ! 【貴族剣技・シュガー・スライス】!」
エリスがレイピアを閃かせ、滑るような足運びで白糖の飛竜の翼を切り落とし、純白の砂糖肉を完璧に解体していく。
「……これなら、切り飛ばした部位を追いかける手間もいらない。最高の『まな板』だ」
ジンが双短剣を振るい、空中で解体された食材が重力に従って足元へポトポトと落ちていくのを見て、満足げに頷いた。
第三フェーズ:数日間の大収穫祭と、甘露の川の引き込み
大地が完成したことで、彼らの乱獲効率は数百倍に跳ね上がった。
さらにトウヤたちは、無重力空間を漂っていた【星海甘露の滝】の軌道すらもゼノスの空間魔術で捻じ曲げ、自分たちが創り出した大陸の上を流れる「甘露の川」として引き込んでしまった。
それからの数日間は、まさに「一方的な大収穫祭」であった。
朝は、大陸の上を飛び回る飛竜を撃ち落としては、最高級の砂糖と飛竜の赤身肉を氷室へ放り込む。
昼は、湧いてくるスパイスゴーレムを砕き、国宝級の香辛料をキロ単位で麻袋に詰める。
そして午後は、大陸を流れるシロップの川から、サイラスのバキュームで極上の甘露をタンクが溢れるまで吸い上げ続ける。
「トウヤ殿! このシロップ、ただ甘いだけではなく、奥底にハチミツとメープルのような芳醇なコクがあるぞ! これだけで帝国が買えるレベルだ!」
元皇帝が、シロップの川でマイジョッキを片手に泳ぎながら歓喜の声を上げる。
「みんなー! 精霊たちが集めてくれたスパイスの山、マリアさんが光の結界で乾燥させてくれていますわよー!」
ルミナが風魔法で集めたスパイスを、マリアの温かな光のドームへと運び込む。作業効率は完璧そのものであった。
第四フェーズ:極上スパイス照り焼きと、宇宙最強のスイーツ
そして、大乱獲から三日が経過した夜。
特大キッチンカウンターと化した大陸の中央で、トウヤがこれまで集めた「最強の食材」を組み合わせた究極のディナーを仕込んでいた。
「よし野郎ども! 収穫は十分だ! 今夜は、塩砂漠で獲った『生ハム猪』の極上肉塊に、この群島で獲れた『八角・丁子・シナモン』の特製スパイスを限界まで擦り込み、さらに『星海甘露』をぶっかけて焼き上げる、【特大・生ハム猪の極上スパイス照り焼き・甘露仕立て】だァァッ!!」
ジュワァァァァァァァァァァッッ!!!!!
超高温の魔導グリルで肉が焼ける音と共に、塩漬け肉の旨味、複雑で刺激的なスパイスの香り、そしてシロップが焦げる暴力的なまでの甘香ばしさが宇宙空間に爆発した。
「いただきます! ……ガブッ!!」
神様が、自分の顔よりも大きな肉の塊に噛み付く。
「んんんんんんんっっっ!!!! 肉のしょっぱさを、シロップの濃厚な甘みが完璧に包み込んでいる! さらに、噛むたびに弾ける極上スパイスの香りが、脂のしつこさを完全に消し去って……甘い、しょっぱい、香ばしいの無限ループが止まらないよぉぉぉっ!!」
「こりゃあ酒が無限に消える味だぜ! ガッハッハ! ケンジ、エールのおかわりだ!」
ガレスが肉を頬張りながら樽を空にする。
「食後には、飛竜から獲れた『極上白糖』とシロップを使った、特製の【星海クレーム・ブリュレ】もあるからな! 胃袋の限界を突破しろ!!」
トウヤがバーナーで砂糖の表面を炙り、カリカリの黄金色に仕上げたスイーツを並べていく。
「きゃぁぁっ! 甘いものは別腹ですわ! スパイスの効いたお肉の後の、この冷たくて濃厚な甘み……! 私、この宇宙に生まれて本当に良かったですわ!」
エリスとマリア、ルミナの女性陣が、ブリュレを前に恍惚の表情を浮かべてとろけていた。
環境の理不尽さを「圧倒的な暴力と土木作業」で解決し、宇宙空間に重力付きのキッチンカウンターを創り出してしまった開拓者たち。
三次元酔いの地獄から一転、極上の甘みとスパイスに包まれたこの浮遊群島での数日間は、彼らのステータスと「食への執念」を、さらに神の領域へと押し上げていくのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく
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