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目指すは深層、まずは腹ごしらえから! 〜現代知識と【拠点創造】で始める、前人未到の大迷宮スロー攻略記〜  作者: 盆ちゃん


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第463話 超次元・星海樹フィッシング! 一網打尽の深海乱獲ショーと次なる『歯車大陸』の予感

第463話 超次元・星海樹フィッシング! 一網打尽の深海乱獲ショーと次なる『歯車大陸』の予感

「星海樹の深淵海」に潜航して三日。入り組んだ巨大樹の根と複雑な海流に阻まれ、乱獲の効率悪化という壁にぶち当たった移動料亭要塞『星海大宴殿』。

しかし、そんなちっぽけな壁で彼らの暴食(開拓魂)が止まるはずもなかった。追いかけるのが面倒なら、向こうから来させればいい。

最強の遊撃料理人トウヤが考案したのは、深海の主である「星海樹」そのものを釣り竿と定置網に改造し、究極の撒き餌で全海産物を一網打尽にするという、神界の理すら冒涜する【超次元・星海樹フィッシング作戦】であった。

第一フェーズ:究極の撒き餌と、神木ハッキング

「サイラス! 撒き餌の準備はできたか!?」

大宴殿のブリッジで、トウヤが通信機に向かって叫ぶ。

『完璧だ。前回の火山地帯で手に入れた「星核ラード」の焦がし油をベースに、紫水晶の森の「バルサミコ果汁」、そして深淵鮪の血合いを極限まで濃縮ブレンドした。名付けて【究極誘引・星海テイスティ・ボム】。どんな深海魔獣だろうと、この匂いを嗅げば食欲の奴隷と化す』

「よし! 魚雷発射管ディスペンサーから全方位へ撃ち込め!」

ズボボボボボボォォォォォッ!!!

大宴殿の側面から無数のカプセルが海中へと放たれ、水圧で弾けた瞬間、茶褐色の猛烈な「美味の匂い(エキス)」が深海の海流に乗って一気に拡散していった。

「ルミナ! マリア! 星海樹への接続ハッキングはいけるか!?」

「はいっ! 水の精霊たち、大樹の根から水を伝って魔力回路を開いてちょうだい!」

ルミナが星屑の杖を海中に向けて振るうと、要塞の周囲に張り巡らされた星海樹の巨大な根が、脈打つように青白い光を帯び始めた。

「道は開かれましたわ! 女神の御名において、生命の樹よ、わたくしの網となりなさい!! 【聖女の光網・大樹接続ワールドツリー・リンク】!!」

マリアが白神の杖を突き立てると、彼女の放つ純白の聖光がルミナの開いた経路を通って星海樹の根のネットワークへ一気に流れ込み、海全体を覆う「超巨大な光の定置網」を形成した。

これで準備は整った。

大宴殿の甲板で、トウヤ、ガレス、エリス、ジン、クロが、それぞれの得物を構えて「その時」を待つ。

第二フェーズ:湧き上がる極上海鮮と、大樹のスタンパルス

数分後。

静寂に包まれていた深淵海が、地鳴りのような重低音と共に激しく揺れ始めた。

「ワォォォォンッ!!(トウヤ! 下からも横からも、すっげぇ数の匂いが迫ってくるぞ!!)」

甲板の縁から身を乗り出したクロが、尻尾を千切れんばかりに振って叫ぶ。

その光景は、まさに圧巻であった。

究極の撒き餌の匂いに完全に理性を吹き飛ばされた深海のバケモノたちが、星海樹の根の奥深くに隠された巣穴から、文字通り「雪崩」のように湧き出してきたのである。

体長数十メートルに及ぶ『星海樹の深淵鮪ディープ・ツナ』の特大群れ。巨大な鋏を振りかざす『神話級・深海タラバガニ』。甲殻の隙間から濃厚なミソを溢れさせる『星海発光雲丹イルミナ・ウニ』。さらには、黄金のチョウザメや超特大の深海アンコウまでが、我先にと大宴殿の周囲(撒き餌の濃い場所)へと殺到してくる。

「ハッハッハ! 見ろよこの数を! まさに特大の生簀イケスだぜ!」

トウヤが大剣を肩に担ぎ、極悪な笑みを浮かべる。

「ですがトウヤさん! さすがにこの数のバケモノが一斉に暴れれば、要塞の耐圧結界が持ちませんわ!」

ルミナが焦りの声を上げる。

「だからこそ、ここで『釣り上げる』んだよ! マリア、今だァァッ!!」

「はいっ!! 【聖女の光網・星海樹スタンパルス】!!!」

マリアが杖に全魔力を込めて叫んだ瞬間。

海中に張り巡らされた星海樹の根が、一斉に目も眩むような「黄金の閃光(神聖雷撃)」を放った。

バチバチバチィィィィィィッッ!!!!

海という最強の伝導体を通じ、星海樹という超巨大アンテナから放たれたスタン攻撃。それは、撒き餌に群がっていた数万、数十万という深海の魔獣たちを、一切の苦痛を感じさせる間もなく、コンマ一秒で「完全な気絶状態(神経シメ)」へと追い込んだ。

ピタッ……と。

狂乱の渦にあった深淵海が、嘘のように静まり返る。

そして、気絶して脱力した極上の海産物たちが、浮力によってゆっくりと、要塞の甲板へ向かってフワフワと浮かび上がり始めた。

第三フェーズ:甲板・全自動水産加工ラインの狂演

「クー! ゼノス! 浮かび上がってきた獲物を全部甲板に水揚げしろ!」

「キュィィッ!! 【重力引き寄せ】!!」

「フッ……大漁だな。空間転移でドームの内側へ送り込んでやろう」

ゼノスとクーの魔法により、気絶した巨大マグロやタラバガニが、海水を纏ったままマリアの耐圧ドームをすり抜け、大宴殿の甲板へとドカドカと降り注ぐ。

「よし野郎ども! こっからは時間との勝負だ! 鮮度が落ちる前に、全部お片付け(解体)して氷室にブチ込むぞォォッ!!」

ここから先は、トウヤたちの「神技ライン工」の独壇場であった。

「オラァッ! 深淵鮪は俺が捌く! 【神速解体・一本釣り三枚おろし】!!」

トウヤが空中に飛び上がった十メートル級のマグロを、空中で真っ二つに両断し、赤身、中トロ、大トロの極上ブロックへと瞬時に切り分ける。

「カニの殻は俺に任せな! 中の身は絶対に潰さねぇ! 【剛腕絶技・峰打ち殻割り】!」

ガレスが超重量戦斧を振るい、巨大タラバガニの強靭な甲殻にヒビだけを入れ、中のプリプリのむき身を綺麗に押し出す。

「わたくしは繊細なお刺身のカットを担当しますわ! 【貴族剣技・薄氷のスライス】!」

エリスのレイピアが閃き、トウヤが切り出したマグロのブロックや、白身魚を、醤油に絡みやすい極上の刺身サイズへと空中で切り刻んでいく。

「……ウニの殻開けと、内臓ミソの抽出は完了した」

ジンが短剣をクルクルと回しながら、家屋サイズのウニの殻を精密に切り開き、黄金色のウニミソをボウル代わりのリル(スライム)へと流し込む。

「プルルンッ!(お魚いっぱい!)」

「サイラス、バキューム全開だ!! パッキングして氷室へ送れ!!」

『任せておけ! 次元圧縮パッキング・システム、限界稼働!!』

大宴殿の甲板は、もはや要塞ではなく「宇宙一豪華で効率的な水産加工工場」と化していた。

星海樹がスタンさせ、ゼノスたちが水揚げし、トウヤたちが解体し、サイラスが収納する。この完璧すぎる【超次元フィッシング・ライン】は、昼夜を問わず、狂気的なペースで稼働し続けた。

第四フェーズ:一週間の狂宴と、深淵海の『更地化』

もちろん、彼らはただ作業を続けていたわけではない。

「ハッハッハ! 今日の晩飯は、さっき水揚げした深淵鮪の『特大トロカツ』と、深海タラバの『極上カニしゃぶ』だァァッ!」

獲れたての宇宙一新鮮な海鮮を、その場でトウヤが極上のディナーへと昇華させる。

海中の美しい星海樹の光を眺めながら、毎晩のように刺身、寿司、海鮮鍋、フライのフルコースが大広間で振る舞われ、彼らは食えば食うほどにステータスを限界突破させ、翌日の解体スピードをさらに加速させていった。

そして――。

フィッシング作戦開始から、ちょうど一週間が経過した日の夕刻。

『……限界だ。トウヤ殿、次元拡張を最大まで施した氷室のすべてのスロットが、完全にカンストした。超圧縮パッキングを施してなお、もうワカメ一本すら入らないぞ』

ブリッジのサイラスが、疲労よりも深い達成感と安堵の溜息を漏らしながら報告した。

「よし! ならば乱獲はここまでだ! マリア、星海樹のスタンネットワークを解除しろ!!」

マリアが白神の杖を下ろすと、一週間光り続けていた星海樹の脈動が静かに収まり、元のエメラルドグリーンの光へと戻った。

「ふぅ……! いい汗かいたぜ! まさか本当に一週間で吸い尽くすとはな!」

ガレスが戦斧を置き、豪快に笑いながら肩を回す。

トウヤも大剣を鞘に納め、甲板から外の深海を見渡した。

一週間前には、見渡す限り無数に泳いでいた『深淵鮪』や『深海タラバ』、その他何百万という海産物たち。

それが今や、大宴殿の周囲、いや、星海樹の根が届く範囲の海域から、ただの「一匹」も残っていなかった。すべての魔獣は彼らによって釣り上げられ、極上の海鮮食材として氷室へと収まっていたのだ。

「やりきりましたわね……! これで私たちの氷室は、世界で一番贅沢な竜宮城の倉庫ですわ!」

エリスが感極まったように両手を合わせる。

第五フェーズ:次なる地平、星海機巧の超巨大歯車大陸

「さて、お片付け(平定)も完了したことだし、海中ドライブはここまでだ。サイラス、要塞を浮上させろ!」

『了解した。バラスト水排出、推進ベクトル上向きへ! アストラル・サブマリン、浮上する!』

ゴゴゴゴゴゴォォォォォォッ!!

大宴殿が、星海樹の根の隙間を抜け、果てしない海中を一気に駆け上がる。

やがて、頭上の海面が近づき、強烈な光がドーム内に差し込んできた。

ザバァァァァァァァァァァァァァァンッッ!!!!

凄まじい水柱を上げて、移動料亭要塞『星海大宴殿』が深淵海を突破し、外界の空気の中へと飛び出した。

太陽の光を浴びながら、甲板のハッチが開き、トウヤたちが心地よい潮風を全身に受ける。

「プハァァッ!! やっぱり外の空気は最高だな!」

トウヤが大きく背伸びをした、その時であった。

「……トウヤさん。あちらを見てくださいませ」

マリアが、水平線の彼方を指差して息を呑んだ。

海を抜けた彼らの眼前に広がっていたのは、これまでの「自然」を象徴するような環境とは完全に一線を画す、圧倒的かつ異質な絶景であった。

雲を突き抜けるほど巨大な、黄金と白銀に輝く無数の『超巨大歯車』が、空を埋め尽くすように回転している。

そしてその歯車同士が複雑に噛み合い、空中に浮遊する「一つの大陸(機械仕掛けの巨大都市迷宮)」を形成していたのだ。

海風に乗って、潮の匂いと共に、微かな「鉄とオイルの匂い」、そして……それを燃やして焼かれる何らかの『極上に香ばしい肉の匂い』が漂ってくる。

次なるエリア――**『星海機巧の超巨大歯車大陸アストラル・マキナ・クロックワークス』**である。

「カッカッカ! 今度は機械仕掛けの大陸か! ガチガチの鉄屑の山に見えるが、あの歯車の奥から、とんでもなく美味そうな匂いがしやがるぜ!」

ガレスが牙を剥いて大笑いする。

「……鉄とオイルの環境で育つ生態系。まったく予想がつかないが、間違いなく私の錆び(シメ)が効く相手だろうな」

ジンも静かに闘気を研ぎ澄ます。

「よし! 次のターゲットはあの歯車大陸だ! サイラス、要塞をあの大陸の入り口に着岸させろ!」

トウヤが黄金の大剣を抜き放ち、次なる舞台へ向けて高らかに宣言する。

「その前に、今夜は深海の幸を全部乗せた『特大・竜宮城フルコース大宴会』だ! 氷室の食材を美味く食いながら、あの鉄屑どもをどう料理してやるか、じっくり作戦会議しようぜ!!」

「「「オオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」

神が創りし星海樹すらも「巨大な釣り竿」に変え、深淵の海をわずか一週間で完全に食い尽くした規格外の開拓者たち。

パンパンの氷室と底なしの胃袋を抱えた移動料亭要塞『星海大宴殿』は、未知なる機械と鉄の美食が眠る次なる絶景へと向けて、狂熱の歓声と共に進路を定めるのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく


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