第461話 居候VIPたちも狂乱する『紅蓮の大地・三ツ星フルコース』と、次なる深淵への海中作戦会議
##第461話 居候VIPたちも狂乱する『紅蓮の大地・三ツ星フルコース』と、次なる深淵への海中作戦会議
三つの異常環境が入り混じる『星海焦熱の紅蓮結晶地帯』を、3部隊による「シャッフル・ディバイド作戦」で完全平定した移動料亭要塞『星海大宴殿』。
氷室は再びパンパンになり、しかも今回は冷菜からメイン、デザートに至るまで、信じられないほどの完璧なバランスで神話級の食材が揃っていた。
「さぁ! 今夜は久々に、ウチの上の階(VIPルーム)で毎日ダラダラしてる『最上級の食いしん坊(居候)ども』を全員大広間に呼び出して、特大フルコースの合同大宴会だ! 毎日部屋で別々にルームサービス食ってるだけじゃつまらねぇからな!!」
大広間の厨房で黄金の大剣(包丁モード)を振りかざし、トウヤが全館放送のスイッチを入れる。
すると数分後、大宴殿の専用エレベーターから、待ちきれない様子でヨダレを垂らした規格外の客人たちが次々と転がり込んできた。
「やぁやぁトウヤ君! 部屋のモニターでずっと狩りの様子を見てたよ! いつも自室で食べるルームサービスも最高だけど、みんなで囲む大宴会は久しぶりだね! 創造神、この匂いだけで天界の仕事全部忘れそうだよ!」
マイエプロン姿でフワフワと浮遊しながら現れたのは、この世界の【神様】。
「うおおおおっ! トウヤ殿ぉぉ! この日のために王位を息子に譲り『上皇』となってこのVIPルームに永住する権利を手に入れた甲斐がありましたぞォォッ!! いつもは部屋で一人舌鼓を打っておりましたが、この熱気と香りは大広間ならではですな!」
アルカディア王国の元国王(現・上皇)が、公務を丸投げした清々しい笑顔で駆け込んでくる。
「ガッハッハ! 娘の現皇帝(女帝)からは『特使として帝国の全財産を積んででも土産を持ち帰れ』と勅命を受けておるが、土産など知るか! 帝国最強の元皇帝たるワシが、この大広間で全ての美味を平らげてくれるわッ!!」
エルドリア帝国の元皇帝(現在は要塞に居座る特別特使)が、すでにナイフとフォークを両手に握りしめて上皇と肩を組んで笑う。
「……ハァ、ハァ……トウヤ、お前またトンデモねぇ生態系をぶっ壊しやがったな。普段は静かに自分の部屋で執筆しながら美味い飯を食ってるが、今日ばかりは地球出身の賢者として、このバカ騒ぎに付き合わないわけにはいかない……!」
異世界転移の先輩にして大魔法使いである【賢者ケンジ】が、眼鏡をキラリと光らせながら胃薬を片手に現れた。
「ハッハッハ! よく来たな居候ども! 座ってろ、今夜は右、左、中央の3ルートから集めた究極の『紅蓮大地・三ツ星フルコース』だ! 胃袋の限界まで食わせてやるぜェェッ!!」
「「「ウオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」
### 狂乱のフルコース:神も王も堕落させる美味の暴力
大広間の特大円卓に、開拓者たちとVIPたちがズラリと並ぶ。
厨房からは、トウヤの神速の包丁捌きと、マリアの魔法保温、リルの配膳サポートにより、次々と奇跡の料理が運び出されてきた。
**【前菜:紫晶麗鳥のカルパッチョと、氷晶蟹の冷製カクテル 〜絶対零度ミント添え〜】**
「まずは左の『極寒』と右の『酸味』のコラボだ! ジンの仕留めた紫晶麗鳥の極上マリネ肉に、ガレスがブッ叩いた氷晶蟹(冷製タラバガニ)の身を乗せ、星海青氷のミント結晶を散らした!」
「こ、これは……ッ!!」
神様が一口食べた瞬間、背中に後光がブワァァッ!と差し込んだ。
「お肉に染み込んだ天然のバルサミコの酸味と、カニの暴力的な甘み! それをミントの絶対零度の清涼感が、口の中で完璧な芸術品にまとめ上げている! 神である私ですら、こんな奇跡の味のバランスは創り出せないよ!!」
**【温菜:マグマ・クラーケンの激辛タコスミ揚げ 〜星核ラードの香り〜】**
「次は中央の『超火力』だ! マグマの中で育った超巨大タコを、クジラから採れた最高級の『星核油』でカラッと揚げ、自前の激辛タコスミソースとハバネロ蓮根を絡めた特製ブラックたこ焼きだ!」
「ひぃぃぃっ! 辛い! 辛いですが、旨味が強すぎてフォークが止まりませんぞォォッ!!」
アルカディア上皇が、顔を真っ赤にして口から火を吹きながらも、涙流してタコを頬張る。
「外の衣はサクサク、中のタコ身はプリップリ! 星核ラードの圧倒的なコクが、辛さを極上のエンターテインメントに昇華させておるわ!」
**【究極のメイン①:星海紫晶の樽牛・エイジングステーキ 〜貴腐ワインとブルーチーズソース〜】**
「ここからが本番だ! エリスたちが無音で仕留めた天然の超熟成肉の極厚ステーキ! ソースは、背中のブルーチーズと、貴腐王蜂から採れた極上蜜ワインを煮詰めた特製ソースだァァッ!」
ドゴォォォォンッ!!
一人につきダンプカーのタイヤほどの大きさのステーキが配膳される。
「……むぐぅぅッ!! なんという暴力的なまでの芳醇さ! 数十年の熟成を経た肉は、歯を立てる必要すらないほど柔らかいではないか!!」
エルドリア元皇帝が、肉塊に喰らいついて号泣した。
「娘よ許せ……! このチーズと貴腐ワインの魔性の味、帝国には一切れも持ち帰れん! 特使であるワシの胃袋という名の国庫に、全て収納させてもらうぞ!!」
**【究極のメイン②:星海神鯨のマグマトロ・炙り刺しと、溶岩熊の熱々シチュー】**
「まだまだいくぞ! クジラの腹からぶっこ抜いた『マグマトロ』の表面を軽く炙った特大刺身と、氷の鎧を着ていた溶岩熊の天然シチュー肉だ!!」
「あ、あかん……地球の高級寿司屋でも、こんな大トロは絶対に出ねぇ……」
賢者ケンジが、マグマトロを口に入れた瞬間、あまりの旨さに白目を剥いて椅子から崩れ落ちた。赤身の旨味と星核の脂が、口の温度で雪のように溶け、マグマの熱気が細胞の隅々まで染み渡っていく。
「ガッハッハ! 食え食えケンジ! 上皇も元皇帝も、遠慮はいらねぇぞ!」
ガレスが樽ジョッキに星海エールを注ぎ、ゼノスが貴腐ワインで乾杯の音頭をとる。
普段は個室で静かに美食を堪能しているVIPたちも、今夜ばかりは神も王も賢者も魔王も、すべての肩書きを「食欲」の前に脱ぎ捨てた。大宴殿は深夜に至るまで、狂乱と爆笑の坩堝と化したのであった。
### 翌朝:新たなる深淵への海中作戦会議
翌朝。
前夜の『紅蓮大地・三ツ星フルコース』によって、全員のバフ(ステータス)は限界のさらに向こう側へと突破していた。神様や上皇、元皇帝にケンジたちは「最高の宴だった! 今日は部屋でゆっくり腹ごなしするよ」と満面の笑みで各自のVIPルームへと引き上げていった。
静けさを取り戻した大宴殿の最上階、展望作戦会議室。
超回復を果たし、身体中から微弱な闘気を無意識に放っている開拓者たちが、円卓を囲んでいた。
「ぷはぁ……! 最高の打ち上げだったな! 食材のストックも適度に減ったし、みんなの調子も完璧だ」
トウヤが熱い星屑緑茶をすすりながら、ホログラムマップを起動する。
「さて、サイラス。紅蓮結晶地帯を完全に抜けたわけだが、目の前の『新しい景色』のデータは出てるか?」
『……ああ。心して見てくれ。次に我々が踏み入る領域は、これまでの「空」や「大地」とは全く異なる環境だ』
サイラスがコンソールを操作すると、窓の外のシャッターがゆっくりと開き、次なるフィールドの光景が広がった。
「まぁ……! なんて美しくて、そして……深い青なのでしょう!」
マリアが息を呑む。
彼らの眼前に広がっていたのは、見渡す限りの「海」。しかし、ただの海ではない。海面が存在せず、宙に浮かぶ巨大な水の塊のような、あるいは世界そのものが水没したかのような圧倒的な空間。
そしてその深海の底からは、天を突くほどの超巨大な「光り輝く大樹」が根を張り、海全体をエメラルドグリーンと深い蒼色で照らし出していた。
次なるエリア――**『星海樹の深淵海(アストラル・ディープ・オーシャン・オブ・ワールドツリー)』**である。
「カッカッカ! 今度は海か! しかも海の中にクソデカい木が生えてやがるぞ!」
ガレスが窓に張り付いて大笑いする。
「……あれだけの規模の海と生命樹。間違いなく、規格外の海産物(巨大魚や深海獣)の宝庫ですわね」
エリスが美食の神眼を輝かせ、喉を鳴らす。
「だがトウヤ、大宴殿は船じゃねぇ。海の上を走ることはできても、あの美味そうな巨大樹の根元(深海)に潜るには、今のままじゃ水圧でペシャンコになっちまうぞ」
ジンの指摘に、全員の視線がトウヤとサイラスに集まる。
「そこは抜かりねぇよ! なぁサイラス!」
トウヤがニヤリと笑って機神にウインクを飛ばす。
『フフフ……当然だ。この状況を予測し、すでに昨晩の宴会の裏で大宴殿のインフラ・アップデートを完了させている』
サイラスが眼鏡をキラリと光らせ、ホログラムに大宴殿の「新しい設計図」を投影した。
「ゼノスの空間圧縮と、マリアの絶対防御結界、そして俺の魔導推進炉を応用した新形態。大宴殿を完全密閉し、水圧を魔力変換して推進力に変える**【超弩級・深海潜航モード(アストラル・サブマリン)】**だ!」
「潜水艦モードだと!? 要塞ごと海に潜るってのか!?」
ガレスが目を丸くする。
「そうだ! あの光る大樹の周りには、何百年も海と樹の養分を吸って育った『超特大の深海マグロ』や『発光ウニ』、『神話級の深海タラバ』がウヨウヨいるはずだ! 上から釣り糸を垂らすなんてまどろっこしい真似はしねぇ。要塞ごと深海にダイブして、底引き網の要領で根こそぎ吸い上げてやる!」
トウヤが黄金の大剣を引き抜き、高らかに宣言した。
「フッ、魔王の城が今度は海底神殿に変わるというわけか。悪くない趣向だ。深海の王座から、愚かな海産物どもを見下ろしてやろう」
ゼノスがマントを翻し、空間魔力のチューニングを開始する。
「ルミナ、ファルコン! 水中でのナビゲートと水流制御は任せたぞ!」
「水の精霊たちが大喜びしていますわ! 完璧な海流に乗せてみせます!」
「ペガサス隊も水上からの索敵でサポートするぜ!」
「よし! 次の狙いは『深海の特上刺身』と『巨大樹の深海果実』だ!!」
トウヤが円卓をバンッと叩き、全員を見渡した。
「全機関、密閉完了! 超弩級・深海潜航モード起動! 【星海樹の深淵海】へ、ダイブ開始だァァァッ!!」
「「「オオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」
神や王たちをも堕落させた狂乱の大合同宴会を終え、規格外の開拓者たちは休むことなく次なるフロンティアへ。
最強の移動料亭要塞は、その姿を深海を統べる巨大潜水艦へと変貌させ、未知なる海鮮の宝庫が眠る光り輝く深淵の海へと、豪快にその巨体を沈めていくのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく
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