第448話 星海浮遊・全自動ブラックホール乱獲作戦! そして天空の平定と新たなる地平
## 第448話 星海浮遊・全自動ブラックホール乱獲作戦! そして天空の平定と新たなる地平
『星海浮遊の天空群島』――見渡す限りの雲海に無数の浮遊島が浮かぶ果てしない空域。
一つ一つの島を回っていては数ヶ月かかるこの広大なエリアを、わずか一週間で、しかも氷室がパンクする前に「すべての美味をしゃぶり尽くす」ため、トウヤは前代未聞の狂気的なプランを立案した。
「島の方から俺たちの目の前に集まってもらって、超圧縮して一気に吸い込む!」
かくして、最強の移動料亭要塞『星海大宴殿』は、大空のすべてを飲み込む「美食の超重力特異点」へと変貌を遂げることとなった。
### 第一フェーズ:超重力特異点の形成
「さぁ、派手にぶちかますぞ! サイラス、ゼノス、クー! お前たちのチートを限界まで重ね合わせろ!!」
最先端デッキに立つトウヤが、黄金の大剣を天高く掲げて叫ぶ。
『全機関、出力限界突破! ファクトリーのバキュームアームを前方へ集中! 吸引力、測定不能レベルにセット!』
ブリッジのサイラスがコンソールを叩き、要塞の前面に巨大な漏斗のような魔力フィールドを展開する。
「フッ……我が空間魔術の真髄、とくと見るがいい。空間を圧縮し、引力の底を創り出す! 【魔王絶技・星海漆黒事象の地平】!!」
ゼノスが杖を振り下ろすと、大宴殿の機首の数キロ前方に、光すらも歪むような漆黒の極大空間球体が出現した。
「キュィィィィィィィィッ!!!!(全部こっちに来いー!!)」
さらに神鷹クーが、その漆黒の球体に向けて『超・重力反転』の魔法を乗せる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォッッ!!!!!
三つの規格外の力が融合した瞬間、天空群島の空域に、世界そのものを吸い込むような「超巨大な引力の渦」が発生した。
その力は凄まじく、大宴殿の周囲数十キロに点在していた何千、何万という『岩と緑の浮遊島』が、まるで巨大な掃除機に吸い込まれるチリのように、ズゴォォォォッ! と音を立てて要塞の前方へと猛烈な速度で引き寄せられ始めたのだ。
「うおおおっ! マジで島が降ってきやがる!!」
ガレスが、四方八方から隕石のように迫り来る大小様々な浮遊島を見て、歓喜と興奮に満ちた咆哮を上げた。
「ハッハッハ! これでわざわざ移動する手間が省けたぜ! さぁ野郎ども! 吸い寄せられた島が要塞にぶつかる前に、空中で『食材』と『ゴミ(岩と土)』を完璧により分けるぞ!!」
### 第二フェーズ:神技の空中全自動スライサー&仕分けライン
ズガァァァァァァァンッ!!
最も近くにあったサッカー場ほどの大きさの浮遊島が、凄まじい速度で大宴殿の眼前へと迫る。島の上には、怯えて鳴き叫ぶ『星海飛翔の天牛』の群れと、たわわに実った『天空完熟の風船林檎』、さらには未知の巨大な『雲海白桃』がビッシリと生えていた。
「まずは岩盤の粉砕だ! オラァァァッ!!」
ガレスが甲板から跳躍し、迫り来る浮遊島の「土台(岩の部分)」へ向けて、超重量戦斧の峰をフルスイングで叩き込む。
ドゴォォォォォンッ! と島の下半分が綺麗に砕け散り、不要な岩や土砂が重力を失って雲海の下へと落下していく。
「お肉と果実は私が回収しますわ! 【貴族剣技・乱れ千切り摘み】!!」
エリスが白銀のレイピアを閃かせ、落下していく土砂の中から、天牛と果実だけを神速で切り離して空中に浮かび上がらせる。
「……シメる」
影から飛び出したジンが、パニックを起こしかけた天牛たちの延髄を一瞬で貫き、最高の鮮度をロックしたまま気絶させる。
「仕上げだ! 【絶技・神星流体パッキング】!!」
トウヤが大剣を振るい、空中に浮かんだ天牛と果実の群れを、真空の魔力パックで一つ一つ丁寧に包み込む。
「風と水の精霊たち! 土埃を洗い流して! マリアさん、浄化を!」
「はいっ! 女神の御名において、土の匂いもアクもすべて洗い落としますわ!」
ルミナとマリアのサポートにより、魔力パックに包まれた食材は、まるで高級デパートの贈答品のようにピカピカに磨き上げられ、サイラスのバキュームパイプへとズゴォォォォッ!と次々に吸い込まれていった。
「よし、一丁上がりだ! 次の島が来るぞ!! 休む暇はねぇ!」
トウヤが叫ぶ。
右から野球場サイズの島。左から都市サイズの超巨大島。上から無数の小島。
それらがブラックホールの引力によって絶え間なく押し寄せてくる。
しかし、大宴殿の甲板に陣取る開拓者たちは、それをただの「ベルトコンベアに乗って流れてくる食材」としか認識していなかった。
島が来る。
ガレスが土台を砕く。エリスが食材を切り離す。ジンが仕留める。トウヤがパッキングする。ルミナとマリアが洗浄・浄化する。サイラスが吸い込む。
ガシャァァァン! シュパァァァン! ズゴォォォォォォッ!!
この一連の動作が、わずか数秒のサイクルで無限に繰り返されていく。
それはもはや戦闘でも狩猟でもなく、神界の理すら超越した「超巨大・空中全自動スライサー&食材仕分けライン」の完成形であった。
「ワォォォォンッ!!(俺も仕分け手伝うぞー!!)」
「プルルンッ!!(お肉ポヨポヨ!)」
クロが風の刃でツタを切り刻み、リルがトランポリンとなって果実の落下の衝撃を和らげる。
『素晴らしい効率だ! 飛翔天牛の特上霜降り肉、風船林檎、雲海白桃、さらには島の中に眠っていた「天空蜂蜜」の特大の巣まで、一滴の損失もなく氷室へ格納されているぞ!』
ブリッジのサイラスの声が、歓喜のあまり裏返っていた。
### 第三フェーズ:狂気の一週間、天空群島平定
島を呼び寄せ、空中でミンチにし、食材だけを吸い込む。
この【星海浮遊・全自動ブラックホール乱獲作戦】は、昼夜を問わず続けられた。
もちろん、彼らはただ働き続けていたわけではない。
「ハッハッハ! 今日の晩飯は、さっき獲れた天牛の霜降り肉を使った『特大・天空すき焼き』と、風船林檎を天空蜂蜜で煮込んだ『極上コンポート』だァァッ!」
夜になれば、ブラックホールの出力を維持したまま(つまり島を吸い込みながら)、甲板の上に巨大な鍋を出し、その日獲れたばかりの宇宙一新鮮な食材で狂乱の大宴会を繰り広げた。
すき焼きの甘辛い匂いが雲海に漂い、星空の下で樽ジョッキが乱れ飛ぶ。美味い飯を食えば食うほど彼らのバフは限界突破し、翌日の仕分け作業のスピードはさらに加速していくという、恐るべき永久機関が完成していたのである。
そして――。
作戦開始からちょうど一週間後。
大宴殿の氷室から、「ピィィィィィィン!!!」という、全容量の限界(100%オーバーフロー寸前)を告げるけたたましいアラートが鳴り響いた。
『……限界だ! トウヤ殿、次元拡張を最大まで施した氷室のすべてのスロットが、カンストした! これ以上は果実一粒たりとも入らないぞ!』
サイラスが、疲労よりも深い達成感を滲ませた声で報告する。
「よし! ならば乱獲はここまでだ! ゼノス、クー! ブラックホールを解除しろ!!」
トウヤの合図で、ゼノスが杖を収め、クーが重力反転を停止する。
凄まじい引力の渦がフワリと消え去り、大宴殿の周囲に再び静寂が戻った。
「ふぅ……! いい汗かいたぜ! まさか本当に一週間で吸い尽くすとはな!」
ガレスが戦斧を置き、豪快に笑いながら肩を回す。
エリスもジンも、マリアもルミナも、心地よい疲労と満腹感に包まれながら、甲板に座り込んだ。
彼らが周囲を見渡すと、そこには驚くべき光景が広がっていた。
一週間前には、見渡す限り無数に浮かんでいた『岩と緑の浮遊島』たち。
それが今や、大宴殿の周囲数千キロにわたって、ただの「一つ」も残っていなかったのである。すべての島は彼らによって空中で解体され、岩や土砂は雲海の下へ落ち、美味なる生態系はすべて氷室へと収まっていた。
文字通り、広大な天空群島エリアを「お片付け(更地化)」してしまったのだ。
「やりきりましたわね……! これで私たちの氷室は、世界で一番豊かで危険な食料庫ですわ!」
マリアが感極まったように杖を抱きしめる。
### 第四フェーズ:新たなる地平、次なる美味への渇望
「さて、と……」
トウヤが大宴殿の最先端へと歩み寄り、雲海の彼方を見つめた。
天空群島エリアを抜け、長かった雲海が少しずつ晴れていく。
その向こう側に、太陽の光に照らされて、次なるフィールドのシルエットがぼんやりと、しかし圧倒的な威容をもって浮かび上がり始めていた。
それは、燃え盛るような赤と、深い紫が入り交じる、見たこともないような禍々しくも美しい巨大な大地(あるいは迷宮のさらに深層へ続く巨大な門)。
「……どうやら、またとんでもねぇ環境が待ってそうだな」
トウヤの口角が、自然とニヤリとつり上がる。
「カッカッカ! 上等じゃねぇか! 氷室はパンパンだが、俺たちの胃袋はまだまだ新しい刺激を求めてるぜ!」
ガレスがトウヤの隣に立ち、牙を剥いて笑う。
エリスやゼノス、他のメンバーたちも、次なる絶景(食材の宝庫)を眺めながら、瞳に燃え盛るような開拓魂の火を灯していた。
「サイラス! 要塞をあの新しいフィールドの手前で停泊させろ! 一度、腰を据えて作戦会議だ!」
トウヤが振り返り、全員に向けて力強く宣言する。
「氷室の食材を使った極上のフルコースを食いながら、あの向こう側にどんなバケモノ(美味いもん)が待ってるか、じっくり話し合おうぜ!!」
「「「オオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」
天空の島々をブラックホールで飲み込み、完全な平定を成し遂げた最強の移動料亭要塞『星海大宴殿』。
彼らの底なしの胃袋と常識外れの開拓劇は、次なる未知の領域へと向けて、狂熱の作戦会議と共にさらなる高みへと昇っていくのであった。
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