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目指すは深層、まずは腹ごしらえから! 〜現代知識と【拠点創造】で始める、前人未到の大迷宮スロー攻略記〜  作者: 盆ちゃん


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第445話 【超特大トンネル開通・マウンテン・イーター】その4:聖風の超排気システムと、光射す突破口

第445話 【超特大トンネル開通・マウンテン・イーター】その4:聖風の超排気システムと、光射す突破口

時速550キロ。

数百万トンの質量を持つ移動料亭要塞『星海大宴殿』が、生きた磁気鉱脈である超巨大岩山のド真ん中を、直径百メートルの真円トンネルを穿ちながら爆走していく。

最前線ではトウヤとガレスが岩盤を粉砕し、中央ではゼノスとサイラスが壁面コーティングとスパイス回収を完璧にこなし、左右のハッチではエリスとジンが極上の食材(トリュフと雷鳴猪)を神速で刈り取っている。

この狂気的な【超特大トンネル開通・マウンテン・イーター】作戦が、一切の破綻なく、それどころか要塞内部の開拓者たちに「一滴の汗もかかせず」に進行している最大の理由。

それは、要塞の最後尾と上空を完全に支配する、三組の『後方支援・排気&浄化部隊』の存在であった。

「本来なら、時速550キロで岩盤を砕き進む密閉トンネルの中なんて、超高温の摩擦熱と削りカスの粉塵、おまけに有毒な磁気ガスで、一瞬にして『死のオーブン』と化すはずなんだけどな……」

最先端デッキで大剣を振るうトウヤが、背後から吹き付けてくる「信じられないほど爽やかで涼しい風」を全身に浴びながら大笑いする。

その後方、大宴殿の広大な屋上デッキ。

そこには、強烈な逆風と磁気嵐の吹き荒れる暗黒のトンネル内において、女神のように美しく、そして清廉に立ち並ぶ二人の乙女の姿があった。

第一フェーズ:ルミナの超絶換気、【精霊絶技・星海大排気竜巻】

「前線の皆様が砕いた岩の粉塵と、推進炉から出る熱気……一粒たりとも、私たちの要塞キッチンには残させませんわ!」

精霊使いルミナが、星屑の意匠が施された杖を大宴殿の『後方(トンネルの入り口側)』へ向けて高らかに突き出した。

彼女の周囲には、これまでのオアシス大掃除で力を蓄え、極限まで進化した数千万の「風の精霊」と「水の精霊」たちが、楽しげな光の粒子となって乱舞している。

「風の精霊たち、大宴殿の後ろに『絶対に押し戻されない強風の壁』を作りなさい! 水の精霊たち、風に混ざって目に見えない粉塵をすべて洗い流して! 【精霊絶技・星海大排気竜巻アストラル・エキゾースト・サイクロン】!!」

ルミナの号令と共に、大宴殿の最後尾から、要塞の全幅(百メートル)をスッポリと覆い尽くすほどの『超極大の竜巻』が、要塞の進行方向とは逆――つまりトンネルの後方へと向かって猛烈な勢いで射出された。

ゴォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!!

それは、神界の最新鋭工場すら比較にならない、宇宙最強の『強制排気ベンチレーションシステム』であった。

トウヤとガレスが削り、サイラスのバキュームが吸い残した微細な岩の粉塵。そして摩擦によって生じた数千度の熱風。それらすべての「有害な排気」が、ルミナの生み出した巨大竜巻に巻き込まれ、時速数千キロという圧倒的な風圧でトンネルの外(後方)へと一気に吹き飛ばされていく。

水の精霊によるミストが粉塵を絡め取るため、トンネル内部の空気は、雨上がりの森のように澄み切った最高の湿度と清涼感を保ち続けていた。

第二フェーズ:マリアの絶対無菌室、【聖女の磁気中和・クリーンルーム】

しかし、岩山の厄介な点は粉塵や熱だけではない。

周囲の鉱脈から絶え間なく放たれる「強烈な磁場」と、削り出された「雷エネルギー(プラズマ)」が、トンネル内に充満し、要塞の計器を狂わせ、人体を内部から破壊しようと牙を剥いていた。

「ルミナさんの完璧な換気システム……その綺麗な空気を、見えない磁気毒で汚させるわけにはいきませんわ! 女神の御名において、この空間のすべての不浄と電磁波を『無』に帰しなさい!!」

マリアが、純白の聖光を放つ『白神の杖』を天高く掲げた。

前夜のひつまぶし大宴会で神藍覇竜のトロ脂をたっぷり摂取し、魔力量が完全にバグ(限界突破)を引き起こしている彼女の全身から、文字通り太陽のような浄化の光が爆発する。

「【聖女の絶対浄化・星海無菌結界アストラル・ホーリー・クリーンルーム】!!」

カァァァァァァァァァンッッ!!!!

マリアの放った光の波紋が、要塞全体と、トンネル内の空間を何重にも包み込んだ。

その瞬間。バチバチと音を立てていたプラズマの放電が嘘のように消え去り、空気をビリビリと震わせていた磁気嵐が、完全に「無害なマイナスイオン」へと書き換えられた。

『……信じられん。トンネル内の磁気ノイズ、完全にゼロ(クリア)になった!』

ブリッジのサイラスが、コンソールの数値を見て驚愕の声を上げる。

『大宴殿の外部は、今や神殿の奥の「無菌室クリーンルーム」よりも空気が綺麗だ! おかげでファクトリーの精密機械も、限界値の150%でフル稼働できているぞ! マリア殿、ルミナ殿、完璧なインフラ支援だ!』

「ふふっ、当然ですわ! エリスさんたちが獲った極上のトリュフやお肉に、岩の匂いや磁気のダメージが移ったら大問題ですからね!」

マリアが杖を握り締め、慈愛(という名の食欲防衛)に満ちた笑顔を咲かせる。

第三フェーズ:ファルコン隊の天空ナビゲートと、流体力学の支配

そして、ルミナとマリアが作り出した「究極の快適空間」を、さらに盤石のものとしているのが、要塞の周囲(トンネル内部のわずかな隙間)を飛び交う、ファルコン率いるペガサス隊の精鋭たちであった。

「ハヤテ! 右舷の気流が少し乱れてるぞ! サイラスの推進炉に負担がかからねぇように、風のスリップストリームを整えろ!」

「ヒンッ!」

ファルコンが天馬ハヤテの背から、トンネル内の『気流の乱れ』を完璧に読み取る。

直径百メートルのトンネル内を時速550キロで爆走すれば、要塞の側面には凄まじい「空気の壁(抵抗)」が生まれる。ファルコンたちは、ルミナの排気竜巻と要塞の推進力の間で生じる「乱気流」を、ペガサスたちの風魔法でミリ単位で相殺・誘導していたのだ。

「クー! 前方のトウヤたちが砕いた直後の暗闇を照らせ! マリアの光の届かない死角を潰すんだ!」

「キュィィィィッ!!」

神鷹クーが要塞の最先端へと飛び出し、重力魔法を応用した「光の屈折球」を作り出して、トウヤとガレスのドリル作業の「標的(岩の脆い部分)」を、まるでレーザーポインターのように的確にナビゲートしていく。

「おう! サンキューだファルコン、クー! おかげで的が丸見えだぜェェッ!!」

ガレスが、クーの照らし出した岩盤の急所クリティカルポイントへ向けて、戦斧のスマッシュを次々と叩き込む。

最前線の破壊。中央の回収。側面の収穫。

そして、それらすべての狂気的な暴走を、1ミリの不安もなく根底から支え切る「究極の後方支援部隊」。

この六人の規格外の開拓者と、魔王、機神、そして聖獣たちの連携は、もはや一つの巨大な『神話級の生態系システム』として完成されていた。

貫通:光射す突破口と、岩山の終焉

ズガガガガガガガガガガッ!!!!!

果てしなく続くと思われた紫金の暗黒トンネル。

しかし、時速550キロという狂気的なスピードで喰らい進む大宴殿の前に、削り切れない壁など存在しなかった。

突入から数十分後。

トウヤとガレスがぶち当たる岩盤の「手応え」が、急激に軽く、そして薄くなり始めた。

『……全機関へ告ぐ! センサーに強烈な外部光反応! 岩山の地殻密度、急激に低下!』

ブリッジのサイラスが、立ち上がってマイクを握りしめた。

『抜けるぞ!! この岩山の「向こう側」だ!!!』

「おっしゃァァァァァッ!!! 最後の仕上げだガレス!! この壁の向こうの新しい世界まで、一気にぶち抜くぞォォォッ!!!」

「オオォォォォォォォッ!! 【剛腕・限界突破大唐揚げ割り】!!!」

トウヤの黄金の大剣と、ガレスの超重量戦斧が、残された最後の薄い岩壁(といっても数十メートルの厚さがある)へ向けて、渾身の力を込めて同時に叩き込まれた。

ズバァァァァァァァァァァァァァァァンッッ!!!!!!!

轟音と共に、視界を覆っていた紫金の岩壁が、光の粒子となって完全に粉砕され、消え去った。

その瞬間。暗黒のトンネルに、眩いばかりの『真昼の太陽の光』と、清澄な新しい大気の風が、爆発的に流れ込んできた。

シュゴォォォォォォォォォンッ!!!!!

移動料亭要塞『星海大宴殿』が、生きた磁気鉱山を「直径百メートルの真円のトンネル」として完全に喰い破り、ついに岩山の向こう側――次なる未知のエリアへと、ロケットのように豪快に飛び出したのである。

「ルミナ! マリア! 排気と結界を解除! サイラス、ブレーキだ!!」

トウヤの叫びと共に、ルミナの竜巻がふわりと霧散し、マリアの浄化結界が黄金の粒子となって空へ溶ける。

『反重力フロート最大出力! 全推進炉、逆噴射リバース!!』

ゼノスが質量を極限まで軽くし、サイラスが推進炉のベクトルを前方に反転させる。

ズザァァァァァァァァァァッ!! と虚空に凄まじいブレーキの摩擦音を響かせながら、大宴殿は新しい大地の空中で見事に静止し、フワリと着陸を果たした。

凱旋と、次なる美食の気配

「ふぅ……! 抜けたァァァァァッ!!!」

トウヤが大剣を天高く掲げ、勝利の咆哮を上げる。

「ハッハッハ! 最高だぜ! 山を真正面からぶち抜くなんて、神様でもやらねぇドカカタ工事だ!」

ガレスも戦斧を肩に担ぎ、汗を拭いながら大笑いする。

エリスとジンが左右のハッチから甲板へと戻り、屋上からルミナとマリアも笑顔で駆け下りてきた。

「皆様、本当にお疲れ様でした! トンネルの中、全く息苦しくありませんでしたわね!」

マリアがトウヤたちに労いの光をかける。

『……全システムの被害、ゼロだ。そして……氷室のインジケーターを見ろ』

ブリッジから甲板へと降りてきたサイラスとゼノス。サイラスの手元のホログラムには、信じられない数値が並んでいた。

『雷岩塩(極上ソルトブロック)、磁気スパイス(粗挽きミル)、紫金トリュフ、閃電舞茸、そして紫電岩砕の雷鳴猪の特上ロース肉。……すべてが「ストレージ上限突破」の完全カンストだ。この岩山一つの通過で、大宴殿の厨房は、魔界の王城の宝物庫を軽く凌駕する『香辛料と極上肉の山』と化したぞ!』

「カッカッカ! 最高の収穫じゃねぇか! これでまた、とんでもねぇ宴会ができるぜ!」

ガレスが両拳を激しく打ち合わせる。

振り返れば、彼らがたった今貫通してきた超巨大鉱山には、人工物のように美しくくり抜かれた『真円の大穴』がポッカリと口を開け、その向こう側に、先ほどまでいた水生平原の景色が、まるで絵画のように覗いていた。

【超特大トンネル開通・マウンテン・イーター】作戦。それは、障害物をただ破壊するだけでなく、そのすべてを「極上の食材と調味料」へと変換し尽くす、彼らならではの完璧にして狂気的な大成功を収めたのである。

「さて、と……」

トウヤが、要塞の最先端に立ち、新しく開けた視界――次なるエリアの景色を見渡した。

「極上のスパイスと、引き締まった雷獣のロース肉は手に入った。なら、次はこいつらを『最高の料理』にするための舞台だな!」

山を喰らい尽くし、新たなる大地へと足を踏み入れた移動料亭要塞『星海大宴殿』。

彼らの無限の胃袋を満たす旅は、休むことなく、さらなる未知の美食が待つ地平線の彼方へと、熱狂と爆笑と共に続いていくのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく


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