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目指すは深層、まずは腹ごしらえから! 〜現代知識と【拠点創造】で始める、前人未到の大迷宮スロー攻略記〜  作者: 盆ちゃん


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第444話 【超特大トンネル開通・マウンテン・イーター】その3:令嬢の神速すれ違い収穫と、暗殺者の無音雷獣締め

第444話 【超特大トンネル開通・マウンテン・イーター】その3:令嬢の神速すれ違い収穫と、暗殺者の無音雷獣締め

最前線でトウヤとガレスが「双璧のドリル」となって岩山を粉砕し、ゼノスとサイラスがその後処理(コーティングとスパイス回収)を完璧にこなす。

移動料亭要塞『星海大宴殿』は、時速550キロという狂気的なスピードで、バチバチと紫電を散らす『星海雷鳴と磁場の超鉱山』の内部へと、一直線の巨大トンネルを穿ちながら爆走していた。

「よし、インフラ(足場)は完璧に固まったぞ! 次はエリスとジンの出番だ! 第3フェーズ【精密採掘・食材ピックアップ部隊】!! 時速550キロで流れる壁の中から、美味そうなヤツらを一匹残らず引きずり出してやれェェェッ!!」

最先端デッキからのトウヤの咆哮を合図に、大宴殿の左右に設けられた特大の外部迎撃用ハッチが、重々しい駆動音と共に完全開放された。

そこから吹き込んでくるのは、強烈な磁気と雷を帯びた、焦げるような岩肌の熱風。

しかし、そのハッチの縁に立つ二人のシルエットには、微塵の揺らぎもなかった。

白銀のレイピアを優雅に下段に構える令嬢剣士エリスと、二柄の短剣を逆手に持ち、すでに空間の「影」へと半ば同化している暗殺者ジンである。

ゼノスの漆黒のコーティングが施される「コンマ数秒前」のむき出しの岩肌。時速550キロですれ違うその暗黒の壁面には、この異常な磁場環境でしか育たない『極上の山の幸』と『狂暴な獣』たちが、要塞の通過によって次々と白日の下に晒され始めていた。

第一フェーズ:エリスの空中舞踊、幻の『紫金トリュフ』神速スライス

「見えましたわ……! トウヤさんが削った岩肌の断面、その地層の奥深くに眠る、紫色の電弧を纏った美しいキノコたちの群生が!」

エリスの美食を捉える神眼が、猛烈な速度で後ろへと流れていく岩壁の中に、キラキラと輝く宝石のような菌糸の塊をロックオンした。

何万年もの間、雷のエネルギーと磁気スパイスの養分を限界まで吸い上げて育った、超特級の香茸――**『星海磁雷の紫金松露アストラル・マグネティック・トリュフ』と、『閃電舞茸ライトニング・マイタケ』**である。

「あの紫金トリュフ……削り取られた瞬間に放たれたあの香り、間違いありませんわ。最高級のニンニクと、雨上がりの深い森の香りを、雷の刺激で何万倍にも濃縮したような『究極の食欲増進スパイス』ですのよ!」

エリスが恍惚とした表情を浮かべた直後、彼女の足元で【瞬動】の魔力が弾けた。

「時速550キロのすれ違い? 相手が止まって見える私にとっては、優雅なティータイムの散歩と変わりませんわ! 【貴族剣技・相対速度の神速摘み(ハイスピード・トリュフ・スライサー)】!!」

シャキィィィィィィィィンッ!!!!

エリスがハッチから身を乗り出し、猛烈な速度で流れる壁面へ向けて白銀のレイピアを神速で閃かせた。

その剣閃は、トウヤの掘削によってむき出しになり、ゼノスの空間壁で塞がれるまでの「わずか0.01秒の隙間」を完璧に縫い、岩肌に埋まっていた紫金トリュフと閃電舞茸の『根元(石づき)』だけを、1ミクロンの狂いもなく綺麗に削り取っていった。

シュパァァァンッ! と切り離された極上のキノコたちは、相対速度の慣性で後方へ吹き飛ぼうとするが、エリスはそれすらも計算し尽くしていた。

「サイラス殿! アームの吸引口を私のレイピアの軌道に!」

『合点承知!!』

バキュォォォォォォォォォォォッ!!

サイラスが制御する魔導バキュームアームがエリスのすぐ後ろに口を開け、空中にフワリと浮いた状態の無傷のトリュフと舞茸を、土埃一つ付けることなく、すべて完璧な状態でダイレクト吸引していく。

「ふふっ、トリュフの香りを閉じ込めるため、切り口は最小限に。これで今夜のステーキソースは、宇宙一の香りを放つこと間違いありませんわね!」

エリスがレイピアをクルリと回し、次々と現れるキノコの群生地帯を、微笑みを浮かべながら根こそぎ「お片付け(乱獲)」していった。

第二フェーズ:ジンの無音暗殺、超硬・雷獣の『空中神経締め』

エリスが右舷のハッチで極上キノコの乱獲ショーを繰り広げている頃、左舷のハッチに潜むジンの眼光が、暗闇の中で鋭く冷たく光った。

「……来たな。トウヤの掘削音に驚き、岩壁の奥から飛び出してきた『肉の塊』どもが」

ジンの視線の先。要塞が進む前方の壁面が内側からドゴォォォン!と爆発するように弾け、そこから巨大な獣たちが次々と姿を現した。

全身を硬質な紫水晶の装甲で覆い、額から鋭い避雷針のような一本角を生やした、体長十メートルを超える狂暴な魔獣――**『紫電岩砕の雷鳴猪アストラル・ライトニング・ボア』**の群れである。

『ブギィィィィィィィィィッ!!!』

雷鳴猪たちは、己の縄張りを荒らす巨大な要塞(大宴殿)へ向けて、全身から何百万ボルトという紫電を放ちながら、怒り狂って横穴から空域へと突進してきた。

「カッカッカ! ジン! そいつら絶対美味いぞ!! 常に雷の刺激で筋肉がビクビク収縮してるから、肉質が極限まで引き締まった『超絶特上ロース』のバケモノだ!!」

最前線からガレスの歓喜の声が飛ぶ。

「……理解している。これほど極上の肉体、暴れさせて血を回らせるわけにはいかない。恐怖を感じる前に、すべて『シメる』」

ジンが、要塞の進行による「風の影」へとフッと溶け込んだ。

次の瞬間、空中に飛び出してきた数十頭の雷鳴猪たちの『真上(死角)』に、無音でジンの姿が浮かび上がる。

「【暗殺奥義・雷光影縫い締め(ライトニング・シャドウ・スパイク)】」

チッ、チッ、チッ、チッ、チッ……!!

雨粒が水面を叩くような、微かな音。

ジンの両手に握られた二柄の短剣が、時速550キロですれ違う空間の中で、残像すら残さない速度で乱舞した。

彼の刃は、雷鳴猪たちの分厚い紫水晶の装甲の『わずかな継ぎ目』を正確にすり抜け、延髄(急所)の神経節を0.001秒で完璧に切断・破壊していく。

『……?』

雷鳴猪たちは、自分が殺されたことにすら気づかなかった。

怒り狂って突進の姿勢をとっていた彼らは、空中に飛び出した直後、痛みも苦しみも一切感じることなく、脳の命令系統だけを完全にシャットアウトされたのだ。

全身の強靭な筋肉は、恐怖で硬直することなく最もリラックスした状態(極上の鮮度)を保ったまま、プツンと糸が切れたように完全脱力した。

「……処理完了。サイラス殿、鮮度が落ちる前に氷室へ」

ジンが空中で身を翻し、再び左舷のハッチへと音もなく着地する。

『見事な暗殺シメだ、ジン! 受け入れ態勢はすでに整っている!』

ズゴォォォォォォォォォォォォッ!!

ジンによって空中で気絶(絶命)させられた数十頭の雷鳴猪の巨体は、大宴殿の側面から展開された特大の回収アームに優しくキャッチされ、そのまま解体ファクトリー(氷室)へと、ベルトコンベアに乗って次々と吸い込まれていった。

第三フェーズ:時速550キロのパーフェクト・ロジスティクス

「ジン! そっちの豚(ロース肉)、最高に美味しそうですわね!」

「……エリスのキノコもな。あのトリュフを削って、雷鳴猪のステーキに乗せれば、魔王の玉座すら買える味がするはずだ」

左右のハッチ越しに、エリスとジンが視線を交わして短く頷く。

要塞は依然として時速550キロの猛スピードで岩山の中心核へと向けて爆走を続けている。

しかし、その車窓(壁面)から流れてくるすべての食材――極上のスパイスキノコと、引き締まった雷獣の特上肉――は、この二人の『精密採掘・食材ピックアップ部隊』によって、ただの一欠片も逃されることなく、完璧な鮮度と形状を保ったまま要塞へと水揚げされていた。

トウヤとガレスが道をこじ開け。

ゼノスとサイラスが崩落を防ぎ、削りカスを調味料に変え。

エリスとジンが、壁面に眠るメイン食材を神速で刈り取る。

『こちらサイラス! 第3フェーズのピックアップ率、堂々の100%を継続中だ! 氷室の「特上・雷獣肉ストレージ」と「極上キノコ庫」が、凄まじい勢いで満杯に近づいているぞ!!』

ブリッジからの報告に、要塞全体が歓喜の熱狂に包まれる。

「ハッハッハ! 流石はエリスとジンだ! このまま岩山の終点まで、全部むしり取ってやれェェッ!!」

トウヤの黄金の剣閃が、さらに岩山を深く、深く切り裂いていく。

だが、これほどまでの破砕と乱獲を繰り返せば、当然ながらトンネルの内部には、削られた岩盤の超高熱の粉塵と、強力な磁気ガスが飽和状態となり、やがて視界と呼吸を完全に奪う「死の密室」と化してしまうはずだった。

それにもかかわらず、トウヤたちが一切の息苦しさを感じず、澄み切った視界で乱獲を続けられている理由。

それは、要塞の最後尾に陣取る、残る三人の『後方支援・排気&浄化部隊』が、この地獄のトンネルを「世界一快適なクリーンルーム」へと変え続けているからに他ならなかった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく


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