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目指すは深層、まずは腹ごしらえから! 〜現代知識と【拠点創造】で始める、前人未到の大迷宮スロー攻略記〜  作者: 盆ちゃん


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第443話 【超特大トンネル開通・マウンテン・イーター】その2:魔王の漆黒コーティングと、機神の全自動スパイス選別ライン

第443話 【超特大トンネル開通・マウンテン・イーター】その2:魔王の漆黒コーティングと、機神の全自動スパイス選別ライン

時速500キロの速度を一切落とさず、バチバチと紫金の電弧を散らす『星海雷鳴と磁場の超鉱山』の岩肌へと突き進む移動料亭要塞『星海大宴殿』。

最前線では、トウヤの黄金の大剣とガレスの超重量戦斧が「双璧のドリル」と化し、狂気的な全自動連撃によって、直径百メートルの巨大な真円トンネルをリアルタイムで穿ち続けていた。

しかし、二人のバケモノがどれほど神速で岩盤を粉砕しようとも、そこは強烈な磁場と落雷のエネルギーが渦巻く異常領域である。削られた瞬間の岩肌は膨大な熱量で流動化し、磁気の反発によって凄まじい勢いで崩落しようと要塞へ迫り、四方からは砕かれた「雷岩塩スパーク・ソルト」と「磁気スパイス」の破片が、視界を奪うほどの猛烈な弾丸となって吹き荒れていた。

この最前線の破壊の嵐のすぐ後ろ、要塞の中央セクションにおいて、完璧なる秩序と美学をもってインフラを制御する二人のプロフェッショナルが動いた。

「フッ……前線の粗野な破壊行為(トウヤとガレスの掘削)の後始末を任されるのは、毎度のことながら骨が折れる。だが、これほど美しい紫金の鉱脈をただの泥水に変えてなるものか。我ら魔王軍の『完璧な施工美学』を見せてやろう」

大宴殿の中央展望デッキに立つ魔王ゼノスが、真紅のマントを優雅に翻し、愛用の杖を構えた。その背後では、漆黒の鎧の空間魔術兵たちが一糸乱れぬ陣形を組み、魔力を極限まで同調させている。

『中央ブリッジよりゼノス殿へ。トウヤ殿たちの掘削速度は想定の130%を推移中。破砕された岩盤の摩擦熱により、トンネル内部の空気密度が危険域に達している。空間の固定と同時に、ファクトリーアームの【掘削回収モード(シールド・コレクター・ライン)】を起動、吸引圧を最大に固定する!』

ブリッジのコンソールを叩くサイラスの冷徹にして昂った声が、インフラ網を通じて響き渡った。

垂直上昇プロジェクトに続く、トンネル作戦第二段階――**【インフラ・削りカス回収部隊(ゼノス&サイラス)】**の、寸分の狂いも許さぬ魔法的ロジスティクスが開始された。

第一フェーズ:ゼノスの壁面融着、【魔王絶技・星海漆黒不壊隧道】

「空間魔術部隊、第拾弐フォーメーション! トウヤ殿たちが切り拓いた『食道トンネル』の壁面を、分子レベルで完全に固定しろ! 1ミクロンの剥離も、1粒の崩落も許すな!」

「「「ハッ!! 【絶対隔離・深淵空間融着ディメンション・トンネル・コーティング】!!」」」

ゼノスの杖の先から放たれたのは、すべてを飲み込むような漆黒の空間魔力。

それは、トウヤとガレスが削り取ったばかりの、まだマグマのように赤熱し、磁気でグラグラと揺らめいていたトンネルの岩肌へ、文字通り「一瞬」で展開された。

キィィィィィィン――ッ!!!

要塞の爆走に合わせて、トンネルの壁面が、見る見るうちに漆黒の鏡面仕上げのガラス状へとコーティングされていく。ゼノスの空間魔術は、崩れようとする数万トンの岩盤の自重(土圧)を別次元へと逃がし、さらに強烈な磁気ノイズを壁面の内側に閉じ込めることで、要塞の電子計器を守る「完全な不壊のシールド隧道」を作り上げたのだ。

『素晴らしい……!』

ブリッジのサイラスが、歪み係数「ゼロ」を維持するモニターを見て感嘆の声を上げる。

『ゼノス殿のコーティングにより、掘削直後のトンネル壁面が、神界の王宮の廊下よりも滑らかな鏡面と化している! 摩擦抵抗がゼロになったおかげで、大宴殿の滑走速度がさらに時速50キロ跳ね上がったぞ!』

「当然だ、サイラス殿。ただの横穴ではない、我らの城が通るための『美食の回廊』だからな。……さぁ、そこへ散らばる極上の『調味料』の回収は、貴殿の機械インフラの役目だぞ!」

第二フェーズ:サイラスの全自動選別、【魔導ファクトリー・磁気セパレーター】

『了解した! 我がインフラ・システムの真骨頂、とくとご覧あれ!』

サイラスがメインレバーを叩くと、大宴殿の左右および底部から、何万本もの極太の『超伝導バキュームホース』と、回転する『電磁選別ブレード』が、タコの手足のように一斉に突き出された。

【魔導ファクトリー・特級調味料一括水揚げ(マグネティック・セパレーター)】!!

ズゴォォォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!

トウヤたちが砕き、空中にキラキラと桜色や紫色に放電しながら舞い散っていた「雷岩塩」の結晶や、黒胡椒に似た芳香を放つ「磁気スパイス」の削りカス。それらが、要塞の底部に引き起こされた強烈な人工真空の渦によって、一粒も路面に落ちることなく、凄まじい吸引音と共にファクトリーの中へとダイレクトに吸い込まれていく。

吸い込まれた削りカスは、ファクトリー内部の超高速サイクロンの中で、即座にシステマチックな仕分けが行われていた。

「雷岩塩」は、その高い電気伝導率を利用して電磁フィルターで一瞬にして吸着され、クリスタル状の「極上ソルトブロック」へと成形。

「磁気スパイス」は、サイラスが開発した遠心分離機によって、不要な石コロのチリを1%の狂いもなく排除され、人肌の熱で最も香りが引き立つ「超粗挽きミル状態」へと、リアルタイムで製粉されていく。

『検品報告!』とサイラスの管理AIが冷徹なアナウンスを響かせる。

『雷岩塩、純度99.8%クリア! 磁気スパイス、焙煎温度・抽出トルク共に規定値ヨシ! 氷室の「特級調味料専用ストレージ」へ、毎秒5トンのペースでコンテナ格納中!!』

「カッカッカ!! 後ろの掃除機がもの凄ぇ勢いで吸い取っていくから、俺たちも遠慮なくブッ叩き割れるぜ!!」

最先端デッキから、ガレスの豪快な大笑いがトンネル内に木霊する。

魔法とインフラのシンフォニー:カンストする倉庫

時速550キロで突き進む大宴殿の内部。

ゼノスの漆黒の魔力がトンネルの形を完璧に美しくホールドし、サイラスの全自動システムが、降ってくる億万のスパイスを完璧なコンテナ詰めに変えていく。

それは掘削作業というより、巨大な「全自動・最高級調味料製造工場」が、山の中を爆走しているような光景であった。

大宴殿の調味料倉庫のインジケーターは、作戦開始からわずか数十分で、早くも「MAX(容量カンスト)」の警告灯を点滅させ始めていた。それほどまでに、この鉱山の削りカスは、これまでのサバンナや砂漠のスパイスを凌駕する『旨味の塊』だったのだ。

「フッ……見事な手際だ、サイラス殿。これで削りカスの回収工程は100%平定されたな」

ゼノスが杖を収め、満足げにワイングラス(中身は大蛤のスープ)を口に運ぶ。

『ああ、ゼノス殿。君の空間壁がなければ、吸引アームが岩盤の歪みで一瞬でへし折れていただろう。最高の共同作業ワークだったよ』

ブリッジのサイラスも、完璧な格納ログを見つめながら、勝利の笑みを浮かべていた。

二人の完璧なインフラ・削りカス回収ラインにより、要塞の進路と、大宴殿の次なるディナーのための『最強のスパイス』の確保は完全に完了した。

しかし、トンネル作戦の狂気は、まだ中盤に差し掛かったばかりである。

ゼノスが鏡面仕上げにコーティングした漆黒の壁面。そのさらに奥、要塞がマッハの速度で通り過ぎるまさに「コンマ数秒の視界」の中に、この磁場と雷を吸って異常な進化を遂げた、壁の中に眠る『幻の食材』と、獲物を狙う『雷獣』たちの姿が、ついにハッキリと浮かび上がり始めていた。

「よし、インフラ(足場)は完璧に固まったぞ!」

最先端からトウヤの声が響く。

「次はエリスとジンの出番だ! 第3フェーズ**【精密採掘・食材ピックアップ部隊】**!! 時速550キロで流れる壁の中から、美味そうなヤツらを一匹残らず引きずり出してやれェェェッ!!」

「「「オオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」

要塞の左右のハッチが、重重しい駆動音を立てて解放される。

そこには、白銀のレイピアを構えたエリスと、影と同化したジンが、閃光のように流れる漆黒の壁面を鋭い眼光で見据え、次なる立体乱獲スライスへのカウントダウンを始めていた。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく


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