表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目指すは深層、まずは腹ごしらえから! 〜現代知識と【拠点創造】で始める、前人未到の大迷宮スロー攻略記〜  作者: 盆ちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
439/510

第439話 【水生平原・上下両面乱獲ライン】その4:深海溝のサファイア、神藍覇竜の百万人前蒲焼下ごしらえ

第439話 【水生平原・上下両面乱獲ライン】その4:深海溝のサファイア、神藍覇竜の百万人前蒲焼下ごしらえ

『星海真珠の殻閉じ大蛤』の乱獲(お掃除)を終え、その真珠タピオカから抽出された極上ミルク潮汁の美味に突入部隊が震えていた、まさにその瞬間。

光すら届かない湖底の最深部に口を開けた、底知れぬ暗黒の亀裂――『星海神藍深海溝アストラル・アビス・トレンチ』から、空間のことわりすらも凍りつかせるほどの圧倒的なプレッシャーが吹き荒れた。

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォッッ!!!!!

地鳴り。いや、湖底そのものが恐怖にガタガタと震えている。

マリアが展開していた数百万ルーメンのサーチライトの聖光が、深海溝から立ち昇る「濃密すぎる藍色の魔力霧」によって遮られ、ゆらゆらと歪み始めた。

「冷たッ!? 結界の外の水温が、一瞬で絶対零度まで下がっていきますわ! 空間の壁が凍りつきそうです!」

ルミナが杖を抱きしめ、ゼノスの空間結界の表面にバリバリと音を立てて霜が降りていくのを見て叫んだ。

「フッ、面白い。大砂漠の岩塩竜に続き、この広大な湖の底にも、我らの美学(食欲)を試すような『絶対の主』が引きこもっていたというわけだな」

ゼノスが真紅のマントを激しく翻し、溢れ出る闇の魔力で結界の強度を即座に再固定する。

「……トウヤ、来る。この質量、そしてこの形……ただのトカゲや魚の類じゃない。極限まで引き締まった、長い『大蛇』の波動だ」

影の中からジンの声が響くと同時に、彼らの眼前の暗黒から、その規格外の巨体がぬらりと姿を現した。

全長一キロメートル。

その姿は、東洋の龍の如く雄々しく、そして地球の『ウナギ』や『アナゴ』を数万倍に巨大化させたかのように滑らかな流線型をしていた。全身を覆う鱗は、深海の超高圧で圧縮された**『最高級のサファイア結晶(藍晶鱗)』**であり、マリアの光を浴びて深遠な青い輝きを放っている。そして何より、その白銀色の腹部には、何万年もの間、地脈のミネラルを吸い尽くして蓄えられた、宇宙一高雅にして濃厚な『極上の脂の層』が、はち切れんばかりに脈打っていた。

水生平原の深淵に君臨する絶対的覇王――**『星海深層の神藍覇竜(アストラル-サファイア・レヴィアタン)』**である。

『ギュルルルルルルルルォォォォォォォォォォォォッッ!!!!』

覇竜が咆哮を放った瞬間、深海溝の超重水がマッハの速度で渦巻き、すべてを粉砕する『絶対零度の巨大渦アビス・ボルテックス』となってゼノスたちの結界へと襲いかかってきた。

「トウヤさん! あのバケモノ、体表のサファイアの殻の下に、とんでもない厚みの『純白の白身』と『極上のトロ脂』を隠し持っていますわ!」

エリスがレイピアの切先を震わせ、美食家の神眼をギラリと光らせる。

「ああ、見ただけで完全に理解したぜ、エリス!」

トウヤが黄金の大剣を抜き放ち、全身から太陽のような黄金の闘気を爆発させた。

「あの細長く引き締まった強靭な肉体、そして皮の下の極上の脂の融点……。あれは刺身や煮付けじゃねぇ。背開きにして骨を抜き、特製の甘辛ダレをつけて炭火でじっくりと焼き上げる……宇宙最強の**『特大・蒲焼あるいはひつまぶし』**にするのが大正解の神の食材だァァァッ!!」

「蒲焼……! タレの焦げる匂いだけで白米が何百杯でも消えるという、あの伝説の地球料理ですわね! 女神様、今日の私はいつも以上に容赦いたしませんわ!」

マリアのサーチライトが、興奮のあまり真昼を越えて太陽クラスの熱光へと跳ね上がった。

相手が神話級のレヴィアタンであろうと、彼らにとっては「百万人の胃袋を満たす、最高級の特大ウナギ」に過ぎなかった。

異常なる力の差:神藍覇竜の『10秒下ごしらえ』

『ゴォォォォォォォォォッ!!』

自らを蒲焼の材料としか見ていない人間たちの不遜な視線に、覇竜のプライドが完全に崩壊した。巨体を激しくうねらせ、絶対零度の激流を纏いながら、大宴殿を丸ごと噛み砕かんばかりの勢いで突進してくる。

【残り10秒】

「お前の冷たい水流なんて、風の精霊たちの敵じゃねぇんだよ! ルミナ!」

「はいっ! 水の精霊たち、風の精霊たち、波のテンポを逆転させて! 【精霊絶技・深海大静止アビス・フリーズ・ホールド】!」

ルミナが杖を大きく振るうと、覇竜が纏っていた絶対零度の激流が、逆に覇竜の動きを完全に封じ込める「氷のギプス」へと一瞬にして変貌し、その一キロメートルの巨体が空中でピタリと停止させられた。

【残り8秒】

『ギ、ギヂヂヂッ!?』

動きを止められ驚愕する覇竜の頭上へ、影からジンが音もなく消失・出現した。

「……ウナギの解体において、最も重要なのは『目打ち』と『神経締め』。暴れさせれば、身に血が回って台無しになる」

ジンの両手の短剣が、黒い閃光となって覇竜の脳天の急所(延髄)へと垂直に突き刺さった。

【暗殺奥義・無音深海目打ち(サイレント・アビス・スパイク)】。

一瞬。苦痛も恐怖を覚える隙すらなく、覇竜の全身の強靭な筋肉が、極限までリラックスした脱力状態(最高鮮度ロック)へと移行した。

【残り6秒】

「お次は私の番ですわね! その硬すぎるサファイアの鱗、身を傷つけずに一瞬ですべてパージいたしますわ! 【貴族剣技・藍晶鱗剥ぎ(サファイア・ピーリング)】!!」

エリスが【瞬動】で、一キロメートルに及ぶ覇竜の巨体の側面に沿ってマッハの速度で駆け抜けた。レイピアの超高速の軌跡が交差するたび、ギチギチギチィィン!と美しい音を立てて、絶対防御であったはずのサファイアの鱗と硬い外皮が、綺麗にジッパーを開けるように剥がれ落ちていく。

【残り4秒】

「女神の御名において! 泥臭さを一切合切消し飛ばし、蒲焼に最適な、口の中でフワッととろける極上の質感へと熟成しなさい! 【聖女の絶対浄化・特上蒲焼仕立て】!」

マリアの放った強烈な純白の聖光が、丸裸になった覇竜の純白の肉体を包み込む。深海特有の臭みが原子レベルで消滅し、身の中の脂の融点が、炭火の熱で最も美しく活性化する温度へと魔法的に調整されていく。

【残り2秒】

「仕上げは俺の『背開き』だァァァッ!! 骨と身を完璧にセパレートしてやるぜぇぇ!!」

トウヤが空中へと跳躍し、黄金の大剣を天高く掲げた。前夜の蟹雑炊パワーが彼の腕力に上乗せされ、大剣が空間そのものを縦に両断する光の巨大包丁と化す。

「【絶技・神星深海背開き(パーフェクト・イール・スライサー)】ォォォォォッ!!!」

ズバァァァァァァァァァァァァァンッッ!!!!!

深海全体を黄金色に染め上げるほどの、文字通り神の領域の一閃が、覇竜の巨体を縦に駆け抜けた。

次の瞬間。一キロメートルあった覇竜の肉体は、一切の形を崩すことなく、完璧な厚さに揃えられた「蒲焼用・特大フィレ(長焼き用ブロック)」、タレの出汁を取るための「巨大な中骨」、そしてお吸い物用の「極上肝きも」の三つのパーツへと、芸術的にスライドするように完全分離し、空中にフワリと浮き上がった。

断面から覗く白身には、まるで最高級の和牛のように、細かく美しいサシ(脂)がミクロの単位で入り込んでおり、深海の冷水の中でキラキラと真珠のような輝きを放っている。

【0秒】

「サイラス! 鮮度100%のまま、全部回収だァァッ!」

『魔導ファクトリー、吸引圧最大!! 骨も肝も身も、一欠片も逃すな!!』

天井の闇から延伸してきた大宴殿の超極太バキュームパイプが、待ってましたと言わんばかりに猛烈な咆哮を上げた。

ズゴォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!!

トウヤが完璧に背開きにした覇王の身、中骨、そして大量の極上肝が、完璧な部位仕分けをされながら、一滴のドリップ(旨味)も溢れさせることなく、大宴殿の『絶対零度・熟成氷室』へとダイレクトに吸い込まれていった。

深淵の完全平定、そして水上への凱旋

深海溝の周囲に、再び静寂が訪れる。

そこにあったのは、剥がれ落ちてお片付け(整列)された大量の美しいサファイアの鱗と、驚愕のあまりクレーターとなった海底の地形のみ。

数分前までこの水生平原の最深部を支配していた『星海深層の神藍覇竜』は、開拓者たちの圧倒的な力の差(食欲)の前に、完璧な「蒲焼の下ごしらえ(パック詰め)」へと変換され、完全にお片付けされてしまったのである。

『……こちら中継ブリッジのサイラス。……信じられん、一キロメートル級のレヴィアタンの生体反応が、本当に10秒で消滅した。そして氷室の「特上・鰻アナゴ専用ストレージ」が、一瞬でキャパシティの限界値カンストに達したぞ……』

スピーカーから響くサイラスの声は、もはや恐怖を通り越し、職人としての深い悦びに満ち溢れていた。

「ハッハッハ! 流石はサイラス殿、受け入れ体制も完璧だぜ! よし、これで下(水中)のオアシスと深海溝もお掃除完了だな!」

トウヤが大剣を鞘に納め、満足げに拳を握りしめる。

「……フッ、完璧な下ごしらえだったな、トウヤ殿。エリス殿の皮剥ぎも、ジンの目打ちも、我が魔王軍の全自動ラインに組み込みたいほどの精度であったぞ」

ゼノスが杖を収め、至福の笑みを浮かべる。

「さぁみんな! 水(上)のガレスたちも、今頃は鴨やレンコンを山ほど獲って待ってるはずだ! 要塞へ帰還して、宇宙一の『大蒲焼パーティー』の始まりだァァッ!」

「「「オオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」

ルミナの風のドームに守られながら、水中突入部隊は、極上の戦果(サファイア覇竜の肉)と共に、水面で待つ最強の移動料亭要塞へと向かって、一気に垂直上昇を開始した。

水面のトロール漁船と、水底の神速解体ショー。上下の両面から挟み撃ちにして大水生平原を完全制覇した規格外の開拓者たちの開拓作戦は、ここに完全大成功を収め、大宴殿の厨房からは、早くも世界を震撼させる『秘伝のタレ』を煮詰める香ばしい匂いが、大空へと立ち昇り始めようとしていた。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、こちらの新作「異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜」不定期執筆になりますがよろしく


https://ncode.syosetu.com/n7421mg/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ