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白鳳の天使は恋を自覚しない ー完璧美少女が俺の聖域を侵略中ー  作者: 霞灯里
第1章 白鳳の天使

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20/21

第20話 夏休みの予定

活動報告にキャラクターヴィジュアルイメージを掲載し始めました。最近ハマってる流行りのAI生成イラストです。作風コロコロ変わると思います。都度更新予定です、もしよければご覧下さい。

 勢いのまま想いをぶつけた告白をした夜、毎日アスファンへとログインしていた愛芽莉(あめり)たんはインしなかった。いつもは夜中に嬉しそうに鳴るスマホも沈黙し続けている。


 俺は久々の夜の孤独の寂しさと不安に、(さいな)まれていた。


「ああ、やっちまったなぁ……」


 女の子を、好きな人を泣かせちゃった。俺の告白をどう思ったか分からない。返事を聞けるような、そんな状況でも勇気もなかった。


 幸せな日々が終わっちゃうかもしれないと思うと、寂しすぎて胸にぽっかり風穴が空いた気分になる。でも、想いを伝えずにはいられなかった。


 そしてあの現場を思い出す。




『こ、これって、奏多くん……興奮してるってことだよね……?』


 そう呟きながら、テントを張った俺の息子を凝視(ぎょうし)し、そっと手を伸ばす愛芽莉たんの姿を――




「あ”あ”ああああーーーーー!!!」


 愛芽莉たんが大事すぎて尊すぎて、肉欲のまま抱けるはずなんてない。俺は矜持(きょうじ)を貫いた。


 だがしかし!


 ヤれたよねぇ!?


 あれはどう考えても!間違いなくエッチする直前だった!!


 凡人には巡って来る筈もない、天使との千載一遇(せんざいいちぐう)の奇跡を俺は自ら手放したのだ!


 俺は正しいことをしたんです。でも、逃した(てんし)は余りにも大きすぎたんです。


 そんな事実もまた、俺の精神を(むさぼ)り始めていた。俺の中で真心(まごころ)邪心(じゃしん)が言い争いをしている。


 ああ、俺は何て愚かで醜いのだ……。


 枕を抱えベッドの中で転げ回り悶々と哲学してたら、連日の睡眠不足と疲労により流石に体は限界だったようで、意識を失い朝まで眠り込んでいた。



 ◇



 そして朝――。


 久々に爆睡できて体の調子は良かった、けれど気分は晴れない。心は重たいままだ。


 どんな顔で愛芽莉たんに接すればいいのか分かんない。泣かせちゃったし、嫌われたかも。彼女が今、どんな想いを抱いてるか、さっぱり分かんない。


 愛芽莉たんの様子を伺って、機会をみて謝ろう。……いや、ずっとそればっかりじゃんか俺。



「はぁ……」



 大きく溜息をつきながら、自宅の扉を開いた。



「へっ?」



 玄関を開けると、家の前に見たことのある黒い光沢の高級車が止まってた。昨日俺を家まで送ってくれた、天宮家の送迎車だ。そして直ぐに後ろのドアが静かに開いて、天使な美少女がこの地に舞い降りた。



「奏多く~ん!」

「あ、愛芽莉たん!?」



 頬を赤く染めて控えめに手を振りながら、朝日を浴びて輝く天使が駆けて来る。朝っぱらから不意打ちの可愛らしさに悶絶して、思わず顔が崩れてしまう。


 見惚れてると愛芽莉たんは目前まで近寄って来て、伏し目がちの恥ずかしそうな表情で、もじもじしながら澄んだ声色で話しかけてきた。



「おはよっ、もう体は大丈夫……?」

「お、お、おはよう! うん、沢山寝たからもう大丈夫だよ!」


「良かったぁ! じゃあ一緒に学校、行こっ?」

「えっ!?……う、うん!」



 一緒に登校って、それっていいの!?


 まさかの同伴登校に頭が追い付かず戸惑いながら、流れる手つきで愛芽莉たんに背中を押されながら車に乗り込んだ。運転席には昨日と同じ美人なメイドさんがいて、淡々と挨拶してきた。



「奏多様、おはようございます。私は美咲と言います」

「は、はい……おはようございます、よろしくお願いします……」

「学校へ向かいますね」



 発進した車の振動を感じながらふと気付いた。俺は自宅の住所を天使に知られてしまったんだと。居場所を知られた事に、何となく危険を感じてしまった。


 チラっと隣に座る愛芽莉たんを見ると、近くでもじもじしながら上目遣い(うわめづか)で俺を見てる。気づけば俺のシャツをそっと(つま)んでた。


 なっ、なあに!?これ、どんな感情!!?


 そんな彼女にドギマギしちゃって、逃れるように話題を振った。



「そ、そういえば、今日アスファンの夏休みアップデートの内容が告知されるね!」

「あっ、うん、そういえばそうだったね」


奏多(かなた)君は、夏休み何か予定はあるの?」

「な、何も無いよ」



 その瞬間、天使は惚気(のろけ)るように「えへへっ」と微笑んだ。ほんと、どういう感情か分かんない!



「じゃあ、じゃあ、毎日一緒にゲームしようねっ?」

「……!う、うん!」



 俺の夏休みが決定した瞬間だった。でも天使は更に続けて、ふわふわとろんとした表情で呟いた。



「でもね、でもね……」

「う、うん?」


「テーマパークにも、行きたぁい! 観覧車に一緒に乗ろっ♡」

「えっ?ま、まさか俺と?俺なんかと!?」


「一人で乗せるの? ひどいー」

「ああ、いや!! 一緒に乗りますぅ!!」



 頬をプクーと膨らませる彼女に焦っちゃう。



「あと、水族館も行きたぁい! イルカのショーが観たいの♡」

「行くよ!」


「あと、映画とショッピングも♡」

「お、俺で良けりゃ、愛芽莉たんの行きたい所、何時でもどこでも行くよ!」


「わあぁあい! じゃあね、それとね、それからね……」

「……!?」



 ど、どうしたんだ愛芽莉たん……!?


 子供のように大はしゃぎしながら、甘えきったふわふわの音色で次々とデートのお誘いをしてくる。そして堂々と彼女の手が俺の太ももに添えられ、指先が小さく円を描くようにそこを(さす)り始めた。


 昨日の続きとばかりに、ぐいぐいと来る愛芽莉たんに焦り始める俺。


 アカン、天使がより強く力を増しておる……!!


 俺はこれまでの経験から、天使の人格を三つに分類してた。


 ①学校での、清楚で静謐などこか別世界に住んでそうな神聖な天使。

 ②怒った際の、狂ったような怒気を放つ憤怒の天使。

 ③普段俺と一緒に居る時の甘えんぼでちょっとエッチな妹天使。


 この③妹天使がパワーアップして、五割増しの甘えんぼちゃんになってる感じがする!


 ピロリン♪


 もじもじしながらじっくりと見つめられ、興奮気味にじりじりと寄ってくる彼女に焦りまくってると、救いの手のようにスマホが鳴った。スマホの画面を見ると、予想通りやっぱりアスファンのアップデート内容の告知だ。



「おっ、愛芽莉たん、アスファンのアップデート情報が来たよ!」

「ほんとだぁ、どんな内容だろう?」



 俺達はお互いスマホを開いてアスファンのアップデート情報を見た。見てしまった。


 そしてピシリと凍り付いた。


 色々と追加されるものがあるが、その中の一つの項目から目を離せなくなって、固まってしまった。


 ま、マジで……!? 今来るぅ……!? まさかこんな時に、来ちゃうのぉ……!?


 間近にいる天使をゆっくりとチラ見すると、瞳をキラキラ輝かせながら同じように固まってた。


 まさか、こんな時に! アスファンから追撃食らうとは思わねえわ!!

この物語を読んで頂き有難うございます。

もし宜しければ、ブックマーク・評価を頂けると励みになり有難いです。

また、評価いただいた方、有難うございました!

今後ともよろしくお願いします。

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