第17話 俺の夏休みってどうなるんや……??
活動報告にキャラクターヴィジュアルイメージを掲載し始めました。最近ハマってる流行りのAI生成イラストです。作風コロコロ変わると思います。都度更新予定です、もしよければご覧下さい。
あの日記帳を拾ってから、俺は寝不足だ。
「はぁ……ふぅ……」
今日もまた眠れない俺は、深夜にベッドで悶々としていた。ベッドに入っても今日一日の、目や耳に残る天使の余韻に興奮して寝れない。俺の生活は確実におかしくなってしまったと言っていいだろう。
深夜の静まり返った部屋の中で、俺は天井を見つめながら何度目か分からない寝返りを打つ。それでも目を閉じれば浮かんでくるのは今日一日の出来事ばかり。
お礼と称されたお昼の天使の餌付け。一生に一度の最高級の御褒美だと神に感謝していたのに……何と今日の昼間もイベントが発生した。愛芽莉たんは味を占めたように、お昼休みになると当たり前のように俺を個室に連れてった。
そして始まる天使の餌付け。もはやお礼じゃなく、日常になりそうなんだが!
「いや心臓もたんて……!」
またまた天使の成分が俺に溜まり、至近距離の彼女の笑顔と声にデレデレしてた俺。そして夜は一緒にアスファンをボイチャしながらイチャイチャプレイと、寝ても覚めても愛芽莉たんを強く意識して、頭から彼女が離れない。夜には傍にいるような声が耳に残っていて、悶えてる。
俺、管理されてない……?それどころか、支配されてる……?
完全に俺の中に天使が住み始めている。俺の精神的支柱だった、部屋中に飾られてる笑顔のエリシアたんグッズまで、逆に愛芽莉たんに見えてくる始末。
天使が推しを超え始めた。天使の攻撃力が強すぎる。重症だ、ドキドキが止まらない。
「いやいやいや待て待て!」
い、いや、好きになっちゃダメだ!!
頭を振って否定する。
俺のようななんの取り柄もない陰キャが、夢見ていい相手な訳が無い!世界の中心に居るような存在と、隅っこで静かに生きてる俺じゃ、月とミジンコ程の身分の差がある!
「夏休みまであと一週間……!」
そうだ、待ち望んだ夏休みまでもうすぐ!多少は天使から距離が置ける!
「そこで頭を冷やすんや、俺!!」
そう決意した瞬間、ある事実に気付いてしまう。
ん?
土日の休日って、朝から晩までイチャイチャプレイしてるよな……?
つまり、休日も一緒にいる。
「えっ、俺の夏休みって、どうなるんや……??」
もっと時間できちゃうよな。
もしかして夏休み中、毎日アスファンして朝から晩まで一緒の可能性?
夏休みに入っても距離なんて置けないのでは?
むしろ接触時間、増えたりしない?
ま、まさかねぇ???
そして朝。眠い、眠すぎる………眠れず悶々としてたらお日様昇り始めた。
目は乾いてショボショボするし、頭はぼんやりするし、魂の半分くらいがまだ布団の中に置いてきぼりになっている感覚のまま、ふらふらと登校して授業開始ギリギリで教室に滑り込むと、いつものように清楚で静謐な白鳳の天使が席に佇んでいた。
そして俺に気付くと、にこりと上品に微笑みながら声をかけられた。
「おはよう、奏多くん」
「お、おはよう、愛芽莉たん……」
ざわっと、生徒たちがざわめく。男子の嫉妬、女子の好奇心、俺に刺さる様々な感情の視線。
そうだ、昨日から天使から普通に挨拶が飛んでくるようになった。ちなみに「おはよう、天宮さん」って返したら、むーっと頬を膨らませ不満顔でプンプンだった。ちゃんと愛芽莉たんと呼ばないとダメらしい。
本日もいつものように、そんな彼女を授業中にギンギンに見つめる。ノートを取る横顔、髪を耳にかける仕草、小さく頷く様子、その可愛らしさの全てににデレデレになること午前中の三限目。
授業が終わった休憩時間にトイレにいこうと立ち上がったその瞬間、急に視界が暗くなり黒い幕が下りて来た。音が遠ざかり、足元の感覚が消えていく。
あっ、これやばいやつ――
意識が途切れる直前に、ガタンっと音が聞こえた気がする。
「………んー?」
柔らかい感触と甘い匂いに包まれながら、意識が浮上する。
「あっ、気が付いたぁ?」
「あ、あれっ?」
がばっと身を起こすとそこは愛芽莉たんがいて、彼女の個室の高そうな大きなソファに横になってた。
「大丈夫?びっくりしたよ、急に倒れちゃったから」
ああ、トイレに行こうと立ち上がったあの時、倒れたのか!
「熱や怪我は無かったから、取りあえず寝かしておくことになったよ」
「ああ~、そっか、ごめん!ありがとう!」
「寝てていいよ、先生は起きたら今日は早退するようにって、言ってたわ」
あれ、どうしてここに……?
何で保健室じゃなくて愛芽莉たんの部屋で寝てるのか不思議に思ったけど、取りあえず聞かないことにした。
胸元が涼しく感じふと気づくと、シャツのボタンが何個か外れていて俺のうっすい胸板がポロリと覗いていた。あっ、もしかして愛芽莉たんが熱を測ったの!?
はだけたシャツに戸惑っていると天使はソファへ近づいて来て、隣に座ると身を乗り出し俺の顔を、至近距離で心配そうな瞳で覗き込んできた。
ちょ、やめて!近い、近いのよっ!!
「それで、大丈夫?どこか悪いの?」
「いっ、いやっ!昨日なかなか寝付けずに、単に寝不足だっただけだよっ!」
「あら、そうだったの?寝不足なだけ?」
「そ、そう!寝たら治るから全然大丈夫!」
ドギマギしながら言うと、彼女は安心したように微笑み、優し気な天使の音色で言った。
「そっかぁ、よかったぁ。だったらほら、横になって?」
「ええ、でもここでいいの?」
「もちろん」
な、何なの……!?この甲斐甲斐しい雰囲気は……!?
狼狽えていると次の瞬間、ふわりと甘い匂いがしたかと思うと愛芽莉たんは俺の両肩に触れて優しく引っ張ってきた。そして俺の頭が柔らかく温かな感触に包まれる。
固まる俺、数秒遅れて理解する。この柔らかいものは太ももだと。
ひぃ!?ひ、膝枕……!!?
焦って愛芽莉たんを見上げると、真っ先に視界を覆うのはおっきな下乳だった。制服越しの豊かな膨らみを至近距離で目の当たりにし、ボンっと顔が真っ赤になって心臓が暴れ出した。
こ、これどこ見りゃいいの!見ていいの!?胸しか見えん!
「ふふっ、顔赤いよ?大丈夫?」
「だ、大丈夫れすぅ……!」
視線を逸らそうとしても大きく柔らかそうな曲線が目に入ってしまう。そして、どうしても見ちゃう。これはもはや視覚的セクハラではないか!?いいのかこれは!?
「ゆっくり休まないとね……」
愛芽莉たんは楽しそうに囁きながら、俺の頭を片手で抱えるように軽く固定して、髪を撫で弄り始めた。
うええぇ、これ、逃げらんねえ!!
焦りまくって目を逸らすと、ソファのすぐ傍に置かれたテーブルがあった。そこには薬箱やタオル、そしてリンゴやミカンとか色んな果物、野菜ジュースや飲み物、そしていつもの黒漆の弁当箱があった。何だか、準備万端といった構えに見える。
ツツーっと冷や汗が流れた。
ま、まさか……またイベントはじまってない……??
今度は看病プレイが始まった……!?
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