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神竜帝国のドラゴンテイマー  作者: 八茶橋らっく
2章 精霊姫と魔王軍
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39話 戦いの決着

「勝負あったぞ、大人しく降参するんだアイル!」


「降参? 妾が同じ相手に二度も捕まると思うたか! ……ぐうううぅっ……!」


 アイルはこともあろうに、蒼天軻遇突智ソウテンカグツチで拘束されながらも全身から爆炎を放って徐々に拘束から抜け出そうとしていた。

 流石は魔王軍四天王、その膨大な魔力量で一時的でも蒼天軻遇突智ソウテンカグツチを押し返せるとは。

 しかし魔力の消費量が半端ではない、アイル本人の魔力も大幅に減少しているが……これは。


「やめろアイル! このままだと魔力切れでお前が自滅するぞ!」


 魔力は魔族や精霊にとっては生命力にも等しいと聞く。

 つまり魔力を全て消費することは即ち、魔族にとっての死を意味する筈だ。

 それでもアイルは不敵な笑みを浮かべていた。


「はっ! 敵に二度も拘束される辱めを受けるよりはマシだとも!」


「あんな変態趣味を持ってる魔族の言い分とは思えないな……!」


 とはいえアイルにも矜持があるのだろう。

 かつて世界を激震させた、魔王軍幹部としての。


「でもだからって、俺はアイルを殺したい訳じゃない。悪いがアイルが自滅する前に決着だ!」


 俺は爆炎を纏うアイルへと突っ込み、そのまま竜縛鎖を巻きつけた両腕で独特の構えを取った。

 そのまま右腕を大きく振りかぶって、捻り込むようにしてアイルに放つ。


「貴様その構え、竜の世話係風情が近接格闘術まで扱えるのか!?」


「神竜帝国式・竜騎士戦闘術──穿竜堅醒センリュウケンセイ!」


「かぁっ……!?」


 勢いを付けた拳は、鎖越しにアイルの胴へと思い切り入った。

 そして魔力を大幅に消費して限界を迎えつつあったアイルは、あっけなく意識を手放して昏倒した。


「……よし。息もあるしアイルの魔力も残っているな。それに……」


『レイド、無事ですか!?』


 振り向くと、アイルの気絶で炎の檻や周囲の爆炎も消滅し、ルーナが人間の姿になって駆け寄って来た。


「俺は大丈夫だ。寧ろルーナこそ火傷をしているから、早く手当てをしないとな」


 携帯しているポーチから小瓶に入ったポーションや傷薬を取り出し、ルーナの傷を癒していく。

 貴重な薬草をふんだんに使った特製ポーションと古竜の回復力なら、夜明け前には火傷も癒えてしまうだろう。


『ところでレイド。あなたは格闘術まで扱えたのですね。以前ハイコボルトを倒した時の身のこなしも凄まじかったですが、まさかあれほどとは』


「実際には見様見真似だけどな。竜の世話をしている時に、竜騎士たちの訓練を見る機会も多かったから。自然と使えるようになってたんだ」


 幼い頃から、俺は竜舎近くで訓練をしていた竜騎士たちの様子を毎日のように目にしていた。

 だからこそ自然と、神竜帝国式・竜騎士戦闘術の型を覚えていったのだ。

 そしてドラゴンテイマーとして体を鍛える傍、こっそりと戦闘術の練習もしていたという寸法である。


「まさかこんなところで役立つとは思ってなかったけど、習得しておいて損はなかったな」


『お陰でわたしもこの竜の国も助かりました。またレイドに救われましたが、これでは救われてばかりですね』


 そう言うルーナは困ったような笑みを浮かべていたが、俺はそうじゃないと首を横に振った。


「俺も故郷の帝国を追い出されて、この国やルーナに色々と世話になっているから。これもお互い様だよ」


『そう言ってもらえると、わたしも気が楽になります。レイド、今回もお疲れ様でした』


 手当てを終えたルーナは、ゆっくりと俺に寄り添って肩を合わせてきた。

 ある意味これも、頑張ったご褒美といったところだろうか。

 俺の方も、こうしてルーナや竜の国を守りきれてほっと安堵していた。


《作者からの大切なお願い》


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